ネタ車両として扱われ、最近になって漫画で取り上げられたこともありGPZ250Rと並んで一躍有名になった・・・不人気車。
KATANAをデザインしたハンス・ムートさんによる作品でイメージは東京タワー・・・と思っていたが正確には違いました。正確に言うと若者の街である六本木がテーマなんだそうです。
いま見ても強烈なスタイリングだけど、当時はそんな比じゃないほどの強烈で批判も起きないほどのインパクトだった。
・・・売れてない。まあ当時はレプリカブームでネイキッド氷河期だったからね。
それでも出し続けたスズキは偉いというか無謀というか。
もしあと数年後、90年初頭から来るネイキッドブームに合わせて発売していたら売れて・・・ないよなあ。
あとネタになる時はいつもXモデルだけどXSというハーフカウルを纏ったモデルがあることも忘れないで下さい。
流石のスズキもGSX400Xを見た時「求めてるモノと違う・・・」と思ったのか定かじゃないけど
ハンス・ムートさんの作った400Xをベースに自社デザインのハーフカウルを付けインパクトを少し和らげたモデルを同年に出しました。
それも巷では「カタナの成り損ない」とか酷い言われようだった。
とまあネタ話だけで終わるのもアレだしちょっと可哀想なので技術的な話を少し。
GSX-R400のエンジンをスチールフレームに積んだネイキッドなんだけどそれでも当時ではクラス最軽量の153kg。さらに59馬力もクラストップ。更に更にセパハン&モノサスと性能面では申し分のないスペック。
こうやって書いてみるとGSRと共通点が多いですね。
広く捉えるならGSR400の始祖はこのGSX400Xとも言えなくもない・・・GSRオーナーは拒否するかもしれないけど。
GSX-R400譲りのエンジンなので冷却システムも同じSATCS(Suzuki Advanced Three-way Cooling System)方式。
これは何かと言うと、熱くなりがちなヘッドは水冷、シリンダーはフィンによる空冷、クランク~ピストンは油冷というトリプル冷却システム。
スズキはこのシステムによっぽど自信があったのか
「冷却システム論争にピリオドを打つ!」
と出始めの頃は自信満々。(当時は空冷・水冷・油冷どれが優れているのか答えが出てなかった)
・・・が結局のところこのGSX400Xを最後に廃れる事に。
中を見ても外を見てもこれほどネタが豊富なバイクはなかなか無いですね。
主要諸元
全長/幅/高 | 2100/715/1115mm [2100/715/1120mm] |
シート高 | 745mm |
車軸距離 | 1390mm |
車体重量 | 153kg(乾) |
燃料消費率 | – |
燃料容量 | 18.0L |
エンジン | 空油冷4サイクルDOHC4気筒 |
総排気量 | 398cc |
最高出力 | 59ps/12000rpm |
最高トルク | 3.8kg-m/10500rpm |
変速機 | 常時噛合式6速リターン |
タイヤサイズ | 前110/80-17(57H) 後130/80-17(65H) |
バッテリー | FB10L-B2 |
プラグ ※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価 |
L8A または U24FSC |
推奨オイル | スズキ純正 エクスター |
オイル容量 ※ゲージ確認を忘れずに |
全容量3.0L |
スプロケ | 前14|後46 |
チェーン | サイズ525|リンク110 |
車体価格 | 569,000円(税別) [595,000円(税別)] ※[]内はXS |