CB1000R(SC80)-since 2018-

CB1000R SC80

「NEO SPORTS CAFE」

Rモデルとして紹介したCB1000Rの二代目となるSC80型。

皆さんご存知なよう、このモデルからは国産に戻され正規販売(グローバルモデル)となりました。

先代CB1000R/SC60のエンジンをベースに鍛造ピストン化と高圧縮化、さらにスロットルボディの大径化により145馬力までアップ。

SC80E

他にも見た目は勿論、サイドドラフト化や軽量化など大幅な改良をした為、RRのお下がりエンジンというよりもはやCB1000R専用エンジンに。

そこに最新の電子制御デバイスである

・ABS

・スロットルバイワイヤ

・走行モード切替

・トラクションコントロール

・スリッパークラッチ

・クイックシフター

などを装備。

CB1000Rリア

見た目の方も先代のストファイ路線から180度変わり、いま最も熱いネオレトロ系になりました。

・フルLED灯火

・フランジ(継ぎ手)レスタンク

・ヘアライン加工のアルミシュラウド

・バフ加工されたホイールハブ

・大型液晶メーター

などで質感も十二分。なにげにグリップヒーターまで付いています。

これだけ専用設計だらけで質感も拘ったらそりゃ163万円にもなるよって話。

キャンディクロモスフィアレッド

ちなみに上の写真は更にアルミフェンダーやシングルシートカウル、メーターバイザーを装備した海外向け限定のCB1000R+というモデル。

CB1000Rはお金を掛けただけあり、質感とデザイン性の高さが大きく話題になっています・・・が、言いたいことがあります。

CB1000Rコンセプトスケッチ

「見た目に惑わされるな」

という事です。

冷静になって考えてみてください。

このCB1000R/SC80は馬力が145馬力もある。これは一昔前のFireBladeを始めとするスーパースポーツ並の馬力です。

そして重要なのはそれを支えている更に軽く細くなった骨格。

2018CB1000R

先代SC60と同じデザイン性や足つき性に優れるスリムなバックボーンフレームながら、材質をアルミからスチールに変更した新設計品になりました。

そしてリアサスペンションも先代で解説した通り、奥で踏ん張るリンク式ではなくダイレクト主義のリンクレス。

CB1000Rディメンション

簡単な話CB1000Rは145馬力を使って速く走らせるような骨格ではない。

先代のコンセプト

「ストリートで最高に楽しめるスーパースポーツネイキッド」

を更にHOTにした形です。

ホンダらしからぬ思い切りの良さですが、これは電子スロットルを始めとした電子制御で誰でも乗れるよう調教出来たから成せた事でしょうね。

キャンディクロモスフィアレッド

CBR1000RRで味わえる高揚感を普段使いのストリートで味わえるCB1000R。

そんな公式の狙いが現れているのが、この145馬力エンジンの為ではなく乗り手の為にある骨格という話。

一言で表すなら

2018CB1000R

「サーキットへの未練を完全に断ち切ったネオレトロ系ストリートファイター」

それがCB1000R/SC80型です。

主要諸元
全長/幅/高 2120/790/1090mm
シート高 830mm
車軸距離 1455mm
車体重量 212kg(装)
燃料消費率 16.7km/L
※WMTCモード値
燃料容量 16L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量 998cc
最高出力 145ps/10500rpm
最高トルク 10.6kgf-m/8250rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後190/55ZR17(75W)
バッテリー YTZ10S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
IMR9E-9HES
または
VUH27ES
推奨オイル Honda純正ウルトラG1
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.6L
交換時2.7L
フィルター交換時3.0L
スプロケ 前15|後44
チェーン サイズ525|リンク116
車体価格 1,519,000円(税別)
系譜図
ホーネット900/SC482001年
CB900 HORNET
(SC48)
CBF1000/SC582006年
CBF1000
(SC58)
/SC602008年
CB1000R
(SC60)
CBF1000F2010年
CBF1000F
(SC64)
/SC80 2018年
CB1000R
(SC80)

