ZRX400/2(ZR400E/F) -since 1994-

ZX400K

ゼファーでブイブイ言わせてたカワサキが出したもう一つのネイキッドであるZRX。

ZZR400の水冷エンジンを積んだモデルで見た目から分かる通りローソンレプリカでお馴染みZ1000Rをイメージしたネイキッド。ローソンのZ1000Rというのは簡単に言うとアメリカのレースにおいて憎きホンダを打ち負かしチャンピオンに輝いたマシンです。

KZ1000R

フルカウルのZZR、ネイキッドのZRXという住み分けですね。ちなみに兄貴分はZRX1100/1200/DAEGといい、”ZRX”だけだとこの400の事を指します。

弟分であることから勘違いされがちですがこう見えて兄貴分であるZRX1100より2年も先に出ています。

ZRX1100

上が1100で下が400。

ZR400E

ただ同じZ1000Rがデザインベースながらも比較的スポーツルックなデザインにリファインしたZRX1100に対してZRXはお尻の跳ね上げなどもせず非常に渋いZに通ずるデザイン。

マシンの特性も見た目通りで、クラスとしては小柄で俊敏な1100に対して400は大きくドッシリ系のバイク。

ZRX-2

一年遅れでビキニカウルを外して砲弾型メッキメーターやメッキホイールを採用したオーソドックスなZRX-2も発売。

多分ZRXシリーズで混乱してる人も多いと思うのでまとめると

400はビキニカウルが付いた1と丸目の2

1100もビキニカウルが付いた1と丸目の2

1200はビキニカウルのRと大型のハーフフェアリングを付けたSで丸目なし

DAEGはビキニカウルのRのみで丸目もハーフフェアリングもなし

という事になってる。ややこしいね。

ZRX-II

まあ要するに丸目ZRXは400と1100だけですが、結局ビキニカウルの付いた無印やRしか売れなかったから1200以降では無くなったわけですね。大した防風性もないビキニカウルの方が売れるネイキッドって珍しいですよね。

ZRXスーパーブラック

これがZの神通力というやつでしょうか。

今さらアレコレ言うバイクじゃないので書くことがない・・・のでエキセントリックカラーの話をしましょう。ZRXといえばコレでしょう。

ZRXフレーム

ZRXシリーズの特徴であるエキセントリックカラー。

ZZR1100やゼファー等にも採用された歴史があり、新型のZ1000(D型から)にも採用されてますけど、ZRXがDAEGまで採用されていた事と丸パイプスイングアームに似合ってることからZRXのイメージが強い人も多いのではないでしょうか・・・そうでもない?

構わずに話を勧めると、これはまあ見て分かる通りチェーンアジャスターなわけですが一般的なのはこんなのですよね。

チェーンアジャスター

アクスルシャフトを緩めて、アジャストナットを回して左右のズレと張りを見ながら調整してアクスルシャフトを絞めて完了。やったことある人は分かると思いますが非常に面倒くさいです。

ところがこれがエキセントリックカラーならとっても簡単。

エキセントリックチェーンアジャスター

スイングアームの先端に付いているクランプボルトを緩めてエキセントリックの穴に六角を突っ込んで回して調整しクランプボルトを絞めるだけ。左右両方やる必要もアクスルシャフトを緩める必要もなし。なんてお手軽エキセントリック。

更にエキセントリック使い(?)の間では有名なんですが、このカラーは真円つまり360度回るので、カラーを反転させる事も出来るわけです。

エキセントリックカラー反転

こうすると何が変わるのかというと車高が変わります。

下に向ければ車高が上がり、上を向ければ足付きが良くなる面白い構造・・・なんだけど、このエキセントリックがメジャーにならない理由はここにあるわけです。

要するにチェーンの張り調整次第で車高まで変わってしまうんですね。そうすると挙動も大きく変わってしまうので面白いと思う人がいる一方で、違和感を覚える人も非常に多いというわけ。

ZRX400

最後にZRXに話を戻しましょう。

ZRXはZZRと併売されていたんですが、96年にはラジエーターマウント位置の変更とリアサスリザーバータンクデザインの変更といった少変更が入ってますが、大きく変わったのは1998年モデルから。

