ファイナルモデルになるGSX1100S FINAL EDITIONことSY型。
排ガス・騒音規制が厳しくなった事と、設備の整理でエンジン部品が製造出来なくなる事を機に発売されました。
排気量にちなんで1100台限定で発売。
ソニックシルバーメタリックという特別なシルバーなので、他のカタナと並べても一発で分かると思います。SUZUKIという赤文字もヘアライン調になっています。
限定装備としては
・アッパーブラケットと書類カバーにシリアルナンバー入りプレート
・エンジン黒色塗装
・シリンダーヘッドフィンの削り加工
・アッパーブラケットの削り加工
・チェーン、ローター、サスダンパーのゴールド化
・車体色に専用のソニックシルバーメタリック
さらに性能面では
・前輪ブレーキの対向4ポット化
・フレームの剛性強化
・チューブレスタイヤへの変更
・プッシュキャンセルターンシグナルスイッチ&ハザードスイッチを追加
先代のSR型を更に近代化させる形のモデルチェンジ。
もちろんあっという間に完売して今じゃ倍出してもまともな車体は手に入らない・・・メーカーの人は1100台も売れるか不安だったみたいですけどね。
ちなみに1100台のうちの5台はヨシムラに渡り1135Rへと化け、シリアルナンバー1100番はスズキの歴史博物館に飾られています。
【長い余談】
「スズキは何故KATANAを再販しないのか」
とよく言われていますよね。
「復刻が望まれるバイクTOP10」でも絶版名車を抑え一位に輝いています。巷の声を見てもカタナ再販を望む人が多く居ます。
当時を知らない人もカタナといえば
「大ヒットしたバイク」
と思ってるでしょう・・・でも実はGSX1100S KATANAはそれほど売れてないんです。20年近く売った割には2万台と意外と少なく、しかも半数が初期SZ型。
これは
・デビュー時は200万円越えで買えなかった
・限定解除が難しかった
・買える頃には旧世代化していた
等の理由があったから。
結果としてKATANAは84年に一時的な生産終了、そして87年には完全に生産終了となりました。
しかし高まるKATANA再販の声に応える形で1990年に再販し1000台を超えるヒットを飛ばした・・・んですが、1000台を超えたのはその年とファイナルエディションだけなんです。
ファイナルエディション前のSR型も販売台数は200台ほど。
ファイナルエディションが本当に捌けるのかメーカーですら半信半疑だったのもこのため。
だからもし仮にいまKATANAが再販されたとしたら大型二輪が比較的簡単に取れる事もあって
「待ってました」
とSLの時と同じか、それ以上にドカッと売れると思います・・・でも恐らくそれは一年目だけ。
二年目以降、そういった需要を満たした後は嘘のように販売台数は落ち込む。
これは
「カタナがいい」
という人は一定数は居ても
「カタナでもいい」
という人が居ないから。
つまりKATANAが出ないのは
「長く売れないバイク」
という部分が強いから。もちろん当時のまま出す(製造する)事が難しいというのが大前提ですが。
『ケルンの衝撃』
というKATANAが引き起こしたインパクトは多くの人をカタナ依存症にしましたが、それと同事に多くの人を吹き飛ばすほどの衝撃だったということ。
まあこれがスズキの得意とする所ですけどね、HAYABUSAもそうですし。
だからもしも生産終了してから20年以上経った今もケルンの衝撃が忘れられず、再販を夢見る人が居るとするならば選択肢は一つしかない。
今からでもいいから、中古でもいいから、250でも400でも750でも1100でもいいからKATANAを買うことです。それ以外に道はない。
ケルンの衝撃に当てられた以上、もうKATANAを超えるバイクは一生出ません。
出たとしても何かが違うと思うでしょう。
アニバやファイナルエディションといった限定モデルはもちろんの事、通常モデルすらあまり在庫が無く流動性が乏しいのはオーナーもそれを分かってるから。
一生KATANAの再販を望む人生より、一生KATANAに乗り続ける人生の方が絶対に楽しいですよ・・・と思ったら19年ぶりに復活しました。
主要諸元
全長/幅/高 | 2250/740/1195mm |
シート高 | 775mm |
車軸距離 | 1515mm |
車体重量 | 232kg(乾) |
燃料消費率 | – |
燃料容量 | 19.0L |
エンジン | 空冷4サイクルDOHC四気筒 |
総排気量 | 1075cc |
最高出力 | 95ps/8500rpm |
最高トルク | 8.6kg-m/4000rpm |
変速機 | 常時噛合式5速リターン |
タイヤサイズ | 前3.50-19(57V) 後4.50-17(67V) |
バッテリー | YB14L-A2 |
プラグ ※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価 |
DR8EA |
推奨オイル | スズキ純正 エクスター |
オイル容量 ※ゲージ確認を忘れずに |
全容量4.2L 交換時3.2L フィルター交換時3.6L |
スプロケ | 前15|後42 |
チェーン | サイズ630|リンク96 |
車体価格 | 990,0000円(税別) |