カワサキの400クルーザー・・・というかドラッグマシンなエリミネーター400。
日本のメーカーがネイキッドベースにハンドルとシートを変えただけのナンチャッテアメリカンで叩かれていた中で出てきたエリミネーターは完全に割り切った造り。
水冷直四、ドラッグバーハンドル、長いホイールベース、フォアード化(前に移動)してないステップ。厳密にいうとストリートドラッガーというジャンルで、記憶が確かならこのジャンルで出たのはVMAX、X4、エリミネーターの三車種だけ、そしてアンダー400唯一のストリートドラッガーはエリミネーターだけ。
タンク容量も僅か12Lというこのカワサキの思い切ったというか開き直った様な狙いは見事に的中し非常に人気が出ました。
GPZ400Rのエンジンを積んで、更に二次変速比を低速寄りに変更された結果GPZ400Rより信号ダッシュが速いので、ナメてかかるとあっという間に置いて行かれます。そのぶん曲がらないし止まらないですが。
エリミネーターにおいて最も成功したモデルは400の中でも88年に登場したSE/ZL400Bというモデル。
ビキニカウルとブラックアウト化でドラッガーの雰囲気が更に強調されたモデルで非常に人気出ました。
そして同時期に出たもう一車種の派生モデルであるLX/ZL400C。
SEとは対照的にメッキパーツを多用したスポークホイールモデルでクラシカルな雰囲気を演出。海外ではコッチのLXモデルの方が人気出たみたい。
結局このSEとLXの二本立てで無印は廃止となって続くことになったんだけど、400の馬力上限が53馬力になった事から95年のモデルチェンジでエリミネーター400(ZL400D)で再び一本化されました。
デザインが曲線に改められライトも大径化、シートも変更され足つき性が良くなり、更に嬉しいタンク容量1Lアップ。
そして忘れちゃいけないのがカモノハシテールじゃなくなったこと。
言い忘れてたけどエリミネーターの特徴の一つとして欠かせないのがカモノハシのクチバシに似ている事からカモノハシテールと呼ばれるようになったリアフェンダー。
生えるように延びているフェンダーで「コレが良い」という人も居れば「せっかくのデザインが台無し」という人もいた。
ただコレは(フェンダーなんだから当然なんだけど)泥はね防止のためで特にエリミネーターの場合はコレがあっても泥が跳ね返ってくる。そんなタダでさえ酷い泥ハネがカモノハシテール外しちゃうととんでもない事になる。
モデルチェンジでカモノハシじゃなくなったって事は不評だったんですかね。エリミの特徴だとも思うんですが。
主要諸元
全長/幅/高 | 2245/720/1150mm [2210/795/1130mm] {2210/755/1070mm} <2245/720/1090mm> |
シート高 | 720mm |
車軸距離 | 1550mm |
車体重量 | 195kg(乾) [197kg(乾)] {194kg(乾)} <195kg(乾)> |
燃料消費率 | 40.0km/L ※定地走行テスト値 |
燃料容量 | 13.0L [{12.0L}] <13.0L> |
エンジン | 水冷4サイクルDOHC4気筒 |
総排気量 | 398cc |
最高出力 | 53ps/12000rpm |
最高トルク | 3.4kg-m/10000rpm [{3.4kg-m/10500rpm}] <3.4kg-m/10000rpm> |
変速機 | 常時噛合式6速リターン |
タイヤサイズ | 前100/90-18(56H) 後150/80-15(70H) |
バッテリー | YB12A-AK |
プラグ | DR9EA または X27ESR-U |
推奨オイル | カワサキ純正オイル または MA適合品SAE10W-40 |
オイル容量 | 全容量3.0L 交換時2.6L フィルター交換時3.0L |
スプロケ | – |
チェーン | – |
車体価格 | 598,000円(税別) [623,000円(税別)] {630,300円(税別)} <605,000円(税別)> ※[]内はSE(ZL400B) ※{}内はLX(ZL400C) ※<>内は後期(ZL400D) |
昔は変な形のバイクとバカにしてたが、一周回って今まさにドンピシャで所有してます。カワサキらしさ溢れる振り切ったモデル。