ZRXモデルチェンジ

K-TRICキャブ(KAWSAKI Throttle Responsive Ignition Control)、サイレンサー別体式マフラー、そしてクラス初となる6POTキャリパーなど。

K-TRICっていうのは要するにイグナイターの点火タイミングを遅らせてノッキングを起こさせない様にするシステム。なんでそうなるのかっていう話まで始めると途方も無い長さになってしまうのでそのうち豆知識にでも書きます。

ZR400E後期

そしてローソンカラーが出たのもこの98年モデルから。ZRXシリーズってDAEG含めて全部そうなんだけど、ローソンカラーは絶対後出しなんだよね。消費者の心理をわかってるというか商売上手というか・・・

一応この後も02年にはギア比の変更、04年にはイモビの採用といった少変更が加わってますが、大きく前期後期と分けるなら~97と98~でしょうね。

結局ZRXはZZRよりも一年長い2008まで販売が継続されました。

ZRX火の玉カラー

カワサキの400ネイキッドといえばゼファーってみんな答えるけど、Zの流れを見たらZRXの方がZに近いネイキッドかもね。

主要諸元
全長/幅/高 2095/745/1130mm
[2095/745/1080mm]
<2075/745/1115[1065]mm>
シート高 770mm
車軸距離 1450mm
車体重量 185kg(乾)
[195kg(乾)]
燃料消費率 36.5km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 16.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 399cc
最高出力 53ps/11000rpm
最高トルク 3.8kg-m/9000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前110/80R17(57H)
後150/70R18(70H)
<前110/70R17(54H)
後150/70R18(70H)>
バッテリー YTX9-BS
プラグ CR9E
または
U27ESR-N
推奨オイル カワサキ純正オイルR4/S4/T4
または
MA適合品SAE10W-40
オイル容量 全容量3.7L
交換時2.8L
フィルター交換時3.2L
スプロケ 前15|後43
<前15|後42>
チェーン サイズ525|リンク106
車体価格 659,000円(税別)
[679,000円(税別)]
※[]内はZRX-II(ZR400F)
※<>内は98年以降
系譜図
zx400d1985年
GPZ400R/FX400R
(ZX400D/E)
zl400a1986年
エリミネーター400/SE/LX
(ZL400A/B/C/D)
zx400f1987年
GPX400R
(ZX400F)
Zx400k/n1990年
ZZR400
(ZX400K/N)
ZR400E1994年
ZRX/2
(ZR400E/F)

【関連車種】
CB400の系譜XJR400Rの系譜GSR400の系譜

ZZR400(ZX400K/N) -since 1990-

ZX400K

ZZRシリーズの三男坊として登場したZZR400。カワサキの400においてゼファーとゼファーχの合算を除けば一番ロングセラーとなったモデルです。なんと17年も続きました。

GPXの反省からか、ちゃんとアルミのアルクロスフレーム(新設計)を採用しています。前年に出たZZR1100の流れを組むカウルデザインで600と共有なので相変わらずデカイけど、このGPZ400Rから続く層においては外せないポイントだということがカワサキも分かってるんでしょうね。

いわゆる「ZZRブランド」の始まりになるんだけど、GPXブランドが失敗が非常に活かされててて、ZZRブランド(1100・600・400・250)の住み分けは本当に考えられていた。

長男の1100は今ではメガスポーツのパイオニアと言われているように徹底的にスポーツ性能、最速を念頭に置いたバイク。そしてZZR600もそれに準ずるカリカリなライトウェイトスポーツツアラー。

ZZR400

それに対してZZR400は堅実過ぎてアクビが出るほど王道なスポーツツアラー。

当時としては群を抜くような速さも軽さも持ってなかった。エンジンは新設計なんだけどイタズラに速さを追うわけでなく中低速を考えた故の事。

これはZX-4そしてZXR400というレーサーレプリカ系(ZX400GE系)が居たから可能だった事かもしれないけど、とにかくZZR1100や600とZZR400は名前こそ同じZZRであり同じファミリーなんだけどコンセプトが全く違う。夢想家の1100、実際家400といった感じ。

