「The Top Technology Machine」
先代(というか先に出ていた)VF750SABRE/MAGNAがシャフトドライブやパイプフレームなどでどちらかと言うと豪華装備のツアラー的な作りだった事から
「何故スーパースポーツではなくスポーツツアラーなんだ」
という声が上がっていた。ホンダも見越していたのか半年後に登場したこのVF750Fは業界初の角型断面パイプフレームにチェーンドライブ、更にスポーティなビキニカウルなど正にそういった声に答えるバイクとして登場。
他にもバックトルクリミッターやクラス初軽量ブーメラン型オールアルミコムスターホイルなどNRで培ったレース技術のフィードバックが入っています。そしてキャブレーターが再度見直されコンパクトになったことで、フレームから頭が飛び出すほど傾けていたエンジンが少し戻りました。
ちなみに海外向けでお馴染みのペットネーム”INTERCEPTOR”が付いたのもこのモデルが始まり。
まさに待ちに待ったスーパースポーツで巷で一躍話題になった・・・けど長続きはしなかった。
ホンダV4の苦難はもうこの頃から始まっていたんですね。
先代で書いた通りホンダは唯一無二のV4をホンダのフラッグシップモデルとして作り差別化を図る意図があったから、CB750Fでお馴染みのスペンサーさんを乗せ替えさせてまでレースに出場してたんだけど市場(特に日本)の反応は悪かった。
ホンダの分析を端的に纏めると
「エキサイティングさや感性が直四に比べ弱かった」
との事。これがどういう事かというと、V4に乗ったことがある人は分かると思うけど直四が回せば回すだけエンジンノイズや排気音とスピードが比例していくのに対し、V4は燃焼間隔が等間隔じゃないから。
※V4のクランク角についてはVFR400R(NC30)の後半で書いたので割愛します。
速いのは圧倒的にV4なんだけど音とスピードが今ひとつ比例していない。ホンダは社運を賭けた勝負において思わぬ形で負けてしまったわけです。
もし当時のライダー達が直四フィールよりV4(倍回るVツイン)のフィーリングを取ってたら今頃ホンダSSはCBR1000RRではなくRVF1000とかになってた可能性は凄く高いでしょうね。
主要諸元
全長/幅/高 | 2016/770/1215mm |
シート高 | 795mm |
車軸距離 | 1495mm |
車体重量 | 218kg(乾) |
燃料消費率 | 38.0km/L ※定地走行テスト値 |
燃料容量 | 22.0L |
エンジン | 水冷4サイクルDOHC4気筒 |
総排気量 | 748cc |
最高出力 | 72ps/9500rpm |
最高トルク | 6.1kg-m/7500rpm |
変速機 | 常時噛合式5速リターン |
タイヤサイズ | 前120/80-16(60H) 後130/80-18(66H) |
バッテリー | FB14-A2 |
プラグ ※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価 |
DP8EA-9 |
推奨オイル | – |
オイル容量 ※ゲージ確認を忘れずに |
全容量3.0L 交換時2.3L |
スプロケ | 前17|後44 |
チェーン | サイズ530|リンク110 |
車体価格 | 748,000円(税別) |