「RUGGED(インテリジェンス力)」
一度見たら忘れないであろう非常にユニークな姿をしているTDM850。
先に紹介した初代スッテネで併売という形が取られましたんですが、このバイクが開発されるキッカケとなったものまたスッテネ。
どうキッカケになったのかというと、スッテネはラリーレプリカなだけありシチュエーションを選ばず走れる事からで欧州で好評を得ていたのですが一般ユーザーの用途を調査してみてるとオンロード寄りな用途の人が多い事が分かった。
そこで
「もっとオンロード重視のスッテネを」
となって造られたのがこのTDM850なんです。
デザインは日本のGKとGD(欧州GKの子会社)で行われたものの
・オンロード感を推したい日本側
・デュアルパーパス感を推したい欧州側
でモメにモメた末に欧州がメインマーケットという事から日本側が折れた経緯があります。
もしかしたらそれがTRX850に繋がったのかもしれないですね。
そんなTDM850なんですがスッテネをベースにしつつも849ccまで排気量を拡大する事で力強いトルクを獲得しミッションもワイドレシオ化。
またフレームも剛性の高いスチール製デルタボックスフレームが奢られました。
これにより軽やかな吹け上がりかつ低速からモリモリ来るトルクでオンロードなら向かうところ敵なしのストリートラリー
『キング・オブ・ザ・ワインディングロード』
として欧州にて爆発的なヒットに。
しかし・・・日本でTDM850というと見たこと無い人はおろか知らない人も結構いるかと。
それも無理もない話でTDM850は文化圏の違いが招く
「欧州では人気だったけど日本では不人気だった」
というバイクあるあるの典型的な車種。
原因としてはデザインやコンセントもあるんですがもう一つはエンジン。
TDM850は日本国内におけるツインの課題を浮き彫りにし、ヤマハの二気筒に対する姿勢に多大な影響を与えたバイクでもあるんです。
後期モデルと関係する話なので詳しくはそちらで。
ちなみに併売されていたXTZ750SUPER TÉNÉRÉはTDM850の登場からしばらくして後継もなく生産終了となりました。
その理由は
「みんなTDM850の方を買うようになったから」
だったりします。狙いはドンピシャだったわけですね。
主要諸元
全長/幅/高 | 2175/780/1260mm |
シート高 | 795mm |
車軸距離 | 1475mm |
車体重量 | 199kg(乾) |
燃料消費率 | 30.0km/L ※定地走行テスト値 |
燃料容量 | 18.0L |
エンジン | 水冷4サイクルDOHC2気筒 |
総排気量 | 849cc |
最高出力 | 72ps/7500rpm [77ps/7500rpm] |
最高トルク | 7.8kg-m/6000rpm [7.6kg-m/6000rpm] |
変速機 | 常時噛合式5速リターン |
タイヤサイズ | 前110/80-18(58H) 後150/70-17(69H) |
バッテリー | GT12B-4 |
プラグ ※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価 |
DPR8EA-9 または X24EPR-U9 |
推奨オイル | SAE20W-40 SAE10W-30 |
オイル容量 ※ゲージ確認を忘れずに |
全容量4.2L 交換時3.8L フィルター交換時3.9L |
スプロケ | 前16|リア44 |
チェーン | サイズ525|リンク114 |
車体価格 | 750,000円(税込) ※スペックは国内仕様(4EP) ※[]内はEU仕様(3VD) |