ZX400N

93年にはエンジンフレーム共に見直しが入り、他にもMFバッテリーやハザードなど日常生活での恩恵があるこれまた堅実な変更。カウルデザインも流線的に改められたんですが、一番はラムエアですよ。

ZZR1100によって大きく広まったラムエアシステム。これは走行風を積極的にエアクリーナーに送り込んで空気を圧縮するという慣性ターボみたいな仕組みのことなんですが、まさか400でラムエアを取り入れてくるとは・・・

繋がってない飾りとかZXRに付いてるK-CAS(空気をシリンダーヘッドに当てて冷やす)と思ってる人が多いですが違います。ちゃんとラムエアでエアクリーナーに繋がってます。

ZX1100CD

しかも長男の1100がC型ひょっとこ、D型ブタ鼻というちょっとアレ(今見ると味があるけど)なダクトデザインだったのに対し、400は比較的まとまったデザイン。

04ZZR400

これは効果よりデザインを優先したんでしょうね。ラムエアって時速200km超えるような状況じゃないと効果は・・・でも飾りじゃないですよ。ちゃんと繋がってます。

最初に言った通りカワサキはアンチレーサーレプリカを掲げてて、結局ブームに負けてZXR400という吹っ切れたレーサーレプリカを出してきたんだけど長くは続かないと踏んでいて、次に来るのはスポーツツアラーと読んでいた。

ZZR400N

他のメーカーは「ツアラーは日本では非常にニッチなクラス」という認識だった(実際人気は無かった)から何処も力を入れてなかった。

結局他のメーカーの読み通りスポーツツアラーブームが来ることはなくカワサキの読みは大外れしたんだけど、レプリカやネイキッドほどではないにしろ一定の需要があった。そしてその需要にGPZ400Rの頃からGPXで躓こうとも応え続けていた結果、奪い合うには小さすぎるパイはZZR400の独占状態になってたというわけですね。(途中スズキから何か出てたけど)

ZZR250

これは250もそう、というかこれは250の方がそうかな。鳩サブレと馬鹿にされようと続けていた結果、ZZR250という名車が生まれ、更にはもはや説明不要なNinja250Rまでもが生まれた。売れないと言われたカテゴリで。

バイクも

「名車は一代にして成らず」

ですね。

結局ZZR400は2006年モデルを最後に生産終了となり、少し間を開けてNinja400にバトンタッチしました。

ZZR400カタログ写真

17年にも及んだ400ツアラーという大役を終えた小さい需要の大きなバイクでした。

主要諸元
全長/幅/高 2075/695/1175mm
[2070/695/1175mm]
シート高 780mm
車軸距離 1440mm
[1430mm]
車体重量 193kg(乾)
[195kg(乾)]
燃料消費率 35.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 18.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 399cc
最高出力 58ps/12000rpm
[53ps/11000rpm]
最高トルク 3.7kg-m/10000rpm
[3.8kg-m/9000rpm]
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/60R17(55H)
後160/60R17(69H)
バッテリー YB12A-AK
[YTX12-BS]
プラグ CR9E
または
U27ESR
推奨オイル カワサキ純正オイルR4/S4/T4
または
MA適合品SAE10W-40
オイル容量 全容量3.7L
交換時2.8L
フィルター交換時3.2L
スプロケ 前17|後49
[前15|後52]
{前17|後46}
チェーン サイズ530|リンク112
[サイズ530|リンク114]
{サイズ530|リンク112}
車体価格 659,000円(税別)
[679,000円(税別)]
※[]内はZX400N
※{}内は2001年以降モデル(ZX400N8)
系譜図
zx400d1985年
GPZ400R/FX400R
(ZX400D/E)
zl400a1986年
エリミネーター400/SE/LX
(ZL400A/B/C/D)
zx400f1987年
GPX400R
(ZX400F)
Zx400k/n1990年
ZZR400
(ZX400K/N)
ZR400E1994年
ZRX/2
(ZR400E/F)

