「My Personal Comfortable Mover」
コンパクトでフォルツァより安価というフォルツァとは少し違うタイプのビッグスクーターとして登場したFAZE。
基本はフォルツァですがコンパクトなフレームに搭載した軽量スポーツビッグスクーター。
後半のシートフレームを絞ることでコンパクト化してるわけですね。
クラス最軽量の180kgということで当然ながらフォルツァよりキビキビ走る。
フェイズはコンパクトな250ccスクーターを求める層に対する商品だったと思うのですが、デザインのせいか値段のせいかサイズのせいか分かりませんがあまりウケが良くなかったようで販売台数も伸びず、生産終了予定との事。
半年後にはフォルツァZに積まれているSマチックEvoを搭載したSモデルも発売となりました。
さて、ちょっと書くことも無いのでまたまた少し話がソレますが、ここでビッグスクーターのジレンマについて少し。
意外に思う方が居るかもしれませんがビッグスクーターというのは一般的なオートバイに比べスペースが非常に限られています。スペースとの戦いが全てと言っていいほどなレベル。
何故ならばビッグスクーターの場合は普通のオートバイと違い「シート下の収納スペース」が必須だからです。
ここでもう一度スクーターの構造を見てみましょう。エンジンは基本的に駆動まで一体となったスイングユニット式が一般的です。
これはフォルツァもマジェスティもスカイウェイブも一緒です。
違うのはTMAXとかインテグラとかの大型ビッグスクーターくらい。シルバーウィング400もちょっと違いますね。でもスクーターと言えば基本はこの形。何度も言いますが何故ならメットインスペースを稼げるからです。
ではフォルツァを例に取ってどういう感じになっているか説明すると。
こういう感じです。(我ながらやっつけだなー)
わかりますかね。足元には燃料タンク、シート下はメットインスペース、そして間に駆動系とあるわけです。
さてさて、ではここで
「メットインのスペースをもっと大容量にしよう!」
と思ったらどうしましょう?
もうシートを更に高くするしか無いですよね。
でもそうするとただでさえ悪い足付きが更に悪くなります。こんなの足届きません。幅もあるぶんオフ車も顔真っ青な高さ。
じゃあ逆に
「足付きを良くしよう!」
と思ったら?
シートを低くするしかないですね。
ただそうするとメットインスペースが無くなってしまう。フュージョンやマグザムのメットインスペースが少ないのもこのせい。
他にも例えばタイヤは安定性を増すためにも本当はもっと大きいのを履かせたいとメーカーは思ってるはずです。みなさんもビッグスクーターって車格の割にはタイヤが小さいと思いませんか。
でもこのレイアウトで大径タイヤ履かせたら小径ホイールで何とかしていた(メットインスペースを稼ぐための)足つきの悪さが顕著に現れてしまう。更にはリアタイヤに至ってはメットインスペースを圧迫してしまう。
基本的にメットインスペースと足つき性を確保したまま大径タイヤをつけようとした場合、方法は一つしか有りません。
街中でたまに見かけたりしますよね。ロンスイというかロンホイというか。あれも実は非常に理に適った方法だったり・・・いや理に適ってるっていうのはちょっと違うか。保安基準で言えばアウトだろうし。フェンダー付けて申請すればOKなのかもしれないけど。
まあとにかく何が言いたいかというと、ビッグスクーターというのはメットインスペースに笑い、メットインスペースに泣いているんです。
因果なものですねえ。
主要諸元
全長/幅/高 | 2180/750/1150mm |
シート高 | 755mm |
車軸距離 | 1540mm |
車体重量 | 180kg(装) [185kg(装)] |
燃料消費率 | 41.0km/L [43.0km/L] ※定地走行テスト値 |
燃料容量 | 12L |
エンジン | 水冷4サイクルOHC単気筒 |
総排気量 | 249cc |
最高出力 | 23ps/7500rpm |
最高トルク | 2.3kg-m/6000rpm |
変速機 | Vマチック [MTモード付きVマチック] |
タイヤサイズ | 前110/90-13(55P) 後140/70-13(61P) |
バッテリー | FTZ12S または YTZ12S |
プラグ ※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価 |
LMAR8A9 |
推奨オイル | Honda純正ウルトラE1(10W-30) |
オイル容量 ※ゲージ確認を忘れずに |
全容量1.7L 交換時1.3L フィルター交換時1.4L |
スプロケ | – |
Vベルト | 23100-KVZ-631 |
車体価格 | 550,000円(税別) [605,000円(税別)] ※[]内はType-S ※ABSは+3kg&50,000円 |
メットインスペースを確保して足つき性を確保、さらには大径タイヤを装着しようとしたら・・・・
あらビックリ、ジェンマの出来上がり。
やっぱスズキはスゲェな(笑)。