「Sport Multi Tool Bike」
一年遅れで登場した派生モデルのMT-09TRACER/2SC型。
MT-09と比較して
・燃料タンクの容量アップ(14L→18L)
・アドベンチャー向けに調整された出力特性
・専用セッティングされた前後サスペンション
・調節機能付きワイドハンドル
・レイヤードカウル
・LEDヘッドライト
・高さ調整機能付きのスクリーン&シート
・シガーソケット電源
・専用デジタルメーター
・ABS標準装備
・二段階トラクションコントロール(ON/OFF)
などなど装備から見て分かるよう利便性を上げアドベンチャーにしたモデル。
実はこのTRACERはMT-09の後ではなく同時開発されていたモデルだったりします。
そうやって共有することでコストを抑える自動車ではお馴染みのオートモーティブプラットフォームというやつで、MT-09が80万円を切る破格の値段で販売できたのはこのおかげ・・・なんですが、同時にTRACERが出るまでは
「MT-09に付いてる謎のステーやボルト穴は何だ」
という鋭い質問が多く寄せられて誤魔化すのが大変だったとか何とか。
そんなTRACERは当初の予定ではFJR1300の様に電子制御サスやスクリーンそして防風性の高いカウルを付けてハイクラスなアドベンチャーモデルにするという計画でした。
しかしどうやってもMT-09の色が消えないことから
「ならばMT-09のパンチ力を活かそう」
となりカウルもスクリーンも最小限、パニアケースのステーも剥き出しで軽快さを優先したライトウェイトスポーツアドベンチャーになった。
もちろん最初にあげた変更点をハンドルやサスペンションや出力特性といった変更、それにパッと見では変わっているように見えないホイールなどもわざわざ再設計することで落ち着きを持たせるなどアドベンチャーらしくする変更も加えられている。
少し面白いのがハンドルカバーでアッパーカウルからの繋がりを利用することで整流効果を大きくしているものなんだとか。
顔に至ってはLEDヘッドライトでさらにパンチが効いたものに強烈になりました。
こっちも別の意味でパンチが効いてる。
MT-09TRPというモデルで欧州向け白バイ仕様。残念ながら日本には入れていないみたいですが、日本の白バイ隊員たちも日本の道路事情を考えたらFJRよりコッチが嬉しいんじゃないかと思ったり。
話が逸れたので戻します・・・。
要するにMT-09TRACERはMT-09のアドベンチャー版というよりも
『MT-09のフルオプションモデル』
と言った方がしっくり来るようなモデルじゃないかと。オンロードメインなアドベンチャーなのに装備重量210kgしかないですしね。
ただMT-09と決定的に違うのはCモードが活きる事。
本来Cはビギナーのために用意されたモードなんですがMT-09TRACERの場合、トコトコと景色を楽しみながらのんびり巡航モードになる。これはクルージングが出来るTRACERの特権かと。
主要諸元
全長/幅/高 | 2160/950/1345mm |
シート高 | 845mm |
車軸距離 | 1440mm |
車体重量 | 210kg(装) |
燃料消費率 | 19.3m/L ※WMTCモード値 |
燃料容量 | 18.0L |
エンジン | 水冷4サイクルDOHC三気筒 |
総排気量 | 846cc |
最高出力 | 110ps/9000rpm |
最高トルク | 9.0kg-m/8500rpm |
変速機 | 常時噛合式6速リターン |
タイヤサイズ | 前120/70ZR17(58W) 後180/55ZR17(73W) |
バッテリー | YTZ10S |
プラグ ※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価 |
CPR9EA-9 |
推奨オイル | ヤマルーブ プレミアム/スポーツ/スタンダードプラス |
オイル容量 ※ゲージ確認を忘れずに |
全容量3.4L 交換時2.4L フィルター交換時2.7L |
スプロケ | 前16|リア45 |
チェーン | サイズ525|リンク110 |
車体価格 | 970,000円(税別) |
年次改良
2017年
アシスト&スリッパークラッチ
トラコンに強弱機能が追加(切/弱/強)