GPX400R(ZX400F) -since 1987-

GPX400R

「Xの思想」として出されたGPX400R。

GPZ400Rのエンジンをベースにフリクションロスと重量を減らす改良を施し、フレームもFASTフレームなる新しく設計しなおしたもの。

・・・GPZ400Rでチョロっと話した通り売れませんでした。

GPX400R

先ず先代ではアルミだったフレーム(アルクロス)からスチール丸パイプフレームへとなったこと、デザインが保守的で代わり映えしないこと、そして何よりレーサーレプリカ全盛期だったこと、が挙げられると思います。

カワサキも余りの売れ無さに最終的にはアルミフレームのGPX400Rに改良されたGPX400Rのエンジンを積みNinjaの名を冠したGPZ400R改を売る形を取りGPXは捨て去られました。

話を少し戻して「Xの思想」について少し。

カワサキがGP”Z”をやめてGP”X”を始めたのはXという新たなブランドを展開するため。

Xというのはザックリ解釈していうと「究極のZ」に対して「身近なX」という感じ。もともとGPZもアンチレーサーレプリカで控えめな前傾とシート高が特徴の言わばスポーツツアラー的な存在だったんだけど、何でもかんでもZにするのはやめようということで、速さを求めたモデルであるZと、スポーツモデルながら扱いやすく身近に感じるXと分けようとしたんだね。

このGPX400Rを見ると分かるように、シートが更に少し下げられ、荷物を載せられる様にグラブバーが付けられ、視認性に優れるイエローハロゲンにされてる。

非常にユーザーの事を考えて作られてたんけど、レーサーレプリカブーム真っ只中だったもんだから出鼻を挫かれGPXという車名自体が無くなってしました。

GPX250R

Ninja250の方で書いてるんだけどGPX250Rは成功したんですけどね。

GPZの頃は400が大成功で250は鳴かず飛ばず、GPXでは400が鳴かず飛ばずで250が大成功。

やっぱり250も400も両方成功させるのは松竹梅商法になってしまうから難しいか。

というか今では当たり前だけどZX-4とかZXRとかZRXとかZとXがコラボしだして、意味が四気筒になってと、もはやXの法則というか意味がよく分からん事になってますね。

一応今のところXは車名型式共にカウルが付いているスポーツモデルの意味(ZXRやZX-10Rなど)となってます。

主要諸元
全長/幅/高 2105/690/1155mm
シート高 755mm
車軸距離 1415mm
車体重量 174kg(乾)
燃料消費率 40km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 18.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 399cc
最高出力 59ps/12000rpm
最高トルク 3.6kg-m/10500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前100/90-16(54H)
後130/90-16(67H)
バッテリー YB12A-AK
プラグ D9EA
または
X27ES-U
推奨オイル カワサキ純正オイル
または
MA適合品SAE10W-40
オイル容量 全容量3.0L
交換時2.6L
フィルター交換時3.0L
スプロケ 前15|後40
チェーン サイズ520|リンク102
車体価格 659,000円(税別)
系譜図
zx400d1985年
GPZ400R/FX400R
(ZX400D/E)
zl400a1986年
エリミネーター400/SE/LX
(ZL400A/B/C/D)
zx400f1987年
GPX400R
(ZX400F)
Zx400k/n1990年
ZZR400
(ZX400K/N)
ZR400E1994年
ZRX/2
(ZR400E/F)

ELIMINATOR400(ZL400A/B/C/D) -since 1986-

エリミネーター400D

カワサキの400クルーザー・・・というかドラッグマシンなエリミネーター400。

日本のメーカーがネイキッドベースにハンドルとシートを変えただけのナンチャッテアメリカンで叩かれていた中で出てきたエリミネーターは完全に割り切った造り。

水冷直四、ドラッグバーハンドル、長いホイールベース、フォアード化(前に移動)してないステップ。厳密にいうとストリートドラッガーというジャンルで、記憶が確かならこのジャンルで出たのはVMAX、X4、エリミネーターの三車種だけ、そしてアンダー400唯一のストリートドラッガーはエリミネーターだけ。

