「キング・オブ・ランドスポーツ」
2年ほど遡って紹介となるXLV750R/RD01型。
先に話したようにフランスホンダはパリダカにおいて連敗続きでした。
そこで
「二気筒勢に対抗できるバイクが欲しい」
オブラートに包まずストレートに言うと
「BMW(R100GS)に勝てるバイクを造れ」
という要望というより悲痛な叫びが日本のホンダ、そしてHRCに届いたわけです。
その声に応えるべきだとして目をつけられたのが、ハイスピードデュアルパーパスとして発売されていた狭角VツインのXLV750R。
ベースとなっているのはクルーザーのNV750Customです。
XLの頃に書きそびれたんですがこのシリーズはフレーム内にオイルを溜めることで、フレームにヒートシンクの役割も持たせる面白い構造を持っています。
だからオイル温度が上がるとモロに熱さが伝わるとか何とか。
そしてこのXLV750Rは更に面白いことに水冷だったのをわざわざ空冷に戻すという先祖返りの様なことをしています。
これは水冷だとダート走行時にラジエーターが詰まってしまう恐れがあったから。
ちなみに世界限定1000台で日本へは300台が割り当てられました。
当初はこのXLV750Rをベースにパリダカマシンを造る予定だったのですが、リア側のシリンダーの放熱問題などにより参戦は見送りに。
販売時期も台数も少ない上に色形が独特なので色物XL的なイメージを抱きがちですが、このバイクから偉大なレーサーが二台も誕生する事になります。
主要諸元
全長/幅/高 | 2235/890/1230mm |
シート高 | 835mm |
車軸距離 | 1480mm |
車体重量 | 213kg(装) |
燃料消費率 | 35.0km/L ※定地走行燃費 |
燃料容量 | 19.4L |
エンジン | 空冷4サイクルSOHC二気筒 |
総排気量 | 749cc |
最高出力 | 55ps/7000rpm |
最高トルク | 6.0kg-m/5500rpm |
変速機 | 常時噛合式5速リターン |
タイヤサイズ | 前90/90-21(54S) 後130/80-17(65S) |
バッテリー | FB14-A2 |
プラグ ※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価 |
DPR8EA-9/DPR9EA-9 または X24EPR-U9/X27EPR-U9 |
推奨オイル | Honda純正ウルトラG1 |
オイル容量 ※ゲージ確認を忘れずに |
全容量3.5L ※交換時3.0L エンジン側1.5L フレーム側1.5L |
スプロケ | – |
チェーン | – |
車体価格 | 750,000円(税別) |