初のモデルチェンジとなった二代目GSX-R1000のK3/K4型。
市販車レースのレギュレーションが750ccから1000ccになった事で、レースベースの役割も750からこの1000に移行。
大きく変わったのはフレームで、設計自由度が増す押出材によるツインスパーフレームに変更した事でエンジンを大幅に変えることなく肉厚増加で剛性をアップ。
と言っても既にトップパフォーマーだった状況から更に4馬力上がってるんだけどね。
更には他社に先駆けいち早くラジアルマウント式4POTキャリパーを採用。初代の時点で高い評価を得ていたのにこれだから向かう所敵なし。
結果としてレースにおいてライバル不在と言えるほど抜きん出た速さを誇り、一時の市販車レースにおいてはR1000のワンメイク状態に陥るまでに至り、国内外問わず最速の称号を欲しいままにしていました。
この頃のスズキは本当に独走状態だったんですよ。
ちなみに顔がハヤブサ系の縦目二眼になったのもこのモデルからなんですが、実はコレはハヤブサを真似たりブランド化したりするのが狙いじゃなかった。
これまではハヤブサと同じ様にライダーをスッポリと包み込むようなアッパーカウルが最良だと考えていた。しかし空力を詰めてやっていくとアッパーカウルはライダーを覆いきれないほどギリギリまで絞った方が良い事が分かった。
ただし、そこで問題となるのがラムエアの吸気口。吸気口は可能な限りセンターに置くのが圧が掛かるので良い。
そうして導き出されたのがこのスリムなアッパーカウルに収められた縦目二眼と頬の様に大きく開けられた吸気口というわけ。
ただし・・・実はこれ大反対にあったんです。何故かと言うと当時はツリ目二眼がブームだったから。
「何故ツリ目二眼にしないんだ。」
「GSX-Rの顔じゃない。」
と社内外問わず大不評。
しかし
”ツリ目二眼=センター吸気口”
にしてしまうとアッパーカウルのスリムさが失われてしまう。
何が何でもこの縦目二眼を採用するため開発企画の鈴木さんは
”世界中の代理店を説得して回る”
という気が遠くなる手段に。
何故そうまでして採用したかったのかといえばいま説明したように
”コレが正論の形だから”
それが今ではすっかりGSX-Rのアイデンティティに。
エンジン:水冷4サイクルDOHC4気筒
排気量:988cc
最高出力:
164ps/10800rpm
最大トルク:
11.3kg-m/8400rpm
車両重量:168kg(乾)
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2001年 GSX-R1000(K1/K2) |
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2003年 GSX-R1000(K3/K4) |
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2005年 GSX-R1000(K5/K6) |
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2007年 GSX-R1000(K7/K8) |
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2009年 GSX-R1000(K9/L0/L1) |
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2012年 GSX-R1000(L2) |
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2017年 GSX-R1000/A/R(L7) |