「NEW STYLISH SPORT」
初代と全く同じコンセプトで登場した六代目フォルツァのMF13型。
ビッグスクーターブームが完全に去った今になって何故こんなモデルを出したのか疑問に思いますが理由は主に二つ。
・グローバルモデル(海外向け300)になったこと
・FORZA125が欧州で好調なこと
です。
見た目からも分かる通り小排気量ながら郊外から市街地まで幅広くカバーできる事で評価されてるフルスペック125のFORZA125をそのまま250にスライドした形で相変わらず装備も豪華。
・電動スクリーン
・フルLED灯火
・ABS&トラコン
・スマートキー
・グリップヒーター
などなど最新の大型ツアラーかと思うような装備の数々。遂にトラコンがビッグスクーターにも採用されるとは。
メーター周りも凄くお金がかかっています。
更に中身の方もフルスペック化に合わせて大きく変わりました。
新設計となったフレームは実質的な先代にあたるSiと比較すると分かるのですが、アンダーボーン部を太くして剛性を上げてキビキビ系にしている意図が見て取れます。
一見すると重くなってるように感じるのですが、こう見えて20%の減量に成功。
エンジンの方も冷却周りを大きく変えてコンパクト化し、合わせて静寂性も向上させたもの。
オフセットシリンダーやローラーロッカーアームなどは先代から引き続き採用。
簡単に言うとPCX等に積まれているeSPエンジンの250cc版ですね。ただSiから馬力が1ps上がっています。
纏めるとMF13型は先代から大幅なダイエット(8kg減)をしている事やハンドル位置が少し下げられた事からも分かる通りスポーツ性に舵を切ったモデルとなりました。
少し小言を言わせてもらうとフォルツァといえば2000年代半ばに起こったビッグスクーターブームの代表格で一時期は年間2万台以上も売れた車種です。
それに対しこのMF13型は初年度で約2400台と1/10程度・・・しかしブームが去ったジャンルでこの台数はかなり多い。
これはストリートカスタムという本来とは違う方向でブームによりボヤけてしまっていたコンセプトが落ち着いた事で鮮明に見えるようになったからではないかと。
もともと90年代末に誕生したビッグスクーターの本来のコンセプトは
『スポーツサルーンのバイク版』
で、そしてそれが受け入れられたからヒットした。
つまりブームが去ったいまMF13が売れているのはその本来あるべきコンセプトに習ったビッグスクーターだから。
「良識ある大人の為のスポーツサルーン」
という本来の立ち位置を20年の歳月の後にやっと手に入れたフォルツァのMF13型。
決して安くないコレを欲しいと思ってる人、そして実際に買って乗ってる人こそ本来のビッグスクーター層なんでしょうね。
主要諸元
全長/幅/高 | 2140/750/1355mm |
シート高 | 780mm |
車軸距離 | 1510mm |
車体重量 | 184kg(装) |
燃料消費率 | 33.3km/L ※WMTCモード値 |
燃料容量 | 11L |
エンジン | 水冷4サイクルOHC単気筒 |
総排気量 | 248cc |
最高出力 | 24ps/7500rpm |
最高トルク | 2.4kg-m/6250rpm |
変速機 | Vマチック |
タイヤサイズ | 前120/70-15(56P) 後140/70-14(62P) |
バッテリー | FTZ10S または YTZ10 |
プラグ ※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価 |
LMAR8A-9 |
推奨オイル | Honda純正ウルトラE1(10W-30) |
オイル容量 ※ゲージ確認を忘れずに |
全容量1.7L 交換時1.2L フィルター交換時1.4L |
スプロケ | – |
Vベルト | – |
車体価格 | 599,000円(税別) |