「4stという先端。」
4stへの大転換となった四代目ディオことスマートディオのAF56/AF57型。
カタログにはモーニング娘が起用されていました。
マルチリフレクターヘッドライトが特徴的なモデルですがグレードとしては
・ノーヘルのディオ/AF56
・アイドリングストップとディスクブレーキのDX/AF57
・スポーツタイプのZ4/AF57(翌02年から)
の3タイプでZXは4st化という事で名前がZ4(ズィーフォー)に改名。ちなみに今回はパワーユニットも同じ。
まだまだ2stが売れる時代にも関わらず4stに切り替えという永遠のライバルだったジョグとは別の道を歩み始めたディオなんですが、これがまたとってもバブリー。
例えばクレアスクーピーからの流れで採用された次世代4stエンジンなんですが初っ端にして水冷エンジン。
しかも徹底的なコンパクトモジュール化されたもの。
今にして思えばホンダが開発したeSPエンジンの基礎はここにあったと言えるでしょうね。
でもそれだけではなくもう一つ驚きなのがフレームで、2ピースのアルミダイキャストになっています。
50ccのそれもスクーターでこれほど豪華なフレームってそうそうない。
アルミにした理由について公式では
「従来の鋼管&鋼板よりも部品点数や溶接が少なく環境に優しいから」
との事でしたが4st化に伴う重量増を少しでも解消する狙いも少なからずあったかと。実際これのおかげで車重は2st時代からわずか+3kgしか増加してないわけですから。
そんなもんだから一部のカスタム好きにオリジナル原付のフレームとして人気っていう要らぬ需要まで生んでしまう始末。
そんなスマートディオで紹介しておかないといけないのがこれ。
『Z4 阪神タイガーススペシャル』
ご存知あの阪神タイガースカラーを纏ったZ4で僅か120台限定。しかも驚きのお値段据え置き。
これは開幕から絶好調で有頂天だった阪神ファンがホンダモーターサイクルジャパン(販社)大阪支部に要望し、それをホンダが引き受けて製作したもの。
なにが恐ろしいのがこれ優勝記念車じゃない事。8/30発売という企画から製品化までの日数を考慮すると見切り発車もいいとこの販売だったんです。
しかもホンダは野球部持ってるとはいえ阪神とは縁もゆかりも・・・どちらかというとカワサキ(本社:神戸)じゃないのかっていう。
2004年にはZ4のみクラス世界初となるFI(電子制御燃料噴射装置)を採用するモデルチェンジが入りAF63型となりました。
FI化により始動性と燃費が更に向上したんですが、更に嬉しいのがバッテリーが力尽きていてもキックで始動出来るよう配慮されていること。
センサー類を徹底的に統合することで部品点数を減らし、さらに高性能ECUや燃料ポンプを小型&省電力化することで必要な電力を削減。
そしてキック始動時に灯火系やバッテリーへの回路を遮断し、プラグと燃料ポンプとFIにのみ電力を供給するようにした事で僅か0.2秒のキック時の発電でも安定始動できる様にした事で可能にしているというわけ。
まあこれはスーパーカブなど他の原付にも付いてる機能。それより見て欲しいZ4だけの凄い部分はエンジン。
たった0.3馬力上げるためだけに直径38mmしかないエンジンを4バルブ化したんです。もうミニチュアの世界ですよね。
もちろん50ccスクーターとしては世界初。
主要諸元
全長/幅/高 | 1710/620/1010mm [1710/630/1010mm] |
シート高 | 710mm |
車軸距離 | 1190mm |
車体重量 | 76kg(装) [77kg(装)] {81kg(装)} |
燃料消費率 | 75.0km/L {80.0km/L} ※定地走行テスト値 |
燃料容量 | 5.0L {4.8L} |
エンジン | 水冷4サイクル単気筒 |
総排気量 | 49cc |
最高出力 | 5.0ps/8000rpm {5.3ps/8000rpm} |
最高トルク | 0.47kg-m/7000rpm {0.49kg-m/7500rpm} |
変速機 | 無段階変速機(Vマチック) |
タイヤサイズ | 前後90/90-10-50J |
バッテリー | YTZ7S |
プラグ ※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価 |
CR8EH-9 {ER8EH-N} |
推奨オイル | Honda純正ウルトラG1 |
オイル容量 ※ゲージ確認を忘れずに |
全容量0.7L 交換時0.6L |
Vベルト | 23100-GET-003 |
車体価格 | 159,000円 [179,000円] {199,000円} ※[]内はDX ※{}内はAF63 |