「Sports Winner Every Time」
見た目こそホーネットとは大きく違うものの、基本コンセプトは通じているCBF1000のSC58型。
というのも、このバイクもホーネットと同じ様にスーパースポーツであるCBR1000RR/SC57型のエンジンを低速寄りに再セッティングし、スリムなバックボーンフレームに搭載したバイクだから。
ただ大きなフェアリングや、可変式スクリーン、落ち着いた二本出しマフラーなどを見ても分かる通り、長距離も熟せるツアラー要素が強く含まれています。
目に見えない部分としてはシート高を795mmから±15mmの変更が効く三段階の可変式な事と、何を積んでも大丈夫なよう屈強なシートフレーム。
しかし悲しかな、恐らくこのCBF1000を知っている人は少ない。せっかく知ってるのにCB1000Fと車名を間違えて覚えている人もいる始末。
この理由の一つは
『Honda Italia Industriale S.p.A.』
要するにイタリア製造(正確に言うとイタリア組立)のバイクで、日本には正規販売されなかったという事があります。
一応ホンダの逆輸入車を取り扱うパッセージが販売していたので手に入らなかったわけではないんですけどね。
では何故これほど知名度がないかと言えば
「日本人には理解出来ないから」
でしょう。
せっかくのSSエンジンなのに中低速重視のチューニングに、ステータス性も特に無い足回り。リアタイヤなんて160というリッターにあるまじき細さ。
「これ買うくらいならCB1300買うよ」
って人が圧倒的でしょう。
じゃあコレ何処の人がこれを買っているのかと言えば欧州の人で、公式のメインターゲットは欧州の30代以降のライダー。
恐らく他のページでも言っていますが、欧州人はビッグバイクを当たり前のように日常の足から週末のレジャーまでマルチに使う文化があります。
そうなった時にこの中低速重視で街乗りでも扱いやすく、かつ長距離クルージングも難なく熟せるCBF1000は非常に魅力的に映るわけです。
だから正確に言うとCBF1000は日本で理解されないバイクというよりも
「欧州人にしか理解出来ない」
と言った方が正しいですね。
向こうの人がCB1300を見たら、巨漢な上に二本サスだから
「これ買うくらいならCBF1000買うよ」
という人が圧倒的に多い。
これはどちらが正しくて、どちらが間違っているという話ではなく、文化の違い。
要するに日本のキングオブCBがCB1300なら、このCBF1000は欧州のキングオブCBというわけです。一応向こうでもCB1300SB(欧州名CB1300S)を売ってるんですけどね。
その文化の違いが分かりやすく現れているのがボックスを標準装備したCBF1000GTというグレード。
「ボックス装備=カッコ悪い」
という風潮がある日本では考えられないグレードである一方、向こうでは当たり前なグレード。
主要諸元
全長/幅/高 | 2155/780/1240mm |
シート高 | 795mm(±15mm) |
車軸距離 | 1480mm |
車体重量 | 250kg(装) |
燃料消費率 | 不明 |
燃料容量 | 19L |
エンジン | 水冷4サイクルDOHC4バルブ並列4気筒 |
総排気量 | 998cc |
最高出力 | 98ps/8000rpm |
最高トルク | 9.5kg-m/6500rpm |
変速機 | 常時噛合式6速リターン |
タイヤサイズ | 前120/70ZR17(58W) 後160/60ZR17(69W) |
バッテリー | YTZ10S |
プラグ ※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価 |
CR8EH-9 または U24FER9 |
推奨オイル | Honda純正ウルトラG1 |
オイル容量 ※ゲージ確認を忘れずに |
全容量3.6L 交換時2.7L フィルター交換時3.0L |
スプロケ | 前16|後43 |
チェーン | サイズ530|リンク116 |
車体価格 |
1,470,000円(税込) |