SR400(RH16J)-since 2018-

RH16J

「SRで、あり続ける。」

再び規制によって生産終了を迎えつつも復活してきた七代目にあたるRH16J/B9F型。

こちらは40周年を記念して出されたSRの十八番である40周年モデルで、SRではお馴染みとなるサンバースト塗装と真鍮エンブレムになっています。

40周年モデル

昭和53年に生まれから40年、つまり平成の世を横断して令和になっても存続という偉業を達成した事になります。

最初にこの七代目モデルの変更点を上げると

・キャタライザーの改良

・キャニスターの装着

・電装/灯火系

・新設計マフラー

・新型ECU

などなど平成28年度(ユーロ4)排ガス規制への対応がメインとなっています。見分ける際に分かりやすいのがキャニスターですね。

キャニスター

これは蒸発ガスを大気放出させず吸収するためのもの。

キャニスターについてはトリッカーの方でしたので省きますが、この七代目SR400はセローと同じく2018年10月からのABS義務化に該当しないよう9月に滑り込むようにリリースされたモデルなので最長でも2021年9月までの販売になると思われます。

SR400の規制

要するに2年程度のモデルライフである事がほぼ確定しているわけですね。

だからもしも

「リアがディスクブレーキになるのは嫌だ」

と思ってるのならこのモデルがラストモデルになるのでお急ぎを。

もちろんそう思ってない人にもSRが欲しいなら間違いなく”買い”といえます・・・何故なら規制を逆手に取って激変した部分があるからです。

2018年式RH16J

SRに興味のある方ならこの2018年型に対してこういう意見を耳にした事があると思います。

「新型は音が凄く良い」

これは騒音規制の測定方式が(欧州準拠に)変わったことで実質的に少し緩和された事が理由の一つにあります。

それに伴い七代目SRはマフラーの内部構造が変更され排気口も先代よりも一回り大きくなっています。

2018年式SR400のマフラー

こうして抜けが良いマフラーにした事で音が格段に良くなった・・・という単純な話ではないのがクラフトマンシップ溢れるSRらしいところ。

前モデルにこの新型マフラーを付けたら同じ音になるのかというと残念ながらならないんです。というのも今回のモデルチェンジにおける最も大きい変更点はマフラーだけではなくバイクの脳にあたるECUにあります。

RH16JのECU

今回の排ガス規制ではOBD1(異常を知らせる機能)を装着する必要があり、そのためECUを処理能力の高いモデルに変更する必要があった。

これによりそのままでは入らないほどの大きさとなりレイアウトとシートサイドカバーを相変わらず変わっていない様に変えているんですが、同時にエンジンをこれまで以上に事細かに制御出来る様になったわけです。

そのおかげでこの七代目は中回転域にあったトルクの谷を解消する事が可能になったと同時に、高い演算能力と各種センサーを活用して”意図的な制御”を仕込むことが出来た。

2018年式SR400のエンジン

「僅かに燃料を多く吹いて僅かに点火時期を遅らせる」

という制御です。

燃料が余る状態で点火時期を遅らせるとまだ燃焼中だったり燃焼されず排気されるガスが出てきます。これは暖気中などに近い状態。

そしてそのまま排気されたガスはエキゾースト内で燃焼するんですが、燃焼するということは音や振動が出る。

RH16Jのマフラー

そう、これが良い音の正体なんです。

規制で必須となった高性能なECUを活用する形で『鼓動感』を出している。

「昔のバイクの方が音が良かったな」

という声を聞く事があると思いますが、この七代目は精密な制御によってそんな

『ちょっと燃調がファジーだったキャブ時代』

に限りなく近い音を出す様に出来たんです。

SR400キック

「精密な曖昧さで奏でる鼓動と音色」

これが七代目最大の変更点であり評判を呼んでいる魅力です。

主要諸元
全長/幅/高 2085/750/1100mm
シート高 790mm
車軸距離 1410mm
車体重量 175kg(装)
燃料消費率 29.7km/L
※WMTCモード値
燃料容量 12.0L
エンジン 空冷4サイクルSOHC単気筒
総排気量 399cc
最高出力 24ps/6500rpm
最高トルク 2.9kg-m/3000rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前90/100-18(54S)
後110/90-18(61S)
バッテリー GT4B-5
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
BPR6ES
推奨オイル ヤマハルーブ
プレミアム/スポーツ/スタンダードプラス
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量2.4L
交換時2.0L
フィルター交換時2.1L
スプロケ 前19|後56
チェーン サイズ428|リンク130
車体価格 530,000円(税別)
※40thは+110,000円
系譜図
XT500 1976年
XT500
(1E6)
2H6 1978年
SR400(2H6)
SR500
(2J3)
3X6 1979年
SR400/SP
(3X7/3X6)
SR500SP
(3X4)
34F 1983年
SR400/SP
(34F/34E)
SR500/SP
(34A/33Y)
1JR 1985年
SR400
(1JR/3HT)
SR500
(1JN/3GW)
RH01 2001年
SR400
(RH01J)
RH03 2010年
SR400
(RH03J)
RH16J 2018年
SR400
(RH16J)

【関連車種】
GB250CLUBMANの系譜ST250の系譜ESTRELLAの系譜

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