MT-07(B4C)-since 2018-

MT-07

「Dark Attraction」

2018年モデルにあたるMT-07のB4C型。

遂にヘッドライトレンズまでMT-09から拝借かという顔になり、サイドのタンクカバーやテールライトも合わせてスラント系に変更。

新旧MT-07

中身の方はサスペンションやタンク前まで伸びたシート形状などの小変更のみとなっています。

新旧MT-07リア

要するに化粧直しに近いから正直これと言って書くことが無いのでMT-07のコンセプトについて少しお話を。

MT-07は大型MTシリーズで唯一のスチールフレームバイク。XJR1300が生産終了になり今ではヤマハの大型スポーツバイクで唯一に。

これが何故かと言うとヤマハはアルミにとっても力を入れてるから。

CFアルミダイキャスト

ヤマハは大きい物も作れる大規模なアルミダイキャスト設備を自前で持っており、自動車のエンジンヘッドやサージタンクなど他業種にも供給している。

つまりヤマハにとってアルミというのは内製の強みを活かせる得意分野。だからスポーツバイクがアルミだらけなのは当たり前なわけ。

にも関わらずMT-07がスチールフレームなのはプロジェクトリーダーの白石さんが”絶対にスチールフレームで行く”と決めていたから。

MT-07プロジェクトリーダー

この白石さんは元々サンダーキャットやYZF-R6などガチガチアルミフレームなミドルSSを好んで乗っていたんですが、峠やサーキットなどでは最高のファンライドを味わった一方で、日常でファンライドを体感出来ないことに悩みを抱いていた。

それはモード切り替えや姿勢制御などが当たり前になりだした近年になると更に強く考えるように。

そんな時に任されたのがこのMT-07プロジェクト。

モヤモヤしていた思いを具現化させるチャンスだとして導き出した答えが

MT-07ブラック

「普通の人が普通に楽しめるバイク」

そうして誕生したのが、フロント荷重を重視していない車体バランスに、ハイテンスチールにも関わらずアルミの足元にも及ばないヘロヘロなフレームを持ったMT-07です。

MT-07メインフレーム

そんなヘロヘロフレームに対して

「剛性が低すぎる」

という声を聞いたりします・・・が、それこそMT-07が狙ったこと。当たり前ですがヘロヘロなのはわざとです。

2018MT-07ヘッドライト

そもそもフレームというのはアルミにしろスチールにしろ、適切なスポーツ走行をすると撓るもの。

つまりMT-07でフレームの撓りを感じるのは、慣れないレベルですら無意識の内に適切なスポーツ走行をしていた証。

そんな撓りに不安や不信を持つのは、簡単には撓らず、また弾くように戻る高剛性アルミフレームに慣れすぎて麻痺しているだけ。

2018FZ-07

大型バイクでフレームの撓りを感じ取れるほどスポーツ出来るバイクが、乗り手主導でスポーツ出来るバイクが今どれだけあるかって話。

その狙いは日本のみならず海外でも見事に当たり、MCNという英語圏最大のバイク情報誌の2014年最優秀バイクを筆頭に様々な賞を獲得しました。

国際サーキットで膝擦りながら

「MT-07は最高だ」

と評価されたわけじゃないですよ。

そんな高負荷に耐えられるフレームは持ち合わせていない。

山を幾つも越える旅をして

「MT-07は最高だ」

と評価されたわけでもない。

長距離を走れるほど落ち着いたハンドリングではありません。

2018MT07

そこらへんをテキトーに走って

「MT-07は最高だ」

と評価されたんです。

何が言いたいかというと、百戦錬磨のプロをも唸らせたMT-07のスイートスポットは

「普通の人が使う普通の中にある」

ということ。

そんな普通の人が普通に乗って最高に楽しめるMT-07ですが、高く評価された事はもう一つあります。

2018MT-07壁紙

「普通の人が買える値段で売っている」

という事です。

主要諸元
全長/幅/高 2085/745/1090mm
シート高 805mm
車軸距離 1400mm
車体重量 183kg(装)
燃料消費率 23.9m/L
※WMTCモード値
燃料容量 13.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC二気筒
総排気量 689cc
最高出力 73ps/9000rpm
最高トルク 6.9kg-m/6500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー YTZ10S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
LMAR8A-9
推奨オイル ヤマルーブ
プレミアム/スポーツ/スタンダードプラス
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.0L
交換時2.3L
フィルター交換時2.6L
スプロケ 前16|リア43
チェーン サイズ525|リンク108
車体価格 720,000円(税別)
※国内モデルは18年から
系譜図
MT-07 2014年
MT-07/A
(1WS/1XB/BU2)
XSR700 2016年
XSR700
(B34)
2018MT-07 2018年
MT-07
(B4C)

「MT-07(B4C)-since 2018-」への1件のフィードバック

  1. MT-07は普通の人が買える値段で、普通にスポーツが楽しめるバイク。という記事を何回も読んでリターンしてから早三年。今でも楽しく乗ってます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です