「Mind Trip Quarter」
時代は少し遡ってZXR250/RがC/D型にモデルチェンジしたのを機に追加販売という形で登場したカワサキ初の四気筒250ネイキッドとなるBALIUS/ZR250A型。
・バフがけされたエンジン
・カムを変更し低中速を重視
・フライホイールマスをアップ
・4-1集合ステンレスエキパイ
・Φ38mmの高張力ダブルクレードルフレーム
・角型アルミスイングアーム
・軽量3本スポークと偏平ワイドタイヤ
・シングルディスクで軽量化
・アップライトなバーハンドル
など”フリーテイスト”というコンセプトを元に開発されたネイキッドになります。
ネイキッド需要の拡大に応えるように発売された面が強いのですが、ZXR250/Rをストリート向けにチューニングしているだけあって街乗りではZXR250/Rより速いという高性能っぷり。
そのくせアップライトで振り回しやすくボディもスリムだから完全に街乗りビュンビュン系。
でもバリオスの一番評価された部分はそういった走行性能ではなくデザインにあると断言できます。
なぜならバリオスはZXR250と同じように1993年モデル(ZR250A3)から5馬力ダウンの40馬力規制車になったんですが、その年にクラス販売台数一位を記録したから。馬力が落ちようとバリオスの人気は落ちなかったんです。
デザインの肝はやっぱりネイキッドでありながら備え付けれているゴツいラジエーターガードでしょうね。タンクの神馬エンブレムも貢献しているでしょうが。
しかしいま改めて振り返ってみると本当にこの頃のカワサキネイキッドは凄かったと思います。
というのもご存知のようにカワサキは1989年にゼファーという時代に逆行するオールドルックのネイキッドを出して大ヒットした。そんな状況の中で次の一手として出してきたのがゼファー(ゼフィロス)と同じくギリシャ神話に登場する不死の馬と同じ名を意味するバリオス。
そんなバリオスの何が凄いってゼファーへ前に倣えしなかったこと。ネイキッドという懐古要素を持ちつつも現代的なデザインでゼファーとはまた違うスタイルを持ち、それが人気となった。
ちなみにその後に出たのが近未来的なネイキッドで近年になって再評価されているXANTHUS(同じくギリシャ神話の神馬クサントス、英語読みでザンザス)になります。
『ZEPHYR、BALIUS、XANTHUS』
という三種三用のネイキッドをカワサキはわずか2年余りで立て続けに出していたわけです。
これはもうまさに文字通り
「神がかっていた」
としか言いようがないかと。
主要諸元
全長/幅/高 | 2005/730/1055mm |
シート高 | 745mm |
車軸距離 | 1380mm |
車体重量 | 141kg(乾) |
燃料消費率 | -km/L ※定地走行テスト値 |
燃料容量 | 15.0L |
エンジン | 水冷4サイクルDOHC4気筒 |
総排気量 | 249cc |
最高出力 | 45ps/15000rpm [45ps/15000rpm] |
最高トルク | 2.6kg-m/11500rpm [2.4kg-m/11000rpm] |
変速機 | 常時噛合式6速リターン |
タイヤサイズ | 前110/70R17(54H) 後140/70R17(66H) |
バッテリー | YTX7L-BS |
プラグ | CR9E または U27ESR-N |
推奨オイル | カワサキ純正オイル または MA適合品SAE10W-40 |
オイル容量 | 全容量2.6L 交換時2.1L フィルター交換時2.55L |
スプロケ | 前14|後48 |
チェーン | サイズ520|リンク110 |
車体価格 | 499,000円(税別) ※[]内は93年モデル(A3)以降 |