GSX-R1000(K3/K4)-since 2003-

K3

「Are you one of the chosen?」

初のモデルチェンジとなった二代目GSX-R1000のK3/K4型。

・リブ持ちピボット可変式フレーム

・ダイヤモンドライクカーボンコートフロントフォーク

・ラジアルマウント4POTキャリパー

・ラムエア変更で4馬力アップ

・LEDテールランプ

・2kgの軽量化

などなどデビューするやいなや敵なし状態だったのが更に敵なし状態へ進化。

K3フレーム

更に追い風となったのが市販車レースのレギュレーション(ルール)変更。

それまで四気筒は750ccまでとなっていたのが1000ccまで拡大されることになりました。

つまり988ccという若干寸足らずながら圧倒的な速さを持っていた規格外のGSX-R1000が規格内のモデルになった。

2003color

そうなったらそりゃもうますます

「勝ちたいならGSX-R1000の一択」

という状況になり、プロダクションレースにおいてはR1000のワンメイク状態になってしまう事態を招きました。

ただし実はこのGSX-R1000のK3/K4で最も力を入れた部分は別の所にある・・・それは低域での扱いやすさなんです。

このモデルに置ける変更点で重要なのは最初に上げた見える部分ではなく、ECMの32bit化とマルチホールFIによるレスポンスの向上なんです。

K3フレーム

しかもそれは高回転域ではなくGSX-R1000の強みである低回転域を良くするためという渋いけど恩恵は絶大な部分。 

もう一つあげると顔がハヤブサに通ずる縦目二眼になったのもこのモデルからなんですが、これは別にハヤブサを真似たりブランド化したりするのが狙いがあったわけじゃない・・・これ大反対にあったんです。

2003GSX-R1000カタログ写真

これまではハヤブサと同じ様にライダーをスッポリと包み込むようなアッパーカウルが最良だと考えていたものの、空力を煮詰めていくとアッパーカウルはライダーを覆いきれないギリギリまで絞った方が良い事が分かった。

ただしそこで問題となるのがラムエアの吸気口。吸気口は可能な限り前方に置くのが圧が掛かるので良い。

K3フェイスデザイン

そうして導き出されたのがこのスリムなアッパーカウルに収められた縦目二眼と頬の様に大きく開けられた吸気口というわけ。

どうしてこれが反対されたのかと言うと当時はツリ目二眼がブームだったから。

「何故ツリ目二眼にしないんだ」

「GSX-Rの顔じゃない」

と社内はもちろん現地の代理店も反対。

しかしツリ目二眼によるセンター吸気口にしてしまうとアッパーカウルのスリムさが失われてしまう。何が何でもこの縦目二眼を採用するため企画の鈴木さんは

『世界中の代理店を説得して回る』

という気が遠くなる手段に。

何故そうまでして採用したかったのかといえばスズキの鈴木さんいわく

K3カタログ写真

「コレが正論の形だから」

今ではすっかりGSX-Rのアイデンティティになりましたね。

主要諸元
全長/幅/高 2070/715/1145mm
シート高 830mm
車軸距離 1410mm
車体重量 168kg(乾)
燃料消費率
燃料容量 18.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 988cc
最高出力 164ps/10800rpm
最高トルク 11.3kg-m/8400rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後190/50ZR17(73W)
バッテリー YTX12-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9E
または
U27ESR-N
推奨オイル SAE 10W-40
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.6L
交換時3.0L
フィルター交換時3.3L
スプロケ 前17|後42
チェーン サイズ530|リンク110
車体価格 1,270,000円(税別)
※モトマップ価格
系譜図
K1/K2 2001年
GSX-R1000
(K1/K2)
K3/K4 2003年
GSX-R1000
(K3/K4)
K5/K6 2005年
GSX-R1000
(K5/K6)
K7/K8 2007年
GSX-R1000
(K7/K8)
K9/L0/L1 2009年
GSX-R1000
(K9/L0/L1)
L2 2012年
GSX-R1000
(L2~L6)
L7 2017年
GSX-R1000/A/R
(L7~)

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