スズキ70周年を機に復活を遂げた五型となるアニバーサリーモデルのSMと通常モデルのSL。
先代(SAE型)にシートベルトを追加しサスペンションをリセッティングしたもので、これまた名目上は海外向けなものの実質日本向け。
ところでKATANAにお詳しい方ならご存知だと思いますが、このモデルには少しややこしい問題があります。
めでたく復帰したカタナなんですが、まず発売されたのは70周年限定モデルでした。
・70thアニバーサリーステッカー
・シリアルナンバー入り純銀オーナメントキーホルダー
・限定1000台(1店1台まで)
でした。
にしても純銀ってすごいですね。
当然ながらアッという間に完売。
ただし買えなかった人が続出したためか、中身はアニバーサリーと同じでステッカーとオーナメントのつかない素のモデルを通常モデルとして追うように発売となりました。
アニバーサリーのタンクステッカーは純正部品として取り寄せる事が出来たので、見た目の違いがない素のモデルにアニバのステッカーを貼って疑似アニバにする行為が横行したとか何とか。
それで本題。
このモデルの何が問題になっているのかというと疑似アニバが横行した事ではなく、アニバと素モデルの型式について。
「アニバーサリーはSLだ」
という人もいれば
「アニバーサリーはSMだ」
という人も居る。
一般的にはアニバーサリーはSMと言われていますが、ここで紹介したいのがアニバーサリーモデルを噂レベルの段階で予約し手に入れた”たけさん(仮名)”という方から頂いたアニバーサリーモデルの書類。
『GSX1100SL』と書かれていますね。
という事はアニバーサリーがSLで素モデルがSM・・・いやでも雑誌にもWikipediaにもアニバーサリーはSMと書かれている。
「どっちが正解なんだ」
という話なんですが、調べてみるとバイク誌のバイカーズステーション/No.345の話と個人的にも広報に問い合わせてみた結果はこうです。
・元々SL(素モデル)は販売するつもりだった
・スズキ生誕70周年記念車にKATANAが選ばれた
・同じ型式のままでは営業が混乱するので”後から”アニバはSMと付けた
・91年にSLに統合した(SLとSMは混合している)
つまりKATANA再販(SL型)は実は既に決まっており70周年モデル(SM型)は後から企画されたもの。
しかし型式がアニバと素モデルと同じでは営業が混乱するのでSMというコードを作りアニバーサリーは後からSM型としたわけです。
車体番号による区切りはやっていなかったという事なので、SLとSMが混在している可能性もあるとの事(上の書類でSLと書かれているのが正にそれ)で最終的にSLとSMは統合。
ちなみにこのSMやSLというのは国土交通省に届け出る型式ではなく関係者が区別するためのマーケットコードなので法的な義務はない。
先に出たアニバーサリーモデルのイヤーコードが何故Mで、後から出た素モデルがLと呼ばれるのか疑問(アルファベットではL→M→N)でしたがこれでスッキリですね。
ちなみに2年後の92年にはSSLとなり赤銀が復活しました。
※スズキ二輪広報様とアニバーサリーオーナーのたけさんのご協力をいただきました。ありがとうございました。
主要諸元
全長/幅/高 | 2260/715/1205mm |
シート高 | 775mm |
車軸距離 | 1520mm |
車体重量 | 232kg(乾) |
燃料消費率 | – |
燃料容量 | 22.0L |
エンジン | 空冷4サイクルDOHC四気筒 |
総排気量 | 1075cc |
最高出力 | 111ps/8500rpm |
最高トルク | 9.8kg-m/6500rpm |
変速機 | 常時噛合式5速リターン |
タイヤサイズ | 前3.50-19(57V) 後4.50-17(67V) |
バッテリー | YB14L-A2 |
プラグ ※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価 |
DR8EA |
推奨オイル | スズキ純正 エクスター |
オイル容量 ※ゲージ確認を忘れずに |
全容量4.2L 交換時3.2L フィルター交換時3.6L |
スプロケ | 前15|後42 |
チェーン | サイズ630|リンク96 |
車体価格 | 1,190,0000円(税別) ※価格はアニバーサリーモデル |