CBF1000F/A/GT(SC64)-since 2010-

CBF1000F/SC64

「Real-world thrills」

CBF1000の後継にあたるCBF1000F/SC64型。

CBR1000RR/SC57型をそのままハーフカウルにしたようなデザインになりました。

構造的なものは基本的に先代からキャリーオーバーしているものの、エンジンを少し高回転寄りにし107馬力となり、車重もフレームを始めとした各部の見直しとマフラーの一本化で5kg減。

CBF1000F

要するにスポーツ性が少しアップしたわけですが、とはいうもののCBF1000はあくまでもオールラウンダーRRなので最大の狙いと改良点は

・燃費の改善

・タンク容量1Lアップ(20L化)

・前後連動C-ABS(Aのみ)

・ジェネレーターの改良

など更に使い勝手を向上させた事。

CBF1000F GT

もちろん例に漏れずフルパニアのGTモデルも登場。

ただ排ガス規制EURO4に対応していなかった事から2017年モデルをもって生産終了となりました。

最後に・・・とある欧州ジャーナリストのCBF1000Fに対する評価を書いて〆とします。

CBF1000Fカタログ写真

「CBF1000FはFirebladeの様に身を焦がすほどの炎は纏っていない。そのかわり貴方のバイク人生の95%を明るく照らしてくれる炎を纏っている。」

向こうの人は上手いこと言うもんですね。

主要諸元
全長/幅/高 2156/781/1138mm
シート高 795mm(±15mm)
車軸距離 1480mm
車体重量 242kg(装)
燃料消費率 不明
燃料容量 20L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量 998cc
最高出力 107ps/8000rpm
最高トルク 9.8kg-m/6500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後160/60ZR17(69W)
バッテリー YTZ10S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8EH-9
または
U24FER9
推奨オイル Honda純正ウルトラG1
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.6L
交換時2.7L
フィルター交換時3.0L
スプロケ 前16|後43
チェーン サイズ530|リンク116
車体価格

1,360,000円(税込)
※日本未発売
※価格はパッセージより

系譜図
ホーネット900/SC482001年
CB900 HORNET
(SC48)
CBF1000/SC582006年
CBF1000
(SC58)
/SC602008年
CB1000R
(SC60)
CBF1000F2010年
CBF1000F
(SC64)
/SC80 2018年
CB1000R
(SC80)

CB1000R(SC60)-since 2008-

CB1000R/SC60

「PURE POWER,PURE PERFORMANCE」

先に紹介した欧州のキングオブCBことCBF1000のRバージョンになるCB1000R/SC60型。

Fよりピークパワーを重視した125馬力を発生させる正にFとRRの中間のようなエンジンを、CB600F HORNETのアルミバックボーンフレームに突っ込んだモデル。

CB1000Rフレーム

だから外見も中身もまんま欧州ホーネットなんだけど、何故かHORNETという名前は付きません。

CB1000Rフレーム

あくまでもキングオブCBのRモデルという事なんでしょうね。

そんなCB1000Rで面白いのがコレ。

CB1000Rフレーム

嫌らしいほど見せつけてるプロアームと手裏剣ホイール・・・じゃないですよ。

いやまあ確かにこれがSC60の最大の特徴なんだけど、それより注目してほしいのはリアサスペンションです。

CB1000Rフレームと言っても見えないので説明すると、このCB1000Rは俗に言うストリートファイター系ながらスイングアームとフレームを直接繋ぐリンクレスのダイレクトマウントになっている。

