TMAXの系譜

TMAX
(5GJ)
-since 2001-

初代TMAX

「ニュー・オートマチック・スポーツ」

キングオブスクーターことTMAXの初代モデルである5GJ型。

当時のヤマハとしてはTMAXはビッグスクーターじゃないという旨の事を言っていて、公式サイトでもスクーターカテゴリじゃなくスポーツバイクカテゴリに入れていました。

その根拠は何かって話ですが、それは構造にあります。

初代TMAX

確かにTMAXはオートマチックに加え33Lのトランクスペースというビッグスクーターの武器を備えているんですが、ビッグスクーターらしさがあるのはほぼそれだけ。

まず第一にビッグスクーターといえばフレームはネイキッドのフレームを押し下げたアンダーボーンやダブルクレードルフレームが一般的なんですが、TMAXは水平に寝かせた並列二気筒エンジンを剛性メンバーとして積極的に使うダイヤモンドフレームに積んでいる。

TMAX500内部

そしてフロントフォークもブラケットで懸架されたオートバイタイプ。

さらに駆動方式もスイングアームとエンジンが一体になっているスイングユニット式が一般的なのに対し、リアアームが分かれているスイングアーム式で最終駆動もチェーン。

これはスイングユニット式だとエンジンをダイレクトマウントして剛性メンバーとして使うことが出来なくなる上に、バネ下重量が激増してしまい路面追従性が悪くなってしまうから。

チェーン式無段階変速機

つまり簡単にいうとTMAXっていうのは見た目はスクーターのなんだけど造りは完全にスポーツバイクなんですね。

これがTMAXがスクーターじゃないと言われる所以で開発者は

『YZF-R5』

を目指して造ったとの事。

XP500

「そもそも何故こんなモデルを造ろうと思ったのか」

という話ですが、これはヤマハが1995年に出したビッグスクーターの代表格としてお馴染みマジェスティにあります。元々マジェスティは日本向けに出した面が強かったんですが欧州でも販売したところ

「荷物も詰めてソコソコ機敏に走れる楽ちんバイク」

として予想外のヒットとなった。

しかし向こうの人は体格の大きくスポーツ性にもうるさいのでソコを狙って開発されたのが

「テクノロジーをマックスで詰め込んだTMAX(Tech MAX)」

というわけ。

2003TMAXブラックエディション

その狙いは見事に的中し、初年度の欧州だけで9000台も販売。キングオブスクーターとして大好評となりました。

ちなみに日本のグッドデザイン賞を受賞したバイクでもあるんですが、その中でも金賞を獲得したのは国産バイクではこのTMAXだけだったりします。

主要諸元

全長/幅/高 2235/775/1235mm
シート高 795mm
車軸距離 1575mm
車体重量 218kg(装)
燃料消費率 30.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 14.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC2気筒
総排気量 499cc
最高出力 38ps/7000rpm
最高トルク 4.5kg-m/5500rpm
変速機 Vベルト
タイヤサイズ 前120/70-14(55S)
後150/70-14(66S)
バッテリー GT9B-4
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR7E
推奨オイル ヤマルーブ
プレミアム/スポーツ/スタンダードプラス
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.6L
交換時2.8L
フィルター交換時2.9L
スプロケ -
チェーン -
車体価格 740,000円(税別)

系譜図

SJ02J 2001年
TMAX
(5GJ)
SJ04J 2004年
TMAX
(5VU)
SJ08J 2008年
TMAX
(4B5)
SJ12J 2012年
TMAX530
(59C)
2015SJ12J 2015年
TMAX530
(2PW)
2017TMAX 2017年
TMAX530SX/DX
(BX3/BC3)
2020TMAX 2020年
TMAX560/TECH MAX
(B3T/B7M)