「The Scooter. Dio」
五代目ディオ・・・と言っていいのか少し微妙な立ち位置にあるAF62型。
というのもDIOはこれまで新型が出ても旧型をしばらく併売させる形を取るのが一般的だったのですが、先に紹介したスマートディオとこの新生ディオはずっと併売されていたから。
どうしてそうなったのかというとスマートディオは熊本産なのに対して、このセクシーテールのディオはホンダが中国現地のメーカーと合併する形で2001年に設立した新大洲本田(Sundiro Honda)で生産しているモデルだから。
一応ホンダとしては
・最新設計のリッチなAF56~63
・コストパフォーマンスのAF62
という展開。
だからスポーツバージョンのZ4もスマートディオだけでコッチは無印モデルのみ。
ちなみにぶっちゃげると中身はトゥデイとほぼ同じなんですが、1988年に登場した初代より9000円も安い119,000円というとんでもない安さとはいえ
・22Lメットイン
・コンビブレーキ
・シートオープナー機能付きキーシリンダー
などスクーターとしての基本は抑えていました。
2007年には排ガス規制に伴いキャブからスマートディオと同じくFI化されたAF68へとモデルチェンジ。
さらに2011年には排ガス規制に対応するためエンジンが見直されるマイナーチェンジがされAF68後期に。
ちなみに懲りない蛇足ですが中国ではこれとは別にもう一つ別のディオというか従姉妹の様な存在がいました。
DD50という台湾のSYMが造っていた原付で中身が縦型エンジン時代のスーパーディオつまり先々々代がベース。
これはパクってるわけではなくホンダの技術提供によって作られたスクーターだから。つまりSYM版ディオといえるモデルで2007年まで販売されていました。
さてさて・・・そんなディオなんですが残念な事にこの代(2013年モデル)が50ccとしては最後。
三ない運動を発端としたイメージの悪化や駐禁などによる原付市場の低迷が原因・・・と簡単に片付ける事も出来るんですが2010年代も厳しい状況なりにズーマーやダンクなどがヒットしていたのを見るに
「こういうデザインが若者にはもうウケない」
という事が少なからずあったかと。
ホンダの原付市場分析でも今の若者は”カッコイイ”とか”速そう”という要素ではなく
「目立たず街に溶け込む機能的なハイブランド」
を好む傾向があるんだとか。
若者の為に生まれ、若者から支持され、若者と共に歩み続けていたクラスを代表する歴史あるディオが50ccの世界から姿を消したのはそういう背景があったからでしょう。少し厳しい言い方かもしれませんが。
ただ完全に消えたかというとそうとも言い切れない部分もあります。
ホンダとヤマハが原付一種事業で提携したのが記憶に新しいかと思いますが、それにより誕生したのがホンダ製のジョグ。
ホンダがジョグを造るなんて今でも嘘じゃないのかと思える話なんですが、よく見るとボディは確かにジョグだけど顔は・・・これディオでは。
永遠のライバルだったディオとジョグがまさかの融合というオチ。
悟空とベジータが融合してゴジータ誕生的な。
主要諸元
全長/幅/高 | 1720/630/1020mm {1720/650/1020mm} |
シート高 | 695mm |
車軸距離 | 1180mm |
車体重量 | 77kg(装) [81kg(装)] {81kg(装)} |
燃料消費率 | 65.0km/L [73.0km/L] {73.0km/L} ※定地走行テスト値 |
燃料容量 | 5.0L [4.6L] {4.6L} |
エンジン | 空冷4サイクルOHC単気筒 |
総排気量 | 49cc |
最高出力 | 4.1ps/8000rpm [4.1ps/8250rpm] {3.8ps/8250rpm} |
最高トルク | 0.38kg-m/6500rpm [0.38kg-m/7500rpm] {0.38kg-m/7000rpm} |
変速機 | 無段階変速機(Vマチック) |
タイヤサイズ | 前後80/100-10-46J |
バッテリー | GTH4L-BS または YTX4L-BS |
プラグ ※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価 |
CR7HSA-9 |
推奨オイル | Honda純正ウルトラE1 |
オイル容量 ※ゲージ確認を忘れずに |
全容量0.8L 交換時0.7L |
Vベルト | 23100-GFC-890 |
車体価格 | 119,000円(税別) [147,000円](税別) {147,000円}(税別) ※[]内はAF68 ※{}内はAF68後期 |