CB1000Rフレーム

これがリンクなんですが、これの狙いはテコの原理を応用したもので簡単に言うと奥で踏ん張るストロークにする狙いがあります。

サスペンションのストローク

オフロードから生まれた画期的な構造でスポーツバイクでは必須とも言える装備。だからCBF1000にも付いています。

しかしそれがCBF1000よりスポーツ寄りなCB1000Rではオミットされている。

何故か・・・それはCB1000Rの主戦場がストリートだからです。

サスペンションのダイレクト感

確かにリンク式にすると奥で踏ん張るサスにはなるけど、代わりに下の方ではあまりストロークせず、スイングアームの動きに対しズレが生じダイレクト感が損なわれてしまう。

これを嫌って”敢えて”ダイレクトマウントにしてあるんです。

CB1000R/SC60パンフレット

これはバネ下重量の軽減というメリットもあります。

これのおかげでCB1000R/SC60型はストリートを楽しめるハンドリングを持つバイクとして非常に高く評価されました。

主要諸元
全長/幅/高 2105/805/1095mm
シート高 828mm
車軸距離 1445mm
車体重量 217kg(乾)
燃料消費率 18.3km/L
※定地走行燃費
燃料容量 17L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量 998cc
最高出力 125ps/10000rpm
最高トルク 10.1kg-m/7750rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/50ZR17(73W)
バッテリー YTZ10S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
IMR9E-9HES
または
VUH27ES
推奨オイル Honda純正ウルトラG1
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.6L
交換時2.7L
フィルター交換時3.0L
スプロケ 前16|後44
チェーン サイズ530|リンク116
車体価格 1,519,000円(税別)
系譜図
ホーネット900/SC482001年
CB900 HORNET
(SC48)
CBF1000/SC582006年
CBF1000
(SC58)
/SC602008年
CB1000R
(SC60)
CBF1000F2010年
CBF1000F
(SC64)
/SC80 2018年
CB1000R
(SC80)
系譜図
ホーネット900/SC482001年
CB900 HORNET
(SC48)
CBF1000/SC582006年
CBF1000
(SC58)
/SC602008年
CB1000R
(SC60)
CBF1000F2010年
CBF1000F
(SC64)
/SC80 2018年
CB1000R
(SC80)

CBF1000/A/GT(SC58)-since 2006-

CBF1000/SC58

「Sports Winner Every Time」

見た目こそホーネットとは大きく違うものの、基本コンセプトは通じているCBF1000のSC58型。

というのも、このバイクもホーネットと同じ様にスーパースポーツであるCBR1000RR/SC57型のエンジンを低速寄りに再セッティングし、スリムなバックボーンフレームに搭載したバイクだから。

CBF1000リア

ただ大きなフェアリングや、可変式スクリーン、落ち着いた二本出しマフラーなどを見ても分かる通り、長距離も熟せるツアラー要素が強く含まれています。

目に見えない部分としてはシート高を795mmから±15mmの変更が効く三段階の可変式な事と、何を積んでも大丈夫なよう屈強なシートフレーム。

CBF1000前期

しかし悲しかな、恐らくこのCBF1000を知っている人は少ない。せっかく知ってるのにCB1000Fと車名を間違えて覚えている人もいる始末。

この理由の一つは

『Honda Italia Industriale S.p.A.』

要するにイタリア製造(正確に言うとイタリア組立)のバイクで、日本には正規販売されなかったという事があります。

CBF1000壁紙

一応ホンダの逆輸入車を取り扱うパッセージが販売していたので手に入らなかったわけではないんですけどね。

では何故これほど知名度がないかと言えば

「日本人には理解出来ないから」

でしょう。

CBF1000各部

せっかくのSSエンジンなのに中低速重視のチューニングに、ステータス性も特に無い足回り。リアタイヤなんて160というリッターにあるまじき細さ。

「これ買うくらいならCB1300買うよ」

って人が圧倒的でしょう。

CBF1000カタログ写真

じゃあコレ何処の人がこれを買っているのかと言えば欧州の人で、公式のメインターゲットは欧州の30代以降のライダー。

恐らく他のページでも言っていますが、欧州人はビッグバイクを当たり前のように日常の足から週末のレジャーまでマルチに使う文化があります。

そうなった時にこの中低速重視で街乗りでも扱いやすく、かつ長距離クルージングも難なく熟せるCBF1000は非常に魅力的に映るわけです。

だから正確に言うとCBF1000は日本で理解されないバイクというよりも

「欧州人にしか理解出来ない」

と言った方が正しいですね。

向こうの人がCB1300を見たら、巨漢な上に二本サスだから

「これ買うくらいならCBF1000買うよ」

という人が圧倒的に多い。

ホンダCBF1000

これはどちらが正しくて、どちらが間違っているという話ではなく、文化の違い。

要するに日本のキングオブCBがCB1300なら、このCBF1000は欧州のキングオブCBというわけです。一応向こうでもCB1300SB(欧州名CB1300S)を売ってるんですけどね。

