「プロジェクトM1」
CB750FOURでイケイケだったホンダがグランドツアラーの限界を探るために極秘裏に進めていたプロジェクトの車両。
初代ゴールドウィングであるGL1000が登場する3年前に製作されたモデルで水冷式水平対向六気筒で1470ccです。
実はこのエンジンは元々はこのバイクのために造られた物ではなく、有名な車であるシビックの為に開発された物です。
1973年に厳しい排ガス規制を初めてクリアしたCVCCシビックのエンジンになる予定(案の一つ)だった水平対向四気筒が元ネタ。
ただ最終的にシビックは直四でいくことに決まり、既に開発していた水平対向四気筒が宙ぶらりん状態に。
当時エンジン設計をしていた加藤さん曰くそれを見て
「せっかく造ったのに勿体無い(※別モ415)」
という話になりシリンダーを二つ足して六気筒化しバイクに積んでみたのがこのM1というわけ。
ちなみにこの頃のホンダはまだシャフトドライブを持っていなかったのでドライブトレインはBMWの物をそのまま流用。
だからこれはゴールドウィングのプロトタイプというよりスタディモデルに近いんですが、六気筒案は直六として有名なCBXより前のこの段階から既に検証されていたという事ですね。
シビックとゴールドウィングの意外な繋がりでした。