TRACER900/GT(B5C/B1J) -since 2018-

TRACER900/B5C

「Two Sides of the Same Coin: Sports and Travel」

2018年からのMT-09TRACER改めTRACER900となったB5C型。

最初に変更をあげると

・大型フロントスクリーン

・新設計ハンドル&シート

・6馬力アップ

・60mm延長されたスイングアーム

・新デザインのフロントカウル/マウントステー/フットレスト

などなどとなっており、このモデルからは新たにTRACER900GT/B1J型というグレードも登場。

TRACER900GT/B1J

・フルアジャスタブルフロントフォーク

・リモートアジャスター付きリアサス

・多機能フルカラー液晶メーター

・クイックシフター(アップのみ)

・クルーズコントロール

・グリップヒーター

などを装備しています。

TRACER900の変更点

ホイールベースの60mm延長などからもわかるよう従来のMT-09路線から更に少し離れて快適性と巡航性能を向上させたツーリング寄りなモデルになりました。

基本的にデザインは先代を継承している形なんですが

・ハイスクリーンとアッパーカウル

・ウィンカーの位置

・ブッシュガード形状

・パニアマウントステー形状

などの見た目が変わっています。

MT-09TRACERとTRACER900

こうやって見るとTRACERはデザインが纏まっててキメラバイクがベースには見えないですね。

ちなみにTRACERは安くない派生モデルながら人気があって本家のMT-09と変わらないほど売れていたりするんですが、人気といえばコンフォートシートと同時に

『パフォーマンスダンパー(旧名パワービーム)』

を付けるのが流行っているみたいですね。

パフォーマンスダンパーのメカニズム

これはヤマハが開発したフレーム用の制振ダンパーで

『世界初の粘性技術』

として注目されTOYOTAのクラウンアスリートVXを皮切りにクルマの方ではスポーツモデルでの採用が進んでいます。

パフォーマンスダンパーのメカニズム

一体このダンパーが何なのかという話ですが、フレームというのは路面から伝わる力を吸収変形し減衰するという事を繰り返しながら走行している。

この変形には剛性という聞いた事があるであろう要素が関係しており剛性を高くするほど変形に強くなるんですが、高くしすぎると吸収しないのでゴツゴツした乗り心地になる。スポーツ性が高いモデルなんかが正にそれですよね。

しかし吸収できるよう剛性を低くしすぎるとフレームの変形が収まらず(減衰しきれず)真っ直ぐ走るのも大変になるという二律背反のような問題がある。

だからこそ画期的だと言われたのがこのパフォーマンスダンパーで。

TRACERのパフォーマンスダンパー

「直進安定性が増した」

「振動が減った」

という肯定的な意見が多いですが、分かりやすい例がハンドルが振られてまっすぐ走れなくなってしまうウォブルという現象。

これが起こる1番の原因はフレームの剛性不足により減衰しきれず共振を起こしてしまうから。ヤマハのパフォーマンスダンパーを付けると安定するのは、こういったフレームの減衰を補助してくれる(和らげてくれる)から安定する。

「フレーム剛性ではなくフレームの減衰力を上げるのがパフォーマンスダンパー」

という話で、フレームに粘着性を持たせたという意味も何となく分かるかと。

TRACERのカタログ写真

ただし直進安定性が増すという事はそれを崩す事がキッカケであるコーナリングが若干硬くなる面もある。

それでもTRACERで人気なのはパッタンパッタンと右へ左へ寝かし込んで駆け抜ける走りよりも、色々と積載しつつ程よいスポーツ巡航というフレームに少し辛い用途をする人が多いからじゃないかと。

TRACER900GT壁紙

ちなみにこのパフォーマンスダンパーは簡単に脱着出来る上に作用ストローク量が1mm以下なので、サスペンションのように熱やダストによるシール劣化からのオイル漏れやガス抜けという心配がほとんど無い。

もう一つの敵である紫外線もカバーが付いてるので圧倒的にメンテナンスフリーという要素も持っていたりします。だから車の方でも純正採用されたりしているんでしょうね。

値段は約3万円と安くは無いけど高くもなく長寿命なので試してみるのもあり・・・というTRACERというよりもパフォーマンスダンパーのセールページでした。

主要諸元
全長/幅/高 2160/850/1375mm
シート高 850~865mm
車軸距離 1440mm
車体重量 214kg(装)
[215kg(装)]
燃料消費率 19.7m/L
※WMTCモード値
燃料容量 18.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC三気筒
総排気量 846cc
最高出力 116ps/10,000rpm
最高トルク 8.9kg-m/8500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー YTZ10S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CPR9EA-9
推奨オイル ヤマルーブ
プレミアム/スポーツ/スタンダードプラス
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.4L
交換時2.4L
フィルター交換時2.7L
スプロケ 前16|リア45
チェーン サイズ525|リンク118
車体価格 1,030,000円(税別)
[1,110,000円(税別)]
系譜図
MT-09 2014年
MT-09/A
(1RC/2DR)
mt-09トレーサー 2015年
MT-09TRACER
(2SC)
XSR900 2016年
XSR900
(B09)
2017MT-09 2017年
MT-09/SP
(BS2/B6C)
TRACER900 2018年
TRACER/GT
(B5C/B1J)
2021mt-09 2021年
MT-09/SP
(B7N/BAM)
TRACER9GT 2021年
TRACER9GT
(BAP)

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