
「逞しきビッグシングル」
SRをよく知らない人でもひと目で違いがわかるキャストホイールが特徴の二代目SR400SP/3X6とSR500SP/3X4型。
SPというのはキャストホイール仕様という意味なんですが、これまでキャストホイールはカウルと同じく国内では不認可でした。

それが認可されるようになった事で各メーカーともキャストホイールを付加価値として付けるようになり、またそれが流行っていたわけです。
だからヤマハもわざわざSPなんて記号を設けてアピールし、SRもその一環でキャストホイール&ロードタイヤ化で時流に乗った・・・んですが、これが思わぬ不評を買いました。

「なんて事をしてくれたんだ」
とイメージが変わってしまった事を残念がられ販売台数は約1500台まで減少。
+4kgという重量増による軽快感の損失も痛手でした。
コレについては社内からも疑問視する声が出たようで、三年後の82年に『スポークホイール&キャラメルタイヤ』という先祖返りしたSR400/3X7型(400のみ)を限定発売。

待ってましたと言わんばかりの人気でキャストホイールあっさりと抜く3200台を販売。
もうこの頃から今と変わらない立ち位置だったわけですね。
しかし実はこれ、この失敗があったからこそ今のSRがあると言っても過言じゃないなんです。

キャストホイール化によって
「ダサくなってしまった」
とか
「先代が恋しい」
とか言われる様になった事から
「ダサいSRを自分でカッコよくしよう」
という流れが生まれ、スポークホイールを筆頭に初代のようにするカスタムパーツ、BSAに近づけるカスタムパーツ、スクランブラースタイルにするカスタムパーツ。
数々のカスタムメーカーがイメージが変わってしまったSRに困り果てている人をターゲットにした。

結果としてカスタム文化がまだそれほどでもなかった時代に『弄れるバイク』という新しさで評判を呼びました。
カスタムブームの始まり、そして今も続くSRの武器の一つであるカスタムの豊富さはここ。
『流行に乗ってしまった失敗』
が全ての始まりなんです。
主要諸元
全長/幅/高 | 2100/775/1130mm [2105/845/1095mm] |
シート高 | 805mm |
車軸距離 | 1410mm |
車体重量 | 161kg(乾) |
燃料消費率 | 44.0km/L [45.0km/L] ※定地走行テスト値 |
燃料容量 | 12.0L |
エンジン | 空冷4サイクルSOHC単気筒 |
総排気量 | 399cc [499cc] |
最高出力 | 27ps/7000rpm [32ps/6500rpm] |
最高トルク | 3.0kg-m/6500rpm [3.7km-m/5500rpm] |
変速機 | 常時噛合式5速リターン |
タイヤサイズ | 前3.25S19-4PR 後4.00S18-4PR |
バッテリー | YB7L-B |
プラグ ※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価 |
BP6ES |
推奨オイル | – |
オイル容量 ※ゲージ確認を忘れずに |
全容量2.4L 交換時2.0L フィルター交換時2.1L |
スプロケ | 前16|後47 |
チェーン | サイズ530|リンク106 |
車体価格 | 330,000円(税別) [3,000円(税別)] ※[]内はSR500SP |