「The Fighting Spirit」
1990年後になるとレーサーレプリカブームに疲弊する人たちが多くなり、レーサーとは無縁のスタンダートバイク(いわゆるネイキッド)の時代が到来。
そうなると当然ながら各社がネイキッドを出すのがセオリーでXJR400もそんな時代によって生まれた一台。
なんだけど、実はXJR400の開発自体はゼファーが登場する半年前から始まってた。
だからとっても開発が大変だったと開発責任者だった猪崎さんが仰っていました。
何が大変ってゼファーというネイキッドの正解が誕生してしまったから。
「ゼファーみたいなバイクを作れ」
という風潮に社内もなってしまったわけです。
だから
「ゼファーを作らないといけないのか」
と悩んだものの結局XJR400の目指す道はそっちじゃないと考え、ベンチマークにしたのはゼファーではなくCB-1やBandit400。
要するにスポーツネイキッドの道を選んだ。
その結果として生まれたのが空冷スポーツネイキッドのXJR400。
深く刻まれたフィンが特徴の新設計空冷エンジンに挟角64度のDOHC4バルブ。そのおかげで馬力は自主規制値いっぱいの53馬力。
味付けもXJ400のコンセプトに沿ってて、空冷にも関わらずクロスレシオミッションで”回してナンボ”な味付け。
しかもわざとパワーに谷を作り二次曲線的な加速をする特性、そしてサスもΦ41の極太フォーク。空冷スポーツを空冷らしく楽しめるように造り込まれてる。
翌年の1994年には後にXJRのトレードマークとなるオーリンズのリアサスが付いたSモデルを限定4,000台で販売。
更に1995年にはピストン&コンロッド、イグナイター(点火制御)やマフラーなどの見直しが入り、それと同時にRモデルが登場。
オーリンズサスのスプリングも黄色になり、ブレーキにはブレンボが奢られた上位モデルです。
その勢いは留まること無く1996年にはXJR400RIIも登場。
Rモデルに加えビキニカウルと多機能デジタルメーター、更に新設計の低反発シートであるワイラックスシート(この年から全車)を装備しシート高も10mmダウン。
ただあんまり人気が無かった事と、後から丸目にする人が多かった事からまず見ることはないかと・・・ライバルだったCB400SF ver.Rと同じですね。
まあそれはさておき、XJR400は削りだしトップブリッジやオーリンズなどヤマハらしい質の高さと、拳をイメージしたとされるたくましいタンクや大きなヘッドを持った空冷エンジンなどヤマハらしからぬ無骨さが人気を呼びました。
正に『平成のペケジェイ』だったわけですね。
主要諸元
全長/幅/高 | 2075/735/1080mm [2075/735/1090mm] |
シート高 | 770mm {760mm} |
車軸距離 | 1435mm |
車体重量 | 178kg(乾) |
燃料消費率 | 41.0km/L ※定地走行テスト値 |
燃料容量 | 18.0L |
エンジン | 空冷4サイクルDOHC四気筒 |
総排気量 | 399cc |
最高出力 | 53ps/11000rpm |
最高トルク | 3.6kg-m/9500rpm |
変速機 | 常時噛合式6速リターン |
タイヤサイズ | 前110/70-17(54H) 後150/70-17(69H) |
バッテリー | GTX9-BS |
プラグ ※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価 |
CR9E |
推奨オイル | ヤマルーブ プレミアム/スポーツ/スタンダードプラス |
オイル容量 ※ゲージ確認を忘れずに |
全容量2.8L 交換時2.0L フィルター交換時2.4L |
スプロケ | 前15|後45 |
チェーン | サイズ520|リンク110 |
車体価格 | 579,000円(税別) {609,000円(税別)} ※{}内はXJR400RII |