G'(AF23)-since 1989-

AF23

「いちばん乗りは、誰だ。」

ディオには派生モデルが色々あるんですが、その中でも紹介しておきたいのがディオが生まれた翌年に登場したこのG’(ジーダッシュ)/AF23型。

先に紹介した初代ディオで話した通りメットイン機能が原付スクーターにとっては必要不可欠な時代になったわけですが、それにも関わらずこのG’は鬼のメットインレスでキャリアやインナーラックすら備えていない。

Gダッシュのアクセサリー

「欲しいなら自分で付けろ」

という時代にあるまじき割り切り。

じゃあメットイン等の利便性を捨ててまで何を取ったのかというと”走り”です。

例えばエンジンはディオと同じかと思いきや超ハイギヤードの専用チューニングが施された上にハイパーマフラーなどの専用部品まで装備。

車体の方も固めの油圧サスにホイールベースもホンダとしては非常に短い1140mmでクイック。そして燃費悪いのにタンク容量も僅か3.5Lしか確保されていないから軽い。

Gダッシュの構造

「なにを思ってホンダはこんな原付を」

という話ですが、これはレースが関係しています。

80年代後半になるとレーサーレプリカブームが起こり各地方のサーキットで熱戦が繰り広げられていたんですが、素人が50万円も60万円もする上にとても手に負えない性能だった250や400でレースをするのは人生を捧げない限り難しい面が少なからずあった。

そこで代わりに人気となったのが負担の少ないNSR50などのミニバイクレース。しかしこれも50といえどオートバイというかレーサーレプリカなのでそれなりにお金が掛かる。

「もっと誰でも参加できるポピュラーなバイクはないのか」

という事で始まり人気が高まっていったのがスクーターレース。他のクラスと同じ様に無改造クラスやら無差別クラスやらで盛り上がっていました。

もうわかりますよね・・・そう。

Gダッシュ/AF23

明らかに実用性を考慮しておらず他の原付スクーターより速いG’はスクーターレースの為に造られた意味合いが強い原付なんです。

何故ホンダはそうまでしてこれを造ったのかといえばそれもレーサーレプリカと同じ。

「DJ-1やDIOより速いスクーターが居たから」

です。

Gダッシュのカタログ

G’は潔すぎる割り切り設計で頭一つ抜きん出た速さを持っていたためスクーターレース界隈から称賛されたというか

「G’じゃないと勝てない」

という事態にまでなり、スクーターレースはG’のワンメイク状態に陥りました。

主要諸元
全長/幅/高 1585/650/1005mm
シート高 715mm
車軸距離 1140mm
車体重量 63kg(装)
燃料消費率 50.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 3.6L
エンジン 空冷2サイクル単気筒
総排気量 49cc
最高出力 6.8ps/7000rpm
最高トルク 0.73kg-m/6500rpm
変速機 無段階変速機(Vマチック)
タイヤサイズ 前後80/90-10(34J)
バッテリー YT4L-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
BR8HS
推奨オイル ウルトラ2スーパー
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
0.8L
Vベルト 23100-GR1-753
車体価格 143,000円
系譜図
DJ-11985年
DJ-1/R/L/RR
(AF12/AF19)
AF181988年
DIO/SR
(AF18/AF25)
Gダッシュ1989年
G’
(AF23)
AF271990年
DIO/SR/ZX
(AF27/28)
AF341994年
DIO/SR/ZX/J/S
(AF34/AF35)
AF562001年
DIO/Z4/DX
(AF56/AF57/AF63)
AF622003年
DIO
(AF62/AF68)
JF312011年
DIO110
(JF31)
JF582015年
DIO
(JF58)

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