ネイキッド系

ネイキッドとは

最初にご紹介するのは皆さんご存知ネイキッド。

オートバイといえばこの形を思い浮かべる人も多いかと思います。

 

【特徴】

ハンドルが高く比較的楽なポジションながら比較的なんでも万能にこなせる優等生。

カウルなどの装飾も少なく作りもオーソドックスな物が多いためメンテナンス性も良好。

難点はネイキッド(剥き出し)というだけあってカウルレスな物が多く、ポジションが起きてることも相まって防風性がよろしくなく運転よりも風で疲れる。

【歴史】

ネイキッドの歴史がいつからかといえば

「最初から」

というのが正解だと思います。それこそ1885年に造られた世界初の二輪車リートワーゲンだってネイキッド。

リートワーゲン

でもこれじゃ釈然としませんよね。

「じゃあいつからネイキッドと呼ばれるようになったのか」

という話。

これ実はそんなに昔の話ではなく1980年代からなんです。それまではネイキッドなんて言葉は存在しませんでした。

CB400F

例えば今でこそ何処からどう見てもネイキッドな70年代を代表するこれらのバイクも当時は

『スーパースポーツ』

と言われていました。何故ならこれらはレースでも使われる、今で言えばCBR1000RRやZX-10Rのようなバイクだったからです。

それが大きく動いたのが1980年代に入ってから。

この頃レース界では空気抵抗を減らすための外装が付いているのが当たり前になっていた。

1980年代のレーサー

『フェアリング(カウル)』

という今では珍しくもなんとも無いカバーですが、当時は海外(逆輸入)は許されている一方で国内ではこれを付けることを国が許してなかった。

しかし1981年にホンダが出したVT250FというVTRの始祖にあたるバイクの登場で流れが変わります。

1981カウル

これがどうにかこうにか通った事を契機に制度が見直されカウル認可が下りる様になりました。

そんな規制緩和を見逃さなかったのがスズキで1983年のRG250Γを発売。カウルを始めとしたそれまでレーサーの特権だった装備を備えた形でヒットしました。

1983フェアリング

それに続けと全メーカーがスポーツバイクを次々とカウル付きにしていったわけですが、そうなるとこれまでスポーツを担っていたカウルの付いていないバイクはどうなるのって話ですよね。

その答えというか定義を出したのが1985年のヤマハ。

ヤマハはFZ400Rというカウル付きスポーツバイクを出したのですが、同時にカウルを取っ払った従来型のモデルも出しました。

1983フェアリング

『FZ400N(Naked)』

これがネイキッド誕生の瞬間です。

同時になぜネイキッド(剥き出し)という名前になったのかもこれで分かりますよね。

1983フェアリング

「カウルがない事を示す新しい名前を付ける必要が生まれたから」

ですね。

これがネイキッドの名前の由来・・・なんですが、一方でこういうモデルこそがネイキッドだと言われると抵抗がある人が多いかと。

レーサーレプリカネイキッド

実際こういうカウルを剥いた形のネイキッドは(オーナーには申し訳ないですが)当時もあまり人気ではありませんでした。

多く人が漠然と思い描くネイキッドはこういう形じゃないでしょうか。

ジャパニーズネイキッド

改めて見るとCB1300SFは本当にツボを完璧なまでに抑えてるなと感心するんですが、このページで言いたいことはそうじゃない。

重要なのは

「このスタイルはネイキッドというジャンルが生まれた時代には存在していなかった」

という事です。

このスタイルは1990年代に訪れるネイキッドブームにより人気が出てからの話で、その時にカウルを剥いだモデルという意味から

「カウルが無かった時代のスタイル」

をさす言葉に変化した。

これはネイキッドブームによるNKレースが開かれるようになった事も大きく寄与しているものと思われます。

ここで整理すると

・ネイキッドという言葉が生まれたのは1980年代

・我々が思うネイキッド像はそれ以前のスタイル

という事になる。

1983フェアリング

そう、実はネイキッドというのは

「定義の由来とスタイルの由来が別々」

という面白いジャンルなんですね。

じゃあスタイルの方の由来は何か、このデザインが何処から始まっているのか遡ると1972年に発売されたこれに辿り着く。

Z1

『900SUPER4(通称Z1)/750RS(通称Z2)』

我々が思うネイキッド像はココから来てる。1990年代から巻き起こったネイキッドブームの火付け役がゼファーだったのも市場から消えていたこのデザインを継いだ形だったから。

Z1

更に補足するとこの根拠はただポイントが当てはまる最初のモデルだからというだけではありません。

というのもこのZ1/Z2は毎年のように雑誌で特集を組まれる旧車のレジェンドになっているのはご存知だと思うんですが、一方で欧米ではそれほどでもなく国内外での温度差が結構ある。これが現代のネイキッド市場にそのまま繋がってるんです。

我々が思うネイキッドスタイルというのは日本ではウケるけど欧米ではウケない。向こうでは70年代のジャパニーズバイクという認識しか無いからです。

日本のためのネイキッド

でも日本にとってZを始めとした1970年代のバイクというのは世界に躍進した時代を象徴するバイクばかり。

そしてその事が漫画やアニメなどでも登場したりして語り継がれた事でソウルフードならぬソウルバイクになり色褪せないスタイルとして認知され不動の形になったという話。

【最後に】

ネイキッドは正にガラパゴスバイクと言えるんですが、これは別に悪い事でも恥じる事でもないですよ。むしろだからこそ選ぶ価値がある。

何故なら日本人しか好まない事からネイキッドというバイクは日本の人が日本で乗ることだけを考えたバイクになってるから。

日本のためのネイキッド

ガラパゴスであるはずのネイキッドが

『バランスの取れたスタンダードモデル』

として日本で何十年も定着している理由もここにあるわけです。

該当車種

CB1300SF/SBCB400SF/SBの系譜

XJR1300XJR400Rの系譜

Bandit1250GSR400の系譜

ZRX1200DAEGZEPHYRの系譜

などなど

種類一覧
ネイキッドネイキッド系
ストリートファイターストリートファイター系
オフロードオフロード系
モタードモタード系
マルチパーパスマルチパーパス系
ストリートストリート系
スーパースポーツスーパースポーツ系
フルカウルスポーツフルカウルスポーツ系
ツアラー系ツアラー系
メガスポーツメガスポーツ系
クルーザークルーザー系
スクータースクーター系
クラシッククラシック系

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