ZL400

タンク容量も僅か12Lというこのカワサキの思い切ったというか開き直った様な狙いは見事に的中し非常に人気が出ました。

GPZ400Rのエンジンを積んで、更に二次変速比を低速寄りに変更された結果GPZ400Rより信号ダッシュが速いので、ナメてかかるとあっという間に置いて行かれます。そのぶん曲がらないし止まらないですが。

エリミネーターにおいて最も成功したモデルは400の中でも88年に登場したSE/ZL400Bというモデル。

ZL400SE

ビキニカウルとブラックアウト化でドラッガーの雰囲気が更に強調されたモデルで非常に人気出ました。

そして同時期に出たもう一車種の派生モデルであるLX/ZL400C。

エリミネーター400LX

SEとは対照的にメッキパーツを多用したスポークホイールモデルでクラシカルな雰囲気を演出。海外ではコッチのLXモデルの方が人気出たみたい。

結局このSEとLXの二本立てで無印は廃止となって続くことになったんだけど、400の馬力上限が53馬力になった事から95年のモデルチェンジでエリミネーター400(ZL400D)で再び一本化されました。

エリミネーター400D

デザインが曲線に改められライトも大径化、シートも変更され足つき性が良くなり、更に嬉しいタンク容量1Lアップ。

そして忘れちゃいけないのがカモノハシテールじゃなくなったこと。

言い忘れてたけどエリミネーターの特徴の一つとして欠かせないのがカモノハシのクチバシに似ている事からカモノハシテールと呼ばれるようになったリアフェンダー。

生えるように延びているフェンダーで「コレが良い」という人も居れば「せっかくのデザインが台無し」という人もいた。

ZL400

ただコレは(フェンダーなんだから当然なんだけど)泥はね防止のためで特にエリミネーターの場合はコレがあっても泥が跳ね返ってくる。そんなタダでさえ酷い泥ハネがカモノハシテール外しちゃうととんでもない事になる。

モデルチェンジでカモノハシじゃなくなったって事は不評だったんですかね。エリミの特徴だとも思うんですが。

主要諸元
全長/幅/高 2245/720/1150mm
[2210/795/1130mm]
{2210/755/1070mm}
<2245/720/1090mm>
シート高 720mm
車軸距離 1550mm
車体重量 195kg(乾)
[197kg(乾)]
{194kg(乾)}
<195kg(乾)>
燃料消費率 40.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 13.0L
[{12.0L}]
<13.0L>
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 398cc
最高出力 53ps/12000rpm
最高トルク 3.4kg-m/10000rpm
[{3.4kg-m/10500rpm}]
<3.4kg-m/10000rpm>
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前100/90-18(56H)
後150/80-15(70H)
バッテリー YB12A-AK
プラグ DR9EA
または
X27ESR-U
推奨オイル カワサキ純正オイル
または
MA適合品SAE10W-40
オイル容量 全容量3.0L
交換時2.6L
フィルター交換時3.0L
スプロケ
チェーン
車体価格 598,000円(税別)
[623,000円(税別)]
{630,300円(税別)}
<605,000円(税別)>
※[]内はSE(ZL400B)
※{}内はLX(ZL400C)
※<>内は後期(ZL400D)
系譜図
zx400d1985年
GPZ400R/FX400R
(ZX400D/E)
zl400a1986年
エリミネーター400/SE/LX
(ZL400A/B/C/D)
zx400f1987年
GPX400R
(ZX400F)
Zx400k/n1990年
ZZR400
(ZX400K/N)
ZR400E1994年
ZRX/2
(ZR400E/F)

GPZ400R(ZX400D) -since 1985-

GPZ400R(ZX400D)

当時を知る人でこのバイクを知らない人は居ないでしょう。

Z400FXがそうだったように輸出仕様のGPZ600Rの弟分として1985年に登場したGPZ400R。久しぶりの直四400として人気が出たZ400FXに勝るとも劣らない人気となったモデルですね。

