非常に曖昧であまり書きたくないジャンルです。
というのもこのジャンルは御存知の通りとても広く、バイクによって性格がバラバラだから。
【特徴】
ザックリ全体的に言えるのは街乗りからツーリング、果てはサーキットまで使えるオールマイティなバイク。
ネイキッドほどポジションが起きておらず、スーパースポーツほどポジションがキツくない。
要するに良くも悪くも”突出した特徴がないのが特徴”の様なバイク。
【歴史】
フルカウルのバイクが国内で最初に発売されたのは1982年のRG250ガンマ。
ただガンマはレーサーレプリカでどちらかといえばSSに近い存在。
カウル車が普及し始めてすぐは「カウル付き=高性能スポーツ車」というイメージがライダー間で先行・・・というかメーカーがそういう固定観念を生ませるような商法をとっていた。
では最初に生まれたオールマイティなフルカウルスポーツは?
といわれてパッと思いつくのは1987年(日本では1992年から)のCBR600Fかなと思う。Fコンセプトがまんまそうだし。
でも今でこそ600Fはフルカウルスポーツに見えるけど当時としてはCBR900RRの弟分でどちらかと言えばSSの要素が強かった。その後のF4とかF4iとかになるともう600RRの前身だしね。
そう考えると一般的なフルカウルスポーツなバイクが出始めたのは比較的近年からということになる。
話が逸れるけどカウルでバイクを覆うという発想自体は実はかなり昔からあった。
最初に生まれたカウル車は1954年のモトグッチが考えたV8 GP500。
ダストビンカウルという今見るとヘンチクリンなカウルを付けてる。ちなみにダストビンとはゴミ箱の意味。
まだ「空力?何それ?」という時代だったレースでいち早く空力に取り組み作り上げたマシン。もちろん圧倒的な速さを誇り伝説へ。業界に空力、そしてカウルという概念を生みました。
余談ですが
実はこのカウル、その見た目からも分かる通り横風に非常に弱く、簡単に前輪を持っていかれ危険過ぎるということであっという間に禁止されました。
MotoGPにしろ市販車にしろ今のバイクのフロントフェンダーがタイヤにちょこんと載ってるだけなのもこういう事からです。
といってもこれはレーサーの話で、市販車として初めて出たフルカウルは1976年のBMW R100RS
BMWはこの頃(最初から)から既にツアラーでした。
話がだいぶそれました。
昨今のフルカウルスポーツで代表的なのは
Ninja1000、VFR800F、CBR650F、XJ6 Diversion F、Bandit1250F、Ninja650、CBR250R、YZF-R25、GSR250FやNinja250・・・挙げだすとキリがないですね。
人によっては「それはSSだろ!ツアラーだろ!ネイキッドだろ!」と怒る方も居るかもしれません。それほど明確なジャンルとは言いがたい。
だた最近はネイキッドモデルとフルカウルモデルの2パターン(もしくはそれ以上)になってるタイプの物が増えてきましたね。
このジャンルがここまで国内で認知が遅れたのは上でも言ったとおり「フルカウル=高性能車」というイメージで売っていたことで、新規は近寄りがたく、スペックを求められる既存の層からは見向きもされないという板挟み状態だったから。これは言ってしまえばメーカーの自業自得感もある。
ただ近年になって一時期猛威を振るっていたレーサーレプリカが絶滅し、SSやメガスポーツといったハイスペックフルカウル車も下火になってきたことからか、フルカウル車へのイメージも大分変わってきました。
存知の通りNinja250Rに端を発したCBR250RやGSR250SやF、それにYZF-R25などの比較的エントリーフルカウルスポーツ車が人気を呼んでいる状態ですね。
ほんの10年前では考えられない話です。
その頃はバイクといえばネイキッドで、フルカウルは
「レーサーみたいでダサい」とか「フルカウル車のかっこよさはバイク乗りにしか分からない」
とか言われてたから。
需要はまだ比較的エントリー層だけですが、エントリー層に需要があるということは数年から数十年後には日本でもフルカウルスポーツ車がオートバイのスタンダードになる日が来るのかもしれませんね。
「ネイキッドやSSなんて非合理的でダサい」
なんて言われる日がもしかしたら・・・
該当車種
・NINJA650|NINJA400|NINJA250の系譜
などなど
まぁねぇ、なんだかんだ言ってもバイクは自己満足の乗り物だと思うのです。・・・って言ったら身も蓋もないでしょうか。
どんなにスタイリッシュなバイクに乗っても、自分がバイクに乗って颯爽と走っている姿は自分では俯瞰できないし。
大概は「このバイクに乗っている自分」を想像しニヤニヤしてから買って乗っているでしょ?(笑)
やれダサいだの古いだの言われても、周りの目や評価に左右される事なくブレずに自分の好きなバイクに乗ればいいんです。
たった一度の人生(バイクライフ)なのだから。