一大ブームを巻き起こしたスティード、そしてシャドウシリーズのご先祖様にあたるNV400カスタム。
俗にいうナンチャッテアメリカンの類なんだけど非常にホンダらしい部分がある。それはエンジン。
バンク角52度というクルーザーの要素として大事な挟角Vツインという条件を満たしてるんだけどホンダは要らぬひらめきをしてしまったんですね。
「狭角Vツインでもクランクを位相にすれば90度Vツインと同じく一次振動を0でパワーを稼げる!」
そのおかげでこのNV400カスタムは挟角Vツインながらヒュンヒュン回るエンジンで44馬力ものパワーを発生させる画期的なエンジンとなりました。
そんな画期的だったエンジンを積まれ満を持して発売されたNV400カスタムの評価はというと・・・
「ヒュンヒュン回り過ぎでVツインの鼓動感が全くない。」
というまあクルーザーとしては当たり前なダメ出しをくらう結果に。
非常に面白いエンジンを積んだバイクでしたが、残念ながらクルーザーとしての人気は出ませんでした。
いやむしろ何でクルーザーでそんな事したんだって話ですが、まあ当時は第一次クルーザーブームとレプリカブームの間みたいな時期でメーカーも方向性が分からなかったんでしょう。
このヒュンヒュン回る挟角Vツインエンジンは後のシャドウシリーズにも改良され載るのは勿論のこと、NV400SPというスポーツモデルにも搭載されました。
さらにそこから派生してブロスとなり、そのまた派生としてVRX400ロードスター等が出てたりします。
ほかにもトランザルプ400やアフリカツインにも積まれてたりと、実は結構兄弟車というか従兄弟が多いんです。
ここまでの乱立を見るにホンダが何とかこのエンジンを使ったヒットバイクを作ろうとしていた形跡が伺えますね。まあ面白いエンジンなので無理もない話です。
主要諸元
全長/幅/高 | 2175/840/1190mm |
シート高 | 770mm |
車軸距離 | 1490mm |
車体重量 | 193kg(装) |
燃料消費率 | 44.0km/L ※定地走行テスト値 |
燃料容量 | 12L |
エンジン | 水冷4ストロークOHC2気筒 |
総排気量 | 399cc |
最高出力 | 43ps/9500rpm |
最高トルク | 3.5kg-m/7500rpm |
変速機 | 常時噛合式6速リターン |
タイヤサイズ | 前3.50S18-4PR 後130/90-16(67S) |
バッテリー | FB12A-A |
プラグ ※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価 |
DPR7EA-9/DPR8EA-9/DPR9EA-9 または X22EPR-U9/X24EPR-U9/X27EPR-U9 |
推奨オイル | Honda純正ウルトラU(SAE10W-30) |
オイル容量 ※ゲージ確認を忘れずに |
全容量3.0L 交換時2.5L フィルター交換時2.7L |
スプロケ | – |
チェーン | – |
車体価格 | 499,000円(税別) |