MAJESTY250(4D9後期) -since 2012-

DT-1

現行の4D9後期

ものすごく釣り上がった眼は影を潜めブラックアウトされた比較的大人しめな二眼に戻った。
アジャスターレバーになったこと以外は機能的に目立った変更点はなく、その分うなぎ登りだった価格も据え置き。ビッグスクーターブームが去った事の影響かな?

先述の4D9前期からそうだけどマジェスティは他社のビッグスクーターに比べ非常に地味なメーターをしてる。

メーター周り

若くなりすぎた客層年齢を上げる目的だろう。元々がマジェスティは「大人のスポーツセダン」というコンセプトだったしね。

でもまあ、だとすると個人的に解せない部分がある。それはマフラー。

現行マジェスティ

もうなんか「自分で好きなのに換えてね」って言ってるような原付並みの貧弱さ。グラマラスなボディに対しマッチしてない・・・

ビッグスクーターが他のバイク乗りに嫌われる原因はATだからとかじゃなく、JMCA非認定マフラーを始めとする違法改造率の高さだと個人的には思う。

爆発的に人口が増えモラルハザードが起こってしまったのは仕方のない事なのかもしれない。
でもその問題に対しホンダもヤマハもスズキも販売優先で見て見ぬふりをしてきた感は否めない。(警察もそうけどね)
そんな違法マフラー問題を放棄してると言われても仕方ない作り。
少なくともビッグスクーターのパイオニアであるマジェスティがすることじゃないと思うんだけどなあ。コストの兼ね合いもあるんだろうけど、もうちょっと何とかならなかったものか。

と、まあ個人的見解はここまでにして。最後に数字で語るとマジェスティはもはや後から追ってきたフォルツァに販売台数で負けてしまっています。

ヤマハはビッグスクーターというジャンルを生み出したマジェスティをどうするでしょうね。

主要諸元
全長/幅/高 2175/770/1185mm
シート高 700mm
車軸距離 1550mm
車体重量 188kg(装)
燃料消費率 37.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 12.0L
エンジン 水冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 249cc
最高出力 19ps/6500rpm
最高トルク 2.2kg-m/5500rpm
変速機 Vベルト式
タイヤサイズ 前110/90-13(55P)
後140/70-12(65L)
バッテリー YTZ10S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CPR7EA-9
推奨オイル ヤマルーブ
プレミアム/スポーツ/ベーシック
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.7L
交換時1.5L
フィルター交換時1.7L
スプロケ
Vベルト 4D9-17641-00
車体価格 669,000円(税別)
系譜図
SG01J1995年
マジェスティ(4HC)
SG03J前期2000年
マジェスティ(5GM)
SG03J2002年
マジェスティ/C/ABS(5SJ)
SG15J2004年
グランドマジェスティ(5VG)
SG20J前期2007年
マジェスティ(4D9前期)
SG20J現行2012年
マジェスティ(4D9後期)

【関連車種】
フォルツァの系譜スカイウェイブ250の系譜

MAJESTY250(4D9前期) -since 2007-

DT-1

フルモデルチェンジし四代目となったマジェスティ4D9の前期。

強化された排ガス規制に対応するためにFI化したんだけど、それだけじゃなくてメッキシリンダーやアルミ鍛造ピストンなどを採用した新設計エンジンを積んでる。

ところが実は馬力が先代から3馬力下がって19馬力。メーカーは「カタログスペックよりも街中キビキビを取った」とのこと。

更に電子制御トランスミッションのYCC-AT(Yamaha Chip Controlled-Automatic Transmission)を搭載。
これは要するに最近では珍しくなくなったモード切替スイッチで、ノーマルモードとエンブレが強くなる(若干引っ張るような)モードと、それに自動変速を加え加速を速くするモード。

プロジェクター式

外見もエアロデザインを進化させ、ライトがプロジェクター式になった。ツリ目って言っていいのかいいのか分からないくらいツリ目に。

どこかで見たことあると思ったらプロジェクターは同年代のYZF-R1(4C8)と同じものなんだね。そしてこの顔でもR1同様に賛否両論あった。

まあそれより何よりビッグスクーターブームが既に去リつつある中で、希望小売価格が70万2450円と高くなっちゃったもんだからどんどん販売台数は落ちていった。

主要諸元
全長/幅/高 2175/780/1185mm
シート高 700mm
車軸距離 1550mm
車体重量 188kg(装)
燃料消費率 38.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 12.0L
エンジン 水冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 249cc
最高出力 19ps/6500rpm
最高トルク 2.2kg-m/5500rpm
変速機 Vベルト式
タイヤサイズ 前110/90-13(55P)
後140/70-12(65L)
バッテリー YTZ10S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CPR7EA-9
推奨オイル ヤマルーブ
プレミアム/スポーツ/ベーシック
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
1.7L
交換時1.5L
フィルター交換時1.7L
スプロケ
Vベルト 4D9-17641-00
車体価格 669,000円(税別)
系譜図
SG01J1995年
マジェスティ(4HC)
SG03J前期2000年
マジェスティ(5GM)
SG03J2002年
マジェスティ/C/ABS(5SJ)
SG15J2004年
グランドマジェスティ(5VG)
SG20J前期2007年
マジェスティ(4D9前期)
SG20J現行2012年
マジェスティ(4D9後期)

