「Urban Sport Style」
サスセッティングとマッピング見直しによる低域レスポンスの改善が行われたJBK-MC33の後期・・・いや後期って分かりやすくするために勝手に言ってるだけですけどね。
ブラックアウト化されたエンジンが特徴的なんですが、それよりも重要なのがハーフカウルを纏ったVTR-Fが追加というか復活したこと。
これが出た時ちょっと話題になりましたけど、初代のVT250Fが話題になることはありませんでしたね。
この系譜を辿ってもらうと分かるようにVTの始まりはこのメーターバイザーならぬビキニカウルが始まりなので、何も不思議ではない話。
そしてこのモデルがVTシリーズのラストモデルとなったわけで・・・初代に通ずるモデルで最後を迎えたと思うとセンチメンタルな気分になりますね。
厳密に言うと2014年のラジアルタイヤ化がラストモデルとなるわけですが、ラジアルタイヤに変更した理由がこれまた面白い。
なんでラジアルタイヤにしたのかっていうと、スポーツ走行への対応はもちろんなんですが、低扁平化で足付きを更に良くするため。
もう十分だろうと思うシート高から更に15mm下げられて740mmという低さになりました。
もちろんラジアル化によるグリップ力の上昇に合わせてブレーキやサスペンション、果てはギア比まで見直す細かい改良も加えられています。
ところでVTRっていうと
「バイク便御用達バイク」
っていうイメージを持っている人が多いと思います。そして何故かこれを悪いイメージと捉えてる人が多い。
何故バイク便の人たちの多くがVTRを買うか考えた事があるでしょうか。
「取り回しが優れているから」
「振動が少ないVツインだから」
「燃費が良いから」
「頑丈だから」
色々あります・・・
が、結局これらを纏めると一つなんです。
「最も贅沢な250ccだから」
という事です。
ブームだったからこそ許された専用設計エンジンを積んでます。
ブームとは無縁になったから許されたオーダーメイドスーツの様なトラスフレームを持っています。
大量に売れるからこそ許される心臓と、大量に売れないからこそ許される骨格。VTRはその両方を持っているんです。
これは長い歴史を持っているからこそ出来た芸当であり、造れたバイク。
もう二度とこんな贅沢な250は出ないでしょうね。
※2017年をもって生産終了
主要諸元
全長/幅/高 | 2080/725/1055<1045>mm [2080/725/1115mm] |
シート高 | 760mm {755<745>mm} |
車軸距離 | 1405mm |
車体重量 | 161kg (装) [164kg (装)] {160kg(装)} |
燃料消費率 | 40.0km/L ※定地走行テスト値 |
燃料容量 | 12L |
エンジン | 水冷4サイクルDOHC2気筒 |
総排気量 | 249cc |
最高出力 | 30ps/10500rpm |
最高トルク | 2.2kg-m/8500rpm |
変速機 | 常時噛合式5速リターン |
タイヤサイズ | 前110/70-17(54H) 後140/70-17(66H) {前110/70-17(54H) 後140/60-17(63H)} |
バッテリー | YTZ7S |
プラグ ※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価 |
CR8EH9 または U24FER9 |
推奨オイル | ウルトラG1(10W-30) |
オイル容量 | 全容量2.4L 交換時1.9L フィルター交換時2.1L |
スプロケ | 前14|後41 |
チェーン | サイズ520|リンク104 |
車体価格 | 540,000円(税別) [560,000円(税別)] {554,000円(税別)} <564,000円(税別)> ※[]内はVTR-F ※{}内は14年7月以降モデル ※<>内はType LD(Low Down) |