「Invincible Everywhere」
四年目にして遂にモデルチェンジをし何とまたもや636ccになって返ってきたZX636E/F型。
E型はABSレスでF型はABS有りモデルですが正規販売されたのはF型のみ。
「また排気量オーバーしてるじゃん」
って話ですが、レース向けには先代Rモデルを併売する形で対応しています。
非常に完成度が高かったPモデルを更に改良したモデルという事なのでもうコレはコレで完成形なんでしょうね。
さてじゃあ636モデルはどうなっているのかというと、まず何より見た目が最新のNinjaシリーズに沿った端正な顔つきになりました。
更にキャスター角を見直し、出力モード切り替えやトラクションコントロールなどの電子制御と、最新のSS要素を装備。
先代の時点でBPFなどが付いていた事を考えると、これで税込み130万円前後というのはかなりのバーゲンプライスかと。
しかしこのモデルで何を置いてでも取り上げないといけないのがやっぱり636ccになったこと。
ミソなのは先代のエンジンをベースにストローク量を2.6mm伸ばして636ccにした事です。
ボアではなくストロークを伸ばした形なので当然ながら全域でトルクアップ。
「2モデル展開は向こうの人が嫌う」
という話をP型したんですが、その向こうでも600SSが下火となり売れなくなりました。
昨今の600SS生産終了ラッシュも、そして再び636化してきたものそれが大きな理由。
そもそも何故そんなに636化に執着するのかって話ですが、歴代6Rプロジェクトリーダーの岡部さんがこんな事を言っていました。
「限られた排気量のミドルでトルクが余ることはない」
と・・・そして
「ちゃんと加速する事が大事」
とも。
結局その考えを最も強く反映した形がクラスオーバーとなる636なわけで、復活したこのモデルでもストロークを伸ばしつつ圧縮比は敢えて落とすという”本当に必要なトルク”を稼ぐ変更をした。
「どんな時でもちゃんと加速する為に」
です。
600じゃないから卑怯だと、ミドルスーパースポーツじゃないと言われる事もあります。でもそれで良い。
だってこのZX636E/F型はスーパースポーツである事よりも、下も上も使えるミドルとして高い評価と歴史を持つ『ZX-6Rである事』を取ったわけですから。
『INVINCIBLE EVERYWHERE(何処でも無敵)』
という言葉の意味はソコにあるわけです。
主要諸元
全長/幅/高 | 2085/705/1115mm |
シート高 | 830mm |
車軸距離 | 1395mm |
車体重量 | 194kg(装) |
燃料消費率 | – |
燃料容量 | 17.0L |
エンジン | 水冷4サイクルDOHC4気筒 |
総排気量 | 636cc |
最高出力 | 129ps/13000rpm |
最高トルク | 7.2kg-m/11500rpm |
変速機 | 常時噛合式6速リターン |
タイヤサイズ | 前120/70ZR17(58W) 後180/55ZR17(73W) |
バッテリー | YTX9-BS |
プラグ | CR9E |
推奨オイル | カワサキ純正オイルR4/S4 または MA適合品SAE10W-40 |
オイル容量 | 全容量3.6L 交換時2.8L フィルター交換時3.1L |
スプロケ | 前16|後43 |
チェーン | サイズ520|リンク112 |
車体価格 | 1,246,000円(税込) |