GRAND MAJESTY250(5VG) -since 2004-

グラマジェ

先に紹介した5SJと併売する形で登場したグランドマジェスティ250
ベースは欧州向けのMAJESTY400で250までスケールダウンした水冷DOHCエンジンをクラス初のアルミフレームに積んだ大人のマジェスティ。

既にマジェスティ(250)が居たんだけど、若者に人気が出過ぎて本来のターゲットであったハズの30歳オーバーのライダーが離れていっていた。
ホンダのフォルツァに流れていったと言った方が正しいか。

それに歯止めをかけるためにヤマハとしては異例の2モデルラインナップだったんだけど残念ながら歯止めは掛からなかった。
後に400cc版のグランドマジェスティ400も追加したんだけど思惑通りにはいかなかったみたい。

このグランドマジェスティ250は2007年の排ガス規制強化により終了しちゃったんだけど、同エンジンを積んだマグザムが今もなお存続中。

マグザム

ロー&ロングがコンセプトの言ってしまえば現代版フュージョン・・・フォルツァというマジェスティのパクリを出されたからやり返したんじゃないかと邪推してしまう。
ただこっちはグランドマジェスティやフュージョンと違いモロ若者向け。ヤマハはこういうの考えるの上手いな・・・

ヤマハの資料を読む限りグラマジェ250を三代目マジェスティとしている。若者向けをマグザムに託しマジェスティは30歳オーバー向けのビッグスクーターへと原点回帰させる思惑だったのかもしれない。

主要諸元
全長/幅/高 2230/780/1380mm
シート高 750mm
車軸距離 1565mm
車体重量 210kg(装)
燃料消費率 39.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 14.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC単気筒
総排気量 249cc
最高出力 24ps/6500rpm
最高トルク 2.5kg-m/5500rpm
変速機 Vベルト式
タイヤサイズ 前120/80-14(58S)
後150/70-12(64S)
バッテリー GT9B-4
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CPR7EA-9
推奨オイル ヤマルーブ
プレミアム/スポーツ/ベーシック
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.7L
交換時1.5L
フィルター交換時1.7L
スプロケ
Vベルト 5VG-17641-00
[1B7-17641-00※06以降]
車体価格 589,000円(税別)
系譜図
SG01J1995年
マジェスティ(4HC)
SG03J前期2000年
マジェスティ(5GM)
SG03J2002年
マジェスティ/C/ABS(5SJ)
SG15J2004年
グランドマジェスティ(5VG)
SG20J前期2007年
マジェスティ(4D9前期)
SG20J現行2012年
マジェスティ(4D9後期)

MAJESTY250/C/ABS(5SJ) -since 2002-

DT-1

マイナーチェンジと共にABSモデルとカスタムモデルのCが追加された5SJ型。
ご存知の通りこのモデルで1988年のCBR250R(MC17)以来となる年間販売台数二万台越えの大ヒットとなる。更にはマジェスティの対抗馬として登場したフォルツァまでもが二万台突破。

厳密に言うとこの中でもショートスクリーンやメッキバーハンドル等、ビッグスクーター定番のカスタムを施したC型が若者の間で沸々と沸き立っていたカスタムブームを一気に加熱させた。

どれだけこのブームが凄かったかというと、ピークの2005年には販売車種の実に50%をビッグスクーターが占めた。

YP250C

そもそも何故若者を中心としたビッグスクーターブームが起きたのか?
ちなみにビッグスクーターブームが起こる前はトラッカーブームで、発端は木村拓哉さん主演のドラマが事の発端。
じゃあビッグスクーターは何が発端かというと・・・諸説ある。

その一
楽チンで維持費も安い、言わば軽自動車の下位互換

その二
流行に敏感だったトリッカー乗りがビッグスクーターに乗り換えた(ビッグスクーターが売れだすとトリッカーが失速した)

その三
所ジョージさんの「世田谷ベース」という番組で当時マイナーだったビグスク(TMAX)のカスタムが企画&放送された事から

個人的には多分これら複合的要因が重なって最後は「みんな乗ってるから」になったと思うのですが、面白いのは欧州と日本のブームの違い。

というのも実は日本だけでなく欧州でも同年代にビッグスクーターブームは起きました。
ただ上記のようにアメリカンに近いカスタムが日本で流行ったのとは対照的に、欧州では初代マジェスティが国内でプチ成功を収めた40代前後の層への「快適・快速」によるもの。

MAXIスクーター

日本がショートスクリーンやメッキパーツやロンスイ等のカスタム系なのに対し、防風性の高いロングスクリーンやハンドルカバー&ヒーターやキャリアボックスなど完全な実用主義。(まあ向こうでも日本風なカスタムをする流行も少しあったみたいだけど)

