
「Authentic Quarter」
ZXR250が生産終了となった二年後に入れ替わる様に登場したBALIUS-II/ZR250B型。
最初に変更点をあげると
・リアをリザーバータンク付きの二本サス化
・再設計されホイールベースを伸ばしたメインフレーム
・点火時期を調整し吹け上がりを良くするK-TRIC(スロポジセンサ)
・ライディングポジションの見直し
・テールカウルのデザイン変更
・サイレンサーを大型化
などなどと先代よりも安定性に重きを置いたモデルチェンジでポジションも大きく見直されアップライトなものになっています。

何気にステップ位置まで変わっているんですが、これ単純にステップを替えたわけではなく実はメインフレームのピボット(スイングアームの付け根)部分を変更しているなかなかの大手術。
足つき抜群でエンジンもビュンビュンで250らしいスリムさ、そしてデザイン性の良さから人気が出てロングセラーとなったからこれだけの変更が出来たのは言うまでもないかと。

ちなみにエンブレムも変わっていて、先代A型が跳ね馬みたいだったのに対しB型は駆け馬スタイルになっています。
そしてバリオス2と言えば紹介しておきたいのが限定カラーモデル。

左右でそれぞれ別のカラーリングをしている面白い配色。一粒で二度美味しい的な・・・しかも限定1000台。
そしてもう一つはスズキから出されたGSX250FXというモデル。

見て分かる通りこれはスズキにOEM供給されたBALIUS-IIで型式はZR250Cになります。
車名もGSXとFXという看板ネームをW使用という早々ないコラボ仕様。

そんなBALIUS-IIですが
・1998年にキーシリンダーの防犯強化
・2000年に触媒の内蔵
・2006年にマルチリフレクター化
と改良を重ねた後、排ガス規制の強化が行われる2007年を機に惜しまれつつも生産終了となりました。ちなみに四気筒250勢としてはホーネットと並んで最後の最後まで残ったモデルになります。
それにしても改めて思いますが”250”で”直四”で”DOHC”で”4バルブ”なんて一昔前のレースマシンくらい。これを普段遣いの街乗りバイクに活用するなんて本当に無駄の極みとしか言いようがない。

身近なもので例えるとアースノーマットのカートリッジやヤクルト一本分程度の小さな燃焼室にバルブを4つ配置し、それを4部屋連結させてシャカシャカと忙しなく動くことで18000rpmまでビュンビュン回る。これを無駄と言わずして何と言いましょう。

ロマンか。
主要諸元
全長/幅/高 | 2070/735/1055mm |
シート高 | 745mm |
車軸距離 | 1400mm |
車体重量 | 147kg(乾) |
燃料消費率 | 39.0km/L ※定地走行テスト値 |
燃料容量 | 15.0L |
エンジン | 水冷4サイクルDOHC4気筒 |
総排気量 | 249cc |
最高出力 | 40ps/15000rpm |
最高トルク | 2.4kg-m/10000rpm |
変速機 | 常時噛合式6速リターン |
タイヤサイズ | 前110/70R17(54H) 後140/70R17(66H) |
バッテリー | YTX7L-BS |
プラグ | CR9E または U27ESR-N |
推奨オイル | カワサキ純正オイル または MA適合品SAE10W-40 |
オイル容量 | 全容量2.6L 交換時2.1L フィルター交換時2.55L |
スプロケ | 前14|後48 |
チェーン | サイズ520|リンク112 |
車体価格 | 509,000円(税別) |
年次改良
1998年:盗難抑止強化されたキーシリンダーとハンドルロック
2000年:新排ガス規制に対応するためKLEENとKCAを装備し39.5馬力に
※KLEEN:排気ガスを浄化する触媒|KCA:燃え残りに空気を送って再燃焼させるエアインジェクション
2006年:マルチリフレクター式ヘッドライト化