XLX250R(MD08) -since 1983-

XLX250R

大成功を収めたXL250シリーズの後継になるXLX250R

最大の特徴はRFVC(Radial Four Valve Combustion Chamber)という新しいエンジンになったこと。放射状4バルブといって燃焼室(燃焼時の形)を理想と言われる半球型にすることが狙い。

XLX250R

右下に分かりやすいイラストが付いているのでそれで分かっていただきたんですが、すべてのバルブが燃焼室の中心を向くように付いています。バルブ駆動もSOHCながらユニカムバルブトレインといってカムシャフト一本で4つのバルブを動かすタイプ。

RFVC半球型

ちなみにこのRFVCじゃないエンジンはどんな形になっているのかというとペントルーフ型といって三角形の燃焼室になる形をしています。自動車もバイクも4バルブは基本的にこれです。

XLX250R

これはCBR250Rの系譜で使ったバルブ挟み角で使った画像なので色々書いてますが、燃焼室が三角形になってるのがわかると思います。吸気バルブ二本と排気バルブ二本が屋根のようになってると言えばわかりやすいでしょうか。

話が少し反れますが、なんで流体力学でみると理想といわれる半球型ではなくペントルーフ型がメジャーなのか簡単に言うと、半球型は乱流がない・・・要するに空気の流れが落ち着いてる事から燃焼伝播(燃え広がる速度)が遅いんです。燃焼伝播が遅いとトルクが落ちます。対してペントルーフ型ってのは燃焼室が三角形で混合気の流れが綺麗ではなく四方八方へ暴れるから燃え広がる燃焼伝播も早いというわけ。

他にも半球型は燃焼室が必然的に広く高くなるから圧縮比を上げ辛かったり。何よりも綺麗な半球の形をバルブで作るのが難しいという問題が。まあ素人に体感できるかといえば間違いなく出来ないでしょうけど。

理想的な燃焼室である半球型エンジンとしてホンダはしばらくシングルはこのRFVCエンジンを推してXR250まで続くわけですが、XLX250Rの場合RFVCエンジンだけでなくキャブレターも二つ付けるという贅沢装備で26馬力とパワーが大幅アップ。

XLX-R

ただ残念な事にXL250の後継にありながらXLX250Rは人気は出ず・・・というか本当に人気が無かった。

理由の一つはそのデュアルキャブで、要するにただでさえ面倒くさいキャブセッティングを二個もしないといけない気難しさや煩わしさが、初心者はもちろん自分で整備するエキスパートそしてバイク屋にまで敬遠されてしまったというわけ。

XLX250Rカタログ写真

こだわり過ぎて失敗っていうホンダらしい不人気車。

主要諸元
全長/幅/高 2175/840/1225mm
シート高 840mm
車軸距離 1415mm
車体重量 128kg(装)
燃料消費率 55.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 10L
エンジン 空冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 249cc
最高出力 26ps/7500rpm
最高トルク 2.2kg-m/7500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前3.00-21-4PR
後4.60-17-4PR
バッテリー FB3L-A
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
DP8EA-9
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
分解時2.0L
交換時1.8L
スプロケ 前14|後40
チェーン サイズ520|リンク102
車体価格 358,000円(税別)
系譜図
ホンダドリームSL250S1972年
DREAM SL250S
(SL250)
MD031975年
XL250/S/R
(MD03)
MD081983年
XLX250
(MD08)
MD16/20/221985年
XLR250R/BAJA
(MD16/20/22)
MD261991年
XL Degree
(MD26/MD31)
MD301995年
XR250/BAJA
(MD30)
MD30後期2003年
XR250/BAJA/Motard
(MD30後期)
MD362005年
XR230/Motard
(MD36)
MD382013年
CRF250L/M
(MD38)
ラリー2017年
CRF250RALLY/L/M
(MD44)

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