CB1100(SC65)-since 2010-

CB1100

「大人の所有感を満たすエモーショナル空冷直四ネイキッド」

2010年に登場したCB750FOURを彷彿とさせる空冷直四のCB1100/SC65型。

・味わいのある走り

・操ることの喜び

・所有することの喜び

の具現化を目標に造られたモデル。

タイプ1とタイプ2

アップライトハンドルのtype1と、少し前傾気味になるtype2(どちらもABSモデル有)の2グレード展開。

タイプ別ポジション

ちなみにシート高はCB1300SFより15mm低い765mm。

さて・・・そもそもこのバイクの発端は何処にあるかと言うと、10年前となる1999年の東京モーターショー。

CB750FOURを強く意識させるCB Fourと呼ばれるコンセプトモデルが初出になります。

コンセプトCB FOUR

これはCB1100のデザイナーとなる小濱さん(VT250FやNRやCBR900RRもこの人)がヨーロッパ勤務から帰ってきた際に描いた一枚の走り描きがキッカケ。

CB FOURスケッチ

もともと社内でも

「空冷のCBをやりたいよね」

という声は多くあったので、小濱さんのデザインに同調する人が増え造られた・・・んですが、時代が求めていなかったのかこの時は立ち消えとなりました。

しかし諦めず再び2007年の東京モーターショーに出展。

CB1100Fコンセプト

CB Fourがコテコテなナナハンだったのに対し、ヨンフォアの様なマフラーを装着した現実的なCB1100Fというコンセプトモデル。

このCB1100Fの反響が良かったので市販化となったわけ。そう考えると生い立ちはBIG-1と同じですね。

CB1100Rコンセプト

ちなみにこちらは同時に出展されたCB1100Rコンセプト。

コッチは駄目だった模様・・・惜しい。

しかしながら時代は騒音も排ガスも厳しくなり空冷が絶滅危惧種となってしまった時代。

CB1100コンセプトデザイン

ホンダとしても実に20年ぶりとなる空冷CBで、よく出したというかよく出せたなという話。

エンジンはCB1300をベースに空冷化したものなんですが、やはり色々と苦労があったよう。

CB1100エンジン

空冷エンジンで何が一番問題になるかというと『熱』です。

水冷と違って熱を一定に保つことが難しく、それが結果として燃焼温度を不安定にして排ガスを汚くし、また熱膨張によるクリアランスの問題でメカニカルノイズが発生し騒音となる。

ではCB1100はどうやって空冷を通してきたかというと

『オイルフローとエアーフローの徹底』

です。

CB1100オイル冷却

とっても熱くなる排気ポートと点火プラグ周りにエンジンオイルを積極的に循環させる事で冷却、熱を一定に保つようにしている。

冷却水の代わりにオイルを流して冷やす・・・ちょっとした油冷の様なシステムですね。

冷却システム

エアフローもエキゾーストパイプ上部からプラグまで吹き抜ける通風孔を新たに設けてある。

これらのおかげで温度を一定に保つ空冷直四が可能になったというわけです。

エンジン温度

が・・・しかし、一番の問題となったのは冷却ではなかった。

エンジン設計をされた杉浦さんいわく、CB1300のエンジンをベースに空冷化したエンジン第一号を造り、皆に乗ってもらったところ

「うん、空冷のCB1300だね」

という声が圧倒的だった。要するに空冷らしさがなかったんです。

そこで取り入れた技術が凄い。

『位相バルブ』

という技術を取り入れたんです。

位相バルブ

これは簡単な話、『1番と2番』『3番と4番』でバルブタイミングをわざとズラして”燃焼感”を出してるんです。

言ってみれば少しヤれてきた空冷エンジンの様な特性を、最新技術で演出している進化なんだか退化なんだか分からないハイテクデチューン。

SC65フォト

これのおかげで空冷特有の『デロデロ感』を出すことに成功。

もちろん空冷らしさは乗り味だけでなく見た目にもあります。

ギリギリまで薄く深くした冷却フィンもそうですが、ここで取り上げたいのはバルブの挟み角。

挟み角比較

ベースとなった1300と比べれば如何に大きく取ってるかがわかると思います。

これは開発責任者だった福永さんが

「広げた方が見た目がカッコイイ」

と考え、途中で計画変更した末のもの。

カムデザイン

「何の根拠があって変更するんだ」

と社内からもの凄く反対されたそうですが

CB1100SE

「見た目を取って何が悪い」

と一蹴し押し通した末のヘッドなんです。

福永さんが何故そこまで押し通したのかというと

「俺を含め50代の中年オヤジが乗りたくなるバイク」

という思いがあったから。

SC65

市販化された経緯、開発コンセプト、そのどちらもBIG-1と通ずる物があるCB1100。

そう考えるとCB1100という『もう一つのBIG-1』と言えるCBではないかと。

そしてこのCB1100に込められた思いに共感する人は多く、2010~2011年と大型二輪販売台数一位を記録する事となりました。

※2012年にシートとメーターを見直し

主要諸元
全長/幅/高 2205/835/1130mm
[2205/795/1100mm]
シート高 765mm
車軸距離 1490mm
車体重量 243kg(装)
燃料消費率 27.0km/L
※定置走行テスト値
燃料容量 14L
エンジン 空冷4サイクルDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量 1140cc
最高出力 88ps/7500rpm
最高トルク 9.4kg-m/5000rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前110/80R18(58V)
後140/70R18(67V)
バッテリー YTZ14S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
LMAR8A-9S
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量4.9L
交換時3.8L
フィルター交換時3.9L
スプロケ 前18|後39
チェーン サイズ530|リンク110
車体価格 997,500円(税込)
※[]内はType II
※ABSは+73,500円&4kg
系譜図
CB750FOUR1969年
Dream
CB750FOUR
CB750FOUR-Ⅱ-1975年
Dream
CB750FOUR-II
/K/AERA
cb750f1979年
CB750F(RC04)
CB900F(SC01/09)
CB1100R1981年
CB1100R/F
(SC05/08/11)
CBX750F1983年
CBX750F
/Horizon
/BOLD’OR
(RC17)
cb7501992年
CB750/T
(RC42/RC39)
cb1000sf1992年
CB1000SF
(SC30)
cb1300sf1998年
CB1300SF
(SC40)
sc542003年
CB1300SF/SB
(SC54)
ST2008年
CB1300SF/SB/ST
(SC54中期)
sc652010年
CB1100
(SC65)
SC65中期2014年
CB1100/EX/RS
(SC65後期)
sc54後期2014年
CB1300SF/SB
(SC54後期)

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