80年代のカワサキ車を代表すると言ってもいいGPZ400Rはデビューと同時に大ヒットを飛ばし85~86においてクラス別の販売台数で一位に輝いたわけですが、コレは引き下げている物を見れば分かる。

GPZ400Rカタログ写真

市販400としては初の水冷直四で馬力は自主規制上限の59馬力はもちろんの事、ロッカーアームの軽量化やピストンリングの軽薄化、そして何より600と共有なことから400とは思えない車格。

GPZ400Rが600のスケールダウン版にも関わらず成功したのはAL-X(アルクロス)と呼ばれる専用のフレームに積まれていたから。兄貴の600がスチール製なのに対しなんとアルミ。

アルクロスフレーム

「クラスを超越」って在り来りな謳い文句だけど、本当に兄より優れた400が誕生したわけです。

そしてもう一つGPZ400Rの成功要素を取り上げるとするならばその車体。

カワサキは”アンチレーサーレプリカ”を掲げていました。その意思が表れているのが大柄な車格とポジション。

GPZ400

シート部分が大きく抉られ、大きめのタンク。レーサーレプリカにありがちな窮屈なポジションではなく足付きも良好。しかし一方で59馬力の水冷直四を積んでいる。

つまりGPZ400Rは街乗りからツーリング、スポーツ走行に至るまでオールマイティに使える400スポーツツアラーとして成功したわけです。

GPZ400R最終型

その人気は本当に留まるところを知らず、後継として併売されるた次の次に紹介するGPX400Rの登場後もGPZ400Rを買う人が多かった。だから89年(ZX400D4)にはシリンダーヘッドや足回りをGPX400Rから引っ張って来て、もうどっちが先代でどっちが後継が分からないようなことにまでなる始末。

そして忘れちゃいけないのがGPZ400Rのネイキッドモデルとして半年遅れで登場したFX400R。

FX400R
(ZX400E)
-since 1985-

FX400R(ZX400D)

最初に言っていたZ400FXの再来として読んで字のごとくFXという名誉ある名を冠して出されたFX400R。

単にGPZ400Rのカウルを取っ払っただけと思うことなかれ。

エンジンこそGPZ400Rのものだけど専用のスチールフレームに搭載し、マフラーも4-1に変更。シートカウル周りも違うという結構色々と手が加えられてるストリート特化モデル。

ただまあ今でもなおGPZ400Rの影に隠れて語られる事が無い点からも察して欲しいんだけど、コッチは本当に売れなかった。

FXR

「これの一体どこがFXなんだ」

と、誹謗中傷の嵐。

まあ確かになんでFXって付けちゃったんだとは思う・・・カクカクな所からかな。

89年には見直しが入って57馬力に変更。更に乗りやすくなったけど見向きもされなかった。CBR400Fの方は売れたのにね。

主要諸元
全長/幅/高 2095/675/1180mm
[2080/675/1030mm]
シート高 770mm
車軸距離 1430mm
[1425mm]
車体重量 181kg(乾)
[170kg(乾)]
{173kg(乾)}
燃料消費率 40.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 18.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 399cc
最高出力 59ps/12000rpm
{57ps/12000rpm}
最高トルク 3.6kg-m/10500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前100/90-16(54H)
後130/90-16(67H)
バッテリー YB12A-AK
プラグ D9EA
または
X27ES-U
{DR8ES
または
X27ESR-U}
推奨オイル カワサキ純正オイル
または
MA適合品SAE10W-40
オイル容量 全容量3.0L
交換時2.6L
フィルター交換時3.0L
スプロケ 前15|後39
[前15|後41]
{前15|後40}
チェーン サイズ520|リンク102
[サイズ520|リンク104]
車体価格 629,000円(税別)
[564,000円(税別)]
※{}内は89以降のFX400R
系譜図
zx400d1985年
GPZ400R/FX400R
(ZX400D/E)
zl400a1986年
エリミネーター400/SE/LX
(ZL400A/B/C/D)
zx400f1987年
GPX400R
(ZX400F)
Zx400k/n1990年
ZZR400
(ZX400K/N)
ZR400E1994年
ZRX/2
(ZR400E/F)
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