「すべてが新しいプログレッシブ90度Vツイン」
僅か二年足らずでモデルチェンジされたVT250F/MC08後期モデル。
最大の特徴は2stスポーツブームを嘲笑うかのように、4stながら40馬力を叩き出した事。
これはピストンやコンロッドなどエンジン内部を再び全面維新し軽量化というバブリーな事も理由だけど、その中でも特筆すべきはハイ・イナーシャ・ポート(Hi Inertia Port)と呼ばれるもの。
これは吸気ポートの分岐ポイントをかなり手前(青くなっている部分)に持ってくるもので、こうすると吸気慣性が増すので弱い吸気でもグングン吸える様になる。
これで低回転域を補いつつ、思い切り上を伸ばすことが出来たという話。
いきなり5馬力も上がってデザインもエアロフォルムが更に強調された新しいものになったもんだから約36,000台と先代を超える大ヒットに。
これは遅れて登場したネイキッドモデルのVT250Zも投入。カウルを剥いてその分お値段も抑えられています。
更に累計10万台突破を記念してリミテッドモデルも限定発売。
ただ一つ補足しておくとVT250Fが大ヒットしたのは
「速くてカッコよかったから」
だけではないです。
VT250Fが大ヒットしたのはそれらに加え、下からトルクフルで広いパワーバンドという
「4ストローク×Vツイン特有の扱いやすさ」
に磨きを掛けたスポーツバイクだったからです。
ネイキッドモデルを出したのも、ハイ・イナーシャ・ポートで低域を切り捨てる事をしなかったのもそれが理由。
スポーツ至上主義の人だけでなく、街乗りやツーリング層の人からも広い支持を得ることが出来たからVT250Fは大ヒットしたんです。
主要諸元
全長/幅/高 | 2015/730/1155mm [2015/730/1050mm] |
シート高 | 765mm |
車軸距離 | 1385mm |
車体重量 | 167kg(装) [167kg(装)] |
燃料消費率 | 45.0km/L ※定地走行テスト値 |
燃料容量 | 14L |
エンジン | 水冷4サイクルDOHC2気筒 |
総排気量 | 248cc |
最高出力 | 40ps/12500rpm |
最高トルク | 2.3kg-m/11000rpm |
変速機 | 常時噛合式6速リターン |
タイヤサイズ | 前100/90-16(54S) 後110/90-17(60S) |
バッテリー | FB9-B |
プラグ ※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価 |
DP7EA-9/DP8EA-9(標準)/DP9EA-9 または X22EP-U9/X24EP-U9(標準)/X27EP-U9 |
推奨オイル | ウルトラ-U(10W-30) |
オイル容量 | 全容量2.5L 交換時1.9L フィルター交換時2.0L |
スプロケ | 前15|後45 |
チェーン | サイズ520|リンク104 |
車体価格 | 449,000円(税別) [429,000円(税別)] ※[]内はVT250Z |