SBKまたはワールドスーパーバイクでWSBと呼ばれるレースでMotoGPに次ぐ人気の世界レース。
MotoGPとの最大の違いは
『市販車によるレース』
ということ。
少なくともSSに乗ってる人や興味のある人は知っておいて損はないかと思います。
スーパーバイク選手権:通称SBK
・4stであること
・500台~150台以上販売された車種であること(メーカーの生産規模に応じて)
そして
・二気筒は1200ccまで
・四気筒は1000ccまで
となってます。
CBR1000RR・YZF-R1・GSX-R1000・ZX-10Rなどの俗にいうリッターSSはこのレースの為に作られている車両でもあるんですよ。
ちなみに昔はレギュレーションが四気筒は750ccまででした。
かの有名なVFR750R(RC30)を筆頭にOW01やGSXR-750RRなんかもこのレースの為に生み出されたバイクです。
ただ2000年頃になると四気筒750ccより二気筒1000ccの方が有利な状況に。
その結果生み出されたのがVTR1000SP(RVT1000R)やTL1000RといったVツインSSですね。
このようにSBKは市販スポーツバイクに大きく関係しているレースで結果が売上に直結してます。
もしSBKが無かったり不人気だったら生まれていない名車は数多くあります。それこそもし四気筒が2004年のレギュレーション改定で1000ccにならなかったら1000RRや10Rは間違いなく生まれてなかったでしょう。それくらい市販車と密接な関係なんです。
だからメーカーもワークス参戦で力を入れている・・・かと言えば実はそうでもなかったりします。
今ワークス参戦しているのは
・カワサキ
・アプリリア
・アグスタ
・ドゥカティ
・BMW(2019より)
くらいで、それ以外のメーカーの名前を掲げて戦っているのは向こうの現地法人とか。
なぜMotoGPほど全メーカーが力を入れないのかというとセール面の問題があります。
ご存知まだ記憶に新しいユーロ危機で消費が落ち込みました。それにより比較的嗜好品に位置する二輪、その中でも取り分け嗜好的で高額なリッターSSは大打撃。レース結果に販売台数が追いつかなくなってしまったんです。
2010年に悲願の年間王者に輝いたアプリリアのRSV4も優勝したにも関わらず販売台数はそれほど伸びていない。実際日本でも走ってるのを目撃した事がある人は少ないと思います。
「スーパースポーツは知ってるけどSBKは知らない」
って人が大半なのが現実ですしね。
ワークス参戦というのはメーカーのメンツを賭けるわけなので、賭ける以上は勝つためにプライベーターとはケタ違いの予算なのが常です。
そうまでしたにも関わらず市販車の販売台数に結びつかず、メーカーのメンツを賭けて得られたのはチャンピオンという称号だけ。称号や名声だけではメーカーは食っていけません。
しかもその一方で散々なレース結果だったにも関わらず販売台数が好調なドゥカティ1199パニガーレとBMWのS1000RR・・・なんとも皮肉な話。
こうなると数字に厳しい日本メーカーが力を入れないのも無理のない話。SSのモデルサイクルが年々延びてる要因の一つでもあります。
そのため現在SBKに全力な日本メーカーはカワサキくらいで独壇場となっています。
これまもちろんカワサキが凄いってのももちろんあるんですけどね。八耐なんかでも圧倒的な速さを証明しましたし。
スーパースポーツ選手権:通称SSK
SSといえばもう一クラスありますね。そう600ccです。
名前はリッターSSが”スーパーバイク選手権”なのに対し600SSのレースは”スーパースポーツ選手権”です。非常にややこしいですね。
登場するバイクは勿論600SSですが、ミドルSSといえばトライアンフのデイトナ675やアグスタF3といった三気筒がいます。
だから
『三気筒675cc』
までという1000ccにはないレギュレーション(SBKは三気筒も1000まで)がある。ワークス参戦してるのはアグスタ一社だけ。
同じ600ccということでここで実績を作ると上のスーパーバイクに行ったり、MotoGPの方で紹介したMoto2クラスに行く人が多いです。
ちなみにZX-6Rが2013年に636Eへとモデルチェンジしたにも関わらず先代の600Rも併売するのはこのクラスがあるからなんです。
スーパーストック1000/600:通称STK
更にややこしい事にヨーロッパで併催されているのがこのスーパーストックと呼ばれるレース。
その名の通り1000SSと600SSの競技でコチラは上で紹介したWSBやWSSに比べ改造範囲が物凄く狭く、ノーマルに近い状態で競う。
同じ車種でも高額なモデルがあったりするのもこれ(SBKやSSK含む)が影響しています。
「改造がダメなら最初から付けて売っちゃえばいい」
って事ですね。ただし青天井というわけではなく車体価格40000ユーロが上限。つまり2190万円もする事で話題となったRC213V-Sはダメ。
ちなみにWSBのタイヤはピレリのワンメイクです。
タイヤメーカーがそれぞれ住み分かれてて面白いですね。