一般的にXR250の後期型と呼ばれるXR250(MD30後期)
大きな変更点としては デジタルCDIユニットによるレスポンスの向上、フロントマスク形状の変更、倒立フォークへの変更、そしてタンクシュラウドが付いたこと。多機能メーターは軽量化の観点からアナログに戻りハンドルガードがオプションになりました。
XR250は「より楽しく軽快に」「より幅広いライダーに」「長時間のライディングにもストレスなく」がモットーなんですが・・・それなのに倒立サスって一体。でもそれよりもタンクシュラウドへの賛否両論が強かったのを覚えています。
タンクシュラウドっていうのは上の写真でいうとXRのロゴが付いてる羽のようなサイドカバーの事なんですが、これの役目は水冷化によって装着しないといけないラジエーターを転倒時に守るためです。
でもXR250は見ての通り空冷。だからこのタンクシュラウドは見た目だけの装飾品なわけで物議を醸しました。
“カッコいいから許す”という人も居れば”オフに余計な飾りなぞ要らん”という人も。個人的にはカッコいいから良いと思うけどね。
そしてこの後期からホンダ初となるモタードのXR250Motardが追加。
1980年前後には活気のあったオフロードブームも2000年代に入ると去りつつ・・・というかほぼ去ってました。しかしその半面、人気が出始めたのが98年のD-TRACKERを皮切りに広まったモタード。
これメーカーも喜んだと思いますよ。だって(ちょっと汚い話だけど)同じ車体をオンロード仕様にするだけで違う車種として売れるんだから。
オフ車って汎用性に乏しくて排気量によるバリエーション展開しか出来なかったからモタードは本当に死中に活なジャンル。もしかしたらタンクシュラウドを付けたのはモタードの事を考えてかも知れないですね。
肝心の中身ですが、舗装路を考え前後17インチにサスペンションを少し硬めに変更されています。そのおかげでちょっと足付きも良い。
ちなみにモタードが生まれたのは1980年頃と実はなかなか古い。
でも海外のローカルレースに留まるレベルでみんなオフ車をベースに自分たちで改造してた。
SSを剥いたネイキッドであるストリートファイターや、最新のバイクをレトロに改造するネオレトロが10年掛からず広まってメーカーも参入したのに対して、今でこそ世界レースが開かれるまでになったモタードは20年も掛かってる。
そして忘れちゃいけないXR BAJA。
XR250が大きく変貌したのに対してBAJAはスタイルが確立していたからかタンクシュラウドも倒立フォークも付けることありませんでした。この”変えない勇気”は讃えられる事ではないでしょうか。
ただそれらのパーツを共有しなかったのが仇となったのかBAJAは排ガス規制強化の2007年まで続いたXR250よりも3年早い2004年をもって生産終了となりました。
ちなみにXR250は12年にも続いたロングセラーモデルという事もあってか仮面ライダーシリーズに多く出ていたバイクでもあります。
仮面ライダーブレイド、電王のマシンデンバード、ファイズ等など。おそらく最多出演じゃないのかと。
主要諸元
全長/幅/高 | 2175/805/1190mm {2140/820/1220mm} [2110/790/1150mm] |
シート高 | 875mm [855mm] |
車軸距離 | 1425mm {1420mm} |
車体重量 | 133kg(装) {137kg(装)} [134kg(装)] |
燃料消費率 | 40.0km/L ※定地走行テスト値 |
燃料容量 | 9.3L {14L} |
エンジン | 空冷4サイクルOHC単気筒 |
総排気量 | 249cc |
最高出力 | 28ps/8000rpm |
最高トルク | 2.6kg-m/7000rpm |
変速機 | 常時噛合式6速リターン |
タイヤサイズ | 3.00-21(51P) 4.60-18(63P) [前110/70-17(54H) 後130/70-17(62H)] |
バッテリー | YTX5L-BS |
プラグ ※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価 |
CR7EH-9/CR8EH-9/CR9EH-9 または U22FER9/U24FER9/U27FER9 |
推奨オイル | Honda純正ウルトラG1(10W-30) |
オイル容量 ※ゲージ確認を忘れずに |
全容量1.7L 交換時1.3L フィルター交換時1.4L |
スプロケ | 前13|後40 [前13|後39] |
チェーン | サイズ520|リンク104 |
車体価格 | 509,000円(税別) {519,000円(税別)} [519,000円(税別)] ※{}内はBAJA ※[]内はモタード |