GOLDWING/TOUR(SC79)-since 2018-

2018年式ゴールドウィング

「二人の感動に一層の輝きと充実を~The Honda Premium Tourer~」

おおよそ10年単位でのフルモデルチェンジという慣例を破り、7年目にしてフルモデルチェンジとなった2018年型GOLDWINGのSC79型。

2018年式ゴールドウィング

このモデルからノーマルグレードがF6Bのようになり、ロングスクリーンとトップボックスまで装着した従来のゴールドウィングはTOURグレードとなりました。

今回のモデルの特徴は48kgの大幅な軽量化が行われた事と、非常にコンパクトになった事。

それに一役買っているのが話題にもなったダブルウィッシュボーン。

ダブルウィッシュボーンフロントサスペンション

サスペンション部と操舵部が別々になっている車のスポーツカーではメジャーな方式。

バイクでもBMWがデュオレバーという同じようなものを採用しています。

どうして従来のテレスコピックではなくダブルウィッシュボーンを採用したのかというと、一つはゴールドウィングの最大の課題である長いエンジンを更に前にやりたかったから。

そうすればフロント重量が増してハンドリングが更に向上する上に居住スペースを増せるから。

2018ゴールドウィングの内部

ところが従来のテレスコピック方式だとコレ以上に前に押しやる事は無理でした。何故ならタイヤがボディに干渉しないようにクリアランスが必要だから。

ゴールドウィングの場合、タイヤの後ろにあるハズのラジエーターを既にサイド化してあり湾曲加工が出来ないエンジンが直ぐ後ろにある。

ストロークの違い

これをダブルウィッシュボーン方式にするとフロントタイヤはほぼ真上に動くので干渉回避の為のクリアランスに余裕ができる。

こうしてエンジンを更に24mm前方へ持ってくる事が可能となり、先代よりも更に前乗りでスポーツできるポジションになっています。

2018年式ゴールドウィングフレーム

これらを実現するためフレームもエンジンも、当然ながら作り直し。

エンジンはVFR1200Fでお馴染みSOHCながらDOHC並の正確さを持つユニカムバルブトレインの採用などで4バルブ化しながらも前後左右全てを短縮しています。

2018年式ゴールドウィングエンジン

ちなみにこの2018年型の開発責任者は先代SC68から引き続き中西さんでしが、この方もともとは四輪の方。

それでも二輪が造りたくて仕方なく二輪に来たんだとか。ダブルウィッシュボーンになったのもソレが関係しているのかもね。

2018ゴールドウィングツアー

それにしても本当に、前にも増してカッコよくなったというか若返り過ぎではなかろうかと思うほどスタイリッシュになりましたね。

これなら40~50代どころか30代が乗っていてもおかしくない。

壁紙

モデルさんまで前にも増してが若返ってるし。それだけ若返りが切迫した課題ということなんでしょうね。

そんな2018年型ゴールドウィングですが、一番紹介したい事というか一番の感動ポイントはダブルウィッシュボーンではなくDCTです。

DCT

第三世代の最新型DCTで七速(クロス気味な1~3速+ワイド気味の4~6速+クルーズ用の7速)な上に、変速ショックはもちろんメカノイズまで徹底して消すために専用ダンパーなどまで装備している豪華版。

実質ATなので靴が汚れる心配も無く、更にシティーユースでも使えるようになった。

でも感動ポイントはそこじゃない。本当に感動したのはこのDCTが後退駆動する方法。

バックギア

赤い矢印の部分がバックギアというかバック用のチェーンです。

これだけじゃ分かりにくいのでもうちょっと簡単に説明すると・・・

バックする仕組み

まず二重になっているメインシャフトのインナー(赤側)の一速を繋いでカウンターに伝える。

と同時にリバースチェーンでエンジンと繋がっていないもう一つのメイン(青側)に”正回転のまま”戻す。

そしてソコからもう一度、アウター(青側)の二速でカウンターに伝えることで通常とは反対方向に回転が出力されるというわけ。

通常が

「逆→正=正回転」

なのに対し

「逆→正→正(チェーン)→逆=逆回転」

でバックを可能にしている。

・・・そう、つまり後退のためだけのシャフトもギアも要らなくなったわけです。

「GL1500(SC22)の系譜」で話した豪腕エンジニア久米社長との課題を30年後の2018年にDCTという方法でクリアしたんです。

ゴールドウィングDCT

つまり

「技術的な問題を凡人が集まり創意工夫することで解決”した”エンジン」

を積んでいる。

これは軽くコンパクトに出来た要素の一つでしかなく、重量でいえば-48kgのうちの僅か1.3kgでしかない。

2018ゴールドウィング

でも

「創意工夫することで解決する」

というホンダの精神を旗艦として示すには十二分なウェイトを持つ要素かと。

主要諸元
全長/幅/高 2475/925/1340mm
[2575/925/1430mm]
{2575/905/1430mm}
シート高 745mm
車軸距離 1695mm
車体重量 365kg(装)
[379kg(装)]
{383kg(装)}
燃料消費率 17.7km/L
[18.2km/L]
※WMTCモード値
燃料容量 21L
エンジン 水冷4サイクルOHC水平対向6気筒
総排気量 1832cc
最高出力 126ps/5500rpm
最高トルク 17.3kg-m/4500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
{電子式7段変速DCT}
タイヤサイズ 前130/70R18(63H)
後200/55R16(77H)
バッテリー GYZ20L
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
R6HSB-9
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(SAE10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量4.4L
交換時3.5L
フィルター交換時3.7L
スプロケ
チェーン
車体価格 2,530,000円(税別)
[2,740,000円(税別)]
{3,070,000円(税別)}
※[]内はツアー
※{}内はツアーDCT
系譜図
M11972年
M1
(A0K)
GL1000GW1974年
GL1000
GOLDWING
(GL1)
GOLDWING12001980年
GL1100
GOLDWING
(SC02)
GL1200

1984年
GL1200
GOLDWING
(SC14)

GOLDWING-SE1988年
GL1500
GOLDWING
(SC22)
GOLDWING-SE1996年
VALKYRIE/TOURER
(SC34)
SC472001年
GL1800
GOLDWING
(SC47)
SC472004年
VALKYRIE RUNE
/NRX1800
(SC53)
SC682011年
GL1800
GOLDWING
(SC68)
F6C2014年
GOLDWING
F6B/F6C
(SC68)
20182018年
GOLDWING/TOUR
(SC79)

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