
「王者の風格」
Wの始まりであるカワサキ650-W1。
「ダブワン」
と言われているのを聞いたことはある人も多いかと思います。

クランクケース周りを見れば分かる通り、基本的に先のスタミナKをベースにボアアップし624ccとしたモデル。
というのもこの頃のカワサキのバイク事業はいつ撤退となってもおかしくない崖っぷち状況で、一から大型バイクを造るお金なんて無かったんです。
しかしそれでもクラストップとなる47馬力で圧倒的な速さを誇り、スポーツバイク層や旧メグロオーナーなどからも高い支持を獲得しました。

ただし当時はエンジンの振動を打ち消すバランサーなんてものが無い時代。
そんな中で624ccのバーチカルツイン(312ccの単気筒を2つ並べた形)だからいま売ったらクレームものの振動です。
どんくらい振動が凄いかというとセンタースタンドで立ててアイドリングさせたら勝手に歩いていくレベル。

ただ当時はソレが大型である証でもありました。
ちなみにこのW1は元々はカワサキ初の対北米戦略車。
カワサキの世界戦略車というと6年後に出るZ1のイメージが強いですが第一号はこのW。
翌67年にはキャブトンマフラーとショートフェンダーのW1Sを海外向けに販売。
翌年にはツインキャブとフロント19インチのW1スペシャルを国内でも取扱い開始。

最終モデルとなるのは1970年に発売されたW1SAとよばれるモデルで現代的な左シフトへ変更し、メーター周りなど見た目もスポーティに仕上げたモデル。
このW1最終型であるSAは非常に高い人気を呼び、総生産台数1万台を超えるヒットとなりました。
主要諸元
| 全長/幅/高 | 2135/865/1090mm |
| シート高 | – |
| 車軸距離 | 1420mm |
| 車体重量 | 199kg(乾) |
| 燃料消費率 | 45.0km/L ※定地走行テスト値 |
| 燃料容量 | 15.0L |
| エンジン | 空冷4サイクルOHV2気筒 |
| 総排気量 | 624cc |
| 最高出力 | 47ps/6500rpm |
| 最高トルク | 5.4kg-m/5500rpm |
| 変速機 | 常時噛合式4速リターン |
| タイヤサイズ | 前3.25-18-4PR 後3.50-18-4PR |
| バッテリー | YB7L-B |
| プラグ | B7ES |
| 推奨オイル | – |
| オイル容量 | 全容量3.0L |
| スプロケ | – |
| チェーン | – |
| 車体価格 | 328,000円(税別) |






