「New Trad Forme」
CBX250RSの登場から8ヶ月の同年末に登場したGB250CLUBMAN。
復刻してほしいバイクのTOP10に選ばれるほど今も名前が上がるほどの人気があるモデルですが、GB250はホンダのエンジニア達が
「自分たち(オッサン)が乗っても恥ずかしくないバイクを」
というのが始まり。
モチーフになっているのはマチレスといった60年代のブリティッシュスポーツやCBの始祖であるCB92/72だけど、厳格な物は無く60年代のレーサーの姿がデザインコンセプト。
「じゃあなんで”CB”ではなく”GB”なんだ」
という話ですが最初はドリームやCBという名前を付ける予定だった。しかしその名はホンダのフラッグシップという意味なのでイメージに合わないためGBという名前になった。
じゃあなんでGなのかというと
「削れるデカールなのでCが良いなら削ってください」
と言っていた辺り、Cにも近いアルファベットがGだったからという理由かと・・・冗談の様な話ですが。
つまりレース発祥の地であるグレートブリテンからと言われている(このサイトでも言っていた)のは後付な理由。関連:CBの語源|バイク豆知識
ちなみにクラブマンの方は、開発中のGB250が気になって仕方なかった上司から
「なんかクラブマンっぽいな」
と言われた事がキッカケ。
CLUBMAN(クラブマン)というのは1950年代頃から行われていたレース車両(俗に言うカフェレーサー)という意味。本当はアマチュアレーサーという意味なんだけどね。
中身の方は基本的にCBX250RSと同じ。ただ”良い排気音”と”心地よい振動”を出すためにセッティングとマフラーが見直されています。
しかしGB250で一番力が注がれてる部分は見て分かる通り一文字ハンドルを始めとしたデザインです。
ネジの一本から各部のメッキに至るまで綿密に練られているわけです・・・が、社内では
「今どきこんな古いバイク作ってどうすんだ」
といろいろ言われ続けた。
そう言われるのも無理もない話、当時はレーサーレプリカ全盛期だったわけですから。
実際のところ当人(岩瀬さん)も本当に売れるのか不安だったよう。
しかしそんな不安が確信に変わる出来事がありました。
ある程度カタチにした所で認可を得るために試験場へ持っていた所、数々のバイクを見てきた年配の試験官がGB250を見た瞬間に飛びつき
「これなら俺にも乗れるよ」
と喜びながら言ったんです。正にコンセプト通りの反応。
更に反対意見の多かった社内でも
「何故キックではセルなんだ」
「キャブトンマフラーにしろ」
といった関心のある声が増えていった・・・ただし、見て分かる通りGB250はそんな周囲の声をあまり聞かず比較的質素に作ってあります。
何故ならGB250は昔を知るベテランだけでなく若者へ向けたバイクでもあったから。車体価格を抑える事も大事だったんです。
だから”本当はコレも付けたいな”といったパーツの多くをOPにした。そのおかげで車体価格はCBX250RSから僅か1万円高の379,000円。
ただし、質素にした理由はもう一つあります。
それは
「ユーザーの手で理想のカタチにして欲しい」
という思いから。
レプリカブームに逆行する形で登場したGB250CLUBMANでしたが、そんな開発者の思いが多くの人に伝わった事で年次改良のみで大きく形を変えること無く、1983年から1996年までの13年間販売されたロングセラー車となりました。
ホンダの空冷シングルスポーツとして有終の美を飾るに相応しいバイクでしたね。
主要諸元
全長/幅/高 | 2015/640/1035mm <{2015/630/1035mm}> [2090/685/1035mm] |
シート高 | 780mm [<{755mm}>] |
車軸距離 | 1360mm [1355mm] |
車体重量 | 145kg(装) <{143kg(装)}> [146kg(装)] |
燃料消費率 | 58.0km/L [52.2km/L] ※定地走行テスト値 |
燃料容量 | 17L [<{15L}>] |
エンジン | 空冷4ストロークDOHC単気筒 |
総排気量 | 249cc |
最高出力 | 30ps/9500rpm [<{[30ps/9000rpm}>] |
最高トルク | 2.4kg-m/8000rpm [<{2.5kg-m/7500rpm}>] |
変速機 | 常時噛合式6速リターン |
タイヤサイズ | 前90/90-18(51S) 後110/90-18(61S) |
バッテリー | FB9-B {FB9-B} [<FTX9-BS>] |
プラグ ※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価 |
DPR7EA-9/DPR8EA-9/DPR9EA-9 または X22EPR-U9/X24EPR-U9/X27EPR-U9 |
推奨オイル | Honda純正ウルトラG1(10W-30) |
オイル容量 ※ゲージ確認を忘れずに |
全容量1.8L 交換時1.5L フィルター交換時1.55L |
スプロケ | 前14|後38 |
チェーン | サイズ520|リンク102 |
車体価格 | 379,000円(税別) {379,000円(税別)} <385,000円(税別)> [448,000円(税別)] ※{}内は87年以降モデル ※<>内は88年以降モデル ※[]内は95年以降モデル |