「遊び心をかきたてる、粋なバイク」
恐らく多くの人がモンキーといえばコレだと思うであろうZ50Jz-I型。
この代までが6V電装な事から
『6Vモンキー』
と呼ばれています。
特徴は何と言ってもティアドロップ型5Lガソリンタンクに大きいシートなど、それまでのトレール系からアメリカン系へとイメージチェンジされた事。
他にもシートやキャリア、マフラーガード、ウインカー、ヘッドライト等などほぼ全面的に見直されています。
ちなみになんでアメリカンにしたのかというと当時の日本がアメリカンブームだったから。
それにあやかる形のモデルチェンジだったんですが奇跡の様なバランスでモンキーにベストマッチ。アメリカンという事でカスタムの幅も大きく広げる事となり非常に人気が出ました。
勢いが出たことでこの代では様々な亜種と呼べるモデルが誕生しました。
『モンキーR/A-AB22』
1987年に登場したツインチューブフレームにセパハンにテレスコサスとチューブレスタイヤとかなりの本格的な車体に加え、専用チューニングされた4.5馬力エンジンを搭載している最速モンキー。
こちらはアップライトのハンドルとフェンダーを備えたRTモデル。
さぞや人気が出ただろうと思いますが、実はこれ全く売れませんでした。原因は同時期に通称Nチビでお馴染み7.2馬力もある本気の2st原付スポーツNSR50が出たから。
そのせいかモンキーの中でもかなりのプレミア物。
そして忘れてはいけないのが6Vモンキー登場と同時に出たこれ。
『GORILLA』
ですね。
逞しい9Lも入る大型タンクに加えて前後キャリーを装備。更にはマニュアルクラッチまで搭載装備とモンキーを更に自走寄りにしたモデル。
自走傾向が強い事もあってかゴリラは非常に人気となり、1988年までモンキーと併売される事になりました。
話をモンキーに戻すと、この代からは様々な派生モデルに負けないようモンキー自身も限定モデルが登場した事でも有名ですね。
その記念すべき第一弾となるのが発売翌年1979年に出た初代シルバーモンキーことモンキーLTD。
普通ならドン引きされるようなほぼ全てが銀メッキのモンキー・・・価格は標準の3万円高の13万円。
シリーズ初となる4MTを採用したハンドクラッチ版に至っては3万8千円高だったにも関わらず大ウケしあっという間に完売。今や幻扱いを受けるほどです。
非常に好評だった事から1981年には再び銀メッキの『東京リミテッドモンキー』を販売。
そして遂には1984年に発売されたこれ。
『ゴールドモンキー』
全身金メッキのド派手なモンキー。
見た目だけでなく2.6馬力から3.1馬力に上げられた新型エンジン(A-Z50J型/通称Gクランク)の先行タイプでもあり、お値段139,000円。
関東やショップ限定だった銀メッキモンキーとは違い、初の全国販売モデルで5000台限定が即完売。
今もプレミアが付いていますが実はこれ日本より海外の方がプレミア価値があったりするそう。
更に3.1馬力モデル(A-Z50J型)以降も88年にはホワイト基調の限定モデル。
『ホワイトモンキー』
を発売。
そして90年には反対にブラックで統一した
『ブラックモンキー』
などが登場しました。
主要諸元
全長/幅/高 | 1,340/600/845[850]mm |
シート高 | 不明 |
車軸距離 | 895mm |
車体重量 | 63kg(装) |
燃料消費率 | 65km/L ※定地走行テスト |
燃料容量 | 4.0L |
エンジン | 空冷4ストローク SOHC2バルブ単気筒 |
総排気量 | 49cc |
最高出力 | 2.6ps/7000rpm [3.1ps/7500rpm] |
最高トルク | 0.3kgf-m/5000rpm [0.32kgf-m/6000rpm] |
変速機 | 常時噛合式3速リターン 常時噛合式4速リターン(MT) [常時噛合式4速リターン] |
タイヤサイズ | 前3.50-8 2PR|後3.50-8 2PR |
バッテリー | 6N2A-2C [6N2A-2C-4] {6N2A-2C-4} |
プラグ ※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価 |
C5HA/U16FS-L [C5HSA/C6HSA] {CR6HSA} |
オイル容量 ※ゲージ確認を忘れずに |
規定量0.8L |
スプロケ | 前12|後37 {前12/後31} |
チェーン | サイズ420|リンク76 |
車体価格 | 79,000円(税別) ※74年モデル [119,000円(税別)] ※[]内は85以降モデル ※{}内は88以降モデル |