その文化の違いが分かりやすく現れているのがボックスを標準装備したCBF1000GTというグレード。

CBF1000GT

「ボックス装備=カッコ悪い」

という風潮がある日本では考えられないグレードである一方、向こうでは当たり前なグレード。

主要諸元
全長/幅/高 2155/780/1240mm
シート高 795mm(±15mm)
車軸距離 1480mm
車体重量 250kg(装)
燃料消費率 不明
燃料容量 19L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量 998cc
最高出力 98ps/8000rpm
最高トルク 9.5kg-m/6500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後160/60ZR17(69W)
バッテリー YTZ10S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8EH-9
または
U24FER9
推奨オイル Honda純正ウルトラG1
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.6L
交換時2.7L
フィルター交換時3.0L
スプロケ 前16|後43
チェーン サイズ530|リンク116
車体価格

1,470,000円(税込)
※日本未発売
※価格はパッセージより

系譜図
ホーネット900/SC482001年
CB900 HORNET
(SC48)
CBF1000/SC582006年
CBF1000
(SC58)
/SC602008年
CB1000R
(SC60)
CBF1000F2010年
CBF1000F
(SC64)
/SC80 2018年
CB1000R
(SC80)

CB900 HORNET(SC48)-since 2003-

ホーネット900/SC48

「Naked Innovation」

250でお馴染みホーネットシリーズの長男坊であるCB900 HORNETのSC48型。

250や600と同じバックボーンフレームにCBR900RRの最終型であるSC33のエンジンを積んだモデル。

パワーカーブ

といってもエンジンヘッドもホーネット900専用となっている上にFI化されたもので、潔いほどピークパワーを捨て中低速に振ってあります。

いくら元がコンパクトなエンジンといえ排気量が排気量なだけに、ホーネットシリーズとしてはエンジンの存在感が強烈。

ホンダHORNET900

600よりもフレームは厚みやサスペンション口径を上げてあるんですが、このエンジンを無理矢理突っ込んでる感がまた良いですね。

ただまあそんな御託よりも900最大の魅力と言えばなんといってもシリーズとして唯一の二本出しである事でしょう。

ホーネット900のフレーム

デュアルショットガンサイレンサーという少し時代を感じさせるネーミングですが、900のみ許された装備。

非常にカッコ良いワケですが、これデザインだけではなく中低速での排気の図太さを音でもアピールする狙いも込められているんです。

ホーネット900のフレーム

それにしても

・ビッグバイクのエッセンスを持った250

・絶妙なエッセンスを持った600

・250のエッセンスを持った900

ホーネットシリーズ

ホーネットシリーズって本当に良く出来てるというか、綺麗にクラスを跨いだ数少ないバイクですね。

ちなみにホーネット900は欧州が主要ターゲットだったんですが『HONDA 919』という名で2007年まで北米でも発売されていました。

そして意外な事にジャパニーズネイキッドがあまり人気とは言えない地域なのに好評だった。

CB919

理由は色々あると思います。

北米の人には気軽なサイズとパワーだろうし、開発において重要視された下から湧き出す図太いトルクフィールが良かったのもあるでしょう。

HORNET900カタログ写真

でもやっぱり一番の理由は日本と同じ様に、オールドルックな中でひと際目を引くアグレッシブにカチ上がった二本出しマフラーかと。

主要諸元
全長/幅/高 2125/750/1085mm
シート高 795mm
車軸距離 1450mm
車体重量 218kg(装)
燃料消費率 27.0km/L
※定地走行燃費
燃料容量 19L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量 918cc
最高出力 88ps/9000rpm
最高トルク 8.6kg-m/5500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー YTZ10S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8EH-9
推奨オイル Honda純正ウルトラG1
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量4.4L
交換時3.5L
フィルター交換時3.6L
スプロケ 前16|後40
チェーン サイズ525|リンク112
車体価格 820,000円(税別)
系譜図
ホーネット900/SC482001年
CB900 HORNET
(SC48)
CBF1000/SC582006年
CBF1000
(SC58)
/SC602008年
CB1000R
(SC60)
CBF1000F2010年
CBF1000F
(SC64)
/SC80 2018年
CB1000R
(SC80)