文化の違いか環境の違いかは分かりませんが同じバイクでこうも対極的なのは考え深い物がありますね。

主要諸元
全長/幅/高 2140/770/1350mm
シート高 700mm
車軸距離 1535mm
車体重量 166kg(装)
[178kg(装)]
燃料消費率 41.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 12.0L
エンジン 水冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 249cc
最高出力 21ps/6500rpm
最高トルク 2.4kg-m/5500rpm
変速機 Vベルト式
タイヤサイズ 前110/90-12(64L)
後130/70-12(62L)
バッテリー GT9B-4
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
DR8EA
推奨オイル ヤマルーブ
プレミアム/スポーツ/ベーシック
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.4L
交換時1.2L
スプロケ
Vベルト 5CG-17641-00
車体価格 559,000円(税別)
[599,000円(税別)]
※[]内はABSモデル
系譜図
SG01J1995年
マジェスティ(4HC)
SG03J前期2000年
マジェスティ(5GM)
SG03J2002年
マジェスティ/C/ABS(5SJ)
SG15J2004年
グランドマジェスティ(5VG)
SG20J前期2007年
マジェスティ(4D9前期)
SG20J現行2012年
マジェスティ(4D9後期)

MAJESTY250(5GM) -since 1999-

5GM

記憶に新しい一大ビッグスクーターブームを引き起こした二代目の通称SG03

全てが新設計でスポーツ性が向上し、メットインスペースも量販車初となるフルフェイスタイプが二個収容可能な大容量に。

ビッグスクーターといえばガラパゴス的な印象を持つ人も居るかもしれないけどそれは大間違いで欧州でも大好評。

ちなみに日本では「ビッグスクーター」ですが欧州では「MAXI SCOOTER」や「MAXI ROLLER」と呼ばれています。

主要諸元
全長/幅/高 2140/780/1350mm
シート高 700mm
車軸距離 1535mm
車体重量 168kg(装)
燃料消費率 41.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 12.0L
エンジン 水冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 249cc
最高出力 21ps/6500rpm
最高トルク 2.4kg-m/5500rpm
変速機 Vベルト式
タイヤサイズ 前110/90-12(64L)
後130/70-12(62L)
バッテリー GT7B-4
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
DR8EA
推奨オイル ヤマルーブ
プレミアム/スポーツ/ベーシック
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.4L
交換時1.2L
スプロケ
Vベルト 5CG-17641-00
車体価格 549,000円(税別)
[599,000円(税別)]
※[]内はABSモデル
系譜図
SG01J 1995年
マジェスティ
(4HC)
SG03J前期 2000年
マジェスティ
(5GM)
SG03J 2002年
マジェスティ/C/ABS
(5SJ)
SG15J 2004年
グランドマジェスティ
(5VG)
SG20J前期 2007年
マジェスティ
(4D9前期)
SG20J現行 2012年
マジェスティ
(4D9後期)
SG01J 1995年
マジェスティ
(4HC)
SG03J前期 2000年
マジェスティ
(5GM)
SG03J 2002年
マジェスティ/C/ABS
(5SJ)
SG15J 2004年
グランドマジェスティ
(5VG)
SG20J前期 2007年
マジェスティ
(4D9前期)
SG20J現行 2012年
マジェスティ
(4D9後期)

MAJESTY/SV/ABS(4HC)-since 1995-

初代マジェスティ250

マジェスティの初代モデルになる4HC型。

当時ビッグスクーターというカテゴリは存在せず、似たようなバイクといえば86年に出たユッタリマッタリがコンセプトのフュージョンくらいだった。

そんな中で出たマジェスティは高剛性フレームにハイパワーなエンジンという走りを意識したモデル。そしてそれを覆うエアロデザイン。

それまでのビッグスクーターのデカくて遅くて野暮ったいという概念を覆し、快適かつ快速なバイクとして国内軽二輪部門(~249cc)では売上第一位の年間一万台、世界累計では10万台という販売台数を記録。

4HCカタログ

ただ、このヒットを支えたのはヤマハの読み通り30歳オーバーのライダー達のセカンドバイク的な立ち位置で、後に訪れるビッグスクーターブームはまた別の話。

二年後には前後ディスクブレーキを採用したSV、さらにその一年後にはこのクラスとしては珍しくABS仕様のモデルが登場。

実は毎年のように細かいマイナーチェンジを繰り返していたんですよ。

主要諸元
全長/幅/高 2110/765/1330mm
シート高 700mm
車軸距離 1500mm
車体重量 147kg(乾)
燃料消費率 41.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 11.0L
エンジン 水冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 249cc
最高出力 21ps/6500rpm
最高トルク 2.4kg-m/5500rpm
変速機 Vベルト式
タイヤサイズ 前110/90-12
後130/90-12
バッテリー GT7B-4
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
DR8EA
推奨オイル ヤマルーブ
プレミアム/スポーツ/ベーシック
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.4L
交換時1.2L
スプロケ
Vベルト 4HC-17641-00
車体価格 479,000円(税別)
系譜図
SG01J1995年
マジェスティ(4HC)
SG03J前期2000年
マジェスティ(5GM)
SG03J2002年
マジェスティ/C/ABS(5SJ)
SG15J2004年
グランドマジェスティ(5VG)
SG20J前期2007年
マジェスティ(4D9前期)
SG20J現行2012年
マジェスティ(4D9後期)