「ダイナミックツーリング」
FJRとしては初めての外装デザインが大幅に変わった四代目。
大きく変わりましたね。
デザインテーマはマシンが前に飛び出すように見える“ジャンピングムーブメント”。
大きな第一歩を踏み出そうとするライダーの背中を押せるようなデザインとの事。
内部的な事をいうとYCC-S(クラッチレス)のASモデルとAモデルの2モデル展開はそのままにトラクションコントロールやDモード(モード切替)が採用。
更にASモデルには倒立サス(しかも電子制御)にクルーズコントロールシステム、STOP MODEを搭載。更にクラッチ制御がよりナチュラルになるように改良されています。
もはや何が何のスイッチだか説明する気も失せる多さですし、バイクでクルーズコントロールなんて恐ろしいような試してみたい様な魅力ですが、このモデルチェンジで間違いなく重宝するのはSTOP MODEでしょう。
ASは先に言った通りシフトチェンジを自分でしなきゃいけないという特性なんですが、止まった時や止まる時に自分でガチャガチャ一速に入れないといけないという少し煩わしい点があります。
このSTOP MODEはそんな煩わしさを解消するために、止まった時は自動で一速に入れてくれるモード。これでガチャガチャともおさらば出来るわけです。
さて、FJRは先代までの時点で世界販売台数10万台を突破する大ベストセラーで今ではスポーツツアラーの定番と化してるわけですが、欧州との規制統一化によって今までプレスト扱いだった日本でもヤマハ直々に取扱いとなりました。このおかげで前よりも身近になりましたね。
唐突ですが、書くこともないので少し話を脱線。
FJR1300は2001年の初代と早い段階から電動スクリーンを採用しています。今となっては電動スクリーンなんてツアラーじゃ当たり前でソレ自体は珍しくもなんともないわけですが、果たして皆さんは電動スクリーンの恩恵をちゃんと理解しているでしょうか。
電動で高さを変えられる事で防風性能を気軽に変えられる・・・半分正解です。
電動スクリーンのメリットは確かに高さを手軽に変えられる事。でもそれは闇雲に風を防ぐ為だけにあるわけじゃないんです。それなら最初から背の高いスクリーンをつければ良いだけでしょ?
正しく言うなら電動スクリーンのメリットはウインドプロテクションをコントロール出来る事。
言ってること一緒じゃんと言われそうですが違います。
バイクで走っている時、スクリーンのあるバイクは風を受け流してライダーに当たらない様にしてるわけですが、そうすると一つ問題が出てくる。
注目して欲しいのはスクリーンの裏側にあたるハンドル付近の青くなってる部分。これは前に進むバイクが風を掻き上げる事でスクリーン裏が負圧になってるわけです。極端に言えば真空状態しかも慢性的な。
すると圧力差から周りの空気が流れ込み、入り乱れたトルネードの様になる。写真のバイクはスクリーンがそれほど大きくないのでアレですが、もしコレが頭まですっぽり隠れる程のスクリーンだったらどうなるでしょう。ライダーはその入り乱れたトルネードのすぐ後ろに身体を置かないといけなくなるわけです。
そうなってしまうと負圧で身体を引っ張られるわ、トルネードの轟音に晒されてしまうわ、疲れないためにあるはずのスクリーンという名の風防が疲れを誘発させる風防に早変わってしまう。
ちなみにトップブリッジにカメラやスマホをマウントして撮影しても轟音で音が全く拾えなかったりするのもこのトルネードのせい。
要するにスクリーンというのは高すぎても駄目なんです。
でも座高の高さなんて千差万別で誰が乗っても完璧なエアロダイナミクスなんて不可能。だから自分にピッタリのエアロダイナミクスを可能にする電動スクリーンはとっても理に適ったありがたい装備であり、今となってはツアラーの必需品になってるわけですね。
・・・バイクトリビアの方に書けばよかったな。
主要諸元
全長/幅/高 | 2230/750/1325~1455mm |
シート高 | 805~825mm |
車軸距離 | 1545mm |
車体重量 | 289kg(装) [296kg(装)] |
燃料消費率 | 16.3km/L ※WMTCモード値 |
燃料容量 | 25L |
エンジン | 水冷4サイクルDOHC四気筒 |
総排気量 | 1297cc |
最高出力 | 147ps/8000rpm |
最高トルク | 14.1kg-m/7000rpm |
変速機 | 常時噛合式5速リターン |
タイヤサイズ | 前120/70ZR17(58WW) 後180/55ZR17(73W) |
バッテリー | GT14B-4 |
プラグ ※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価 |
CPR8EA-9 |
推奨オイル | ヤマルーブ プレミアム/スポーツ/スタンダードプラス |
オイル容量 ※ゲージ確認を忘れずに |
全容量4.9L 交換時3.8L フィルター交換時4.0L |
スプロケ | – |
チェーン | – |
車体価格 | 1,350,000円(税別) [1,650,000円(税別)] ※[]内はFJR1300AS(B95) |