Ninja250(EX250P) -since 2018-

三代目Ninja250

「LEGENDARY PERFORMANCE」

二代続けて大成功を収めていたNinja250の三代目となるEX250P型。この方からABSのみとなりました。

2018Ninja250ボディ

開発責任者は先代から変わらず田中さんですが、250と300という二足のわらじから250と400という更に排気量が違うわらじに変更。

フレームもエンジンも新設計のダイヤモンドトレリスフレームのピボットレスに、エンジンの方もクラストップとなる39馬力/12500rpmのカリカリ仕様に。

Ninja250とNinja400

400とはエンジンもフレームも共用だからサスの関係で高さが数ミリ違うことと、車重が1kg違う事を除けば基本的に全て同じです。

250なのにLEDヘッドライトユニット、ギヤポジションインジケーターも標準装備。

Ninja250メーター

ルックスもそうですが装備も性能もどこまで行くんでしょうね。

ちなみにフレームのピボットレスというのはスイングアームをメインフレームに繋げるのではなくエンジンに繋げる事で、要するにエンジンを従来以上にフレームの一部として活用する事。

メインフレームを細く軽くできたのはこれのおかげ。

2018Ninja250エンジン

スイングアームを直接エンジンに付けるのではなく、ピボットプレートにスイングアームを取り付けて、ピボットプレートとエンジンをボルトマウントしているようですね。

ここで少し掘り下げるというかピックアップしたいのが、最近250でもメジャーになりつつあるダウンドラフト吸気というやつ。

大型スーパースポーツでは当たり前なレイアウトで、2018年型Ninja250もこれを採用したことで39馬力まで高馬力になったわけです。

ダウンドラフト吸気

ダウンドラフト吸気というのは要するに吸気の流れを垂直に近い形する事で、これをすると吸気効率が上がります。

ただこれの最もたる狙いは吸気管の長さを抑える事。ダウンドラフト化に加えて弁であるスロットルバルブが従来の二枚から一枚になっているのもそのため。

簡単に言うと吸気管の長さというのは短いほどエアクリーナーから強力にガバッと吸える事から高回転型にでき、長いほど弱い吸気でも確実に吸える中低速型に出来る・・・わけですが、最近になってダウンドラフトが急速に広まりだしたのはガソリンを吹くFIの進化が大きい。

吸気管を短くするということは燃料と空気の混合時間猶予を短くする事になる。すると混合気の濃さにムラができてしまうんですね。

デュアルFI

だからFIの場合は車種や年代にもよるんだけどデュアルFIといって少し手前にサブのFIとスロットルバルブを付けるのが一般的。

これはFIが加圧で燃料を噴射する構造だから。

キャブレターとインジェクションの違い

負圧で勝手に拡散混合するキャブと違い、FIは勢い良くレーザーの様に出るからキャブほど拡散混合しない。

ところが技術進歩によってその問題を解消した超微粒子マルチホールインジェクターが当たり前になってきた。

新旧FI

Ninja250もそんな最新FIを採用したことで、これだけ短い管でこれだけエンジンのすぐ上まで持ってくる事が可能となり、結果として高回転&高馬力型に出来るようになったというわけですね。

が、Ninja250はソコから更にもう一歩進んでいます。

高回転でパワーを出すエンジンになった事で上の伸びが凄まじいことになっているNinja250ですが、いくらFIが進化したからといって上を取るということは少なからず下を犠牲にすることになる。

パワーカーブ

ところがこのNinja250はボア・ストローク比はそのままで犠牲にしていないどころか先代より中低速までもが厚くなっている。

この事に貢献しているのが大容量化エアクリーナーボックスと、その中にあるエアファンネルという吸気管の始まりである口の部分。

エアファンネル

左右の形が違うのが見て取れると思います。

これの狙いは吸気干渉と言って、左右の気筒が空気を取り合うことで起こる吸気効率低下によるトルク減少を解消するため。

並列二気筒180度クランクというのは一番が吸った後、すぐに隣の二番も吸い始めるから吸気干渉が強く起こる。

だからこうやって二番の口の向きを変えて伸ばすことで、もう少し手前まで自分から吸いに行かせる様にしているわけですね。

2018年式ニンジャ250

御託ばかりになってしまいましたが、要するに見た目が完全にSSだった物が中身までSSになってしまったという事です。

もう一昔前のスーパースポーツ顔負けな構成になりましたね。見送られた装備といえば電スロくらいでしょうか。

2018年式ニンジャ250LEDヘッドライト

でも、ここまでやって車体価格は先代から+76,140円の629,640円(税込)とそこまで上がっていない。

ほぼ同じ車体構成のNinja400が+81000円の710,640円(税込)なのを考えると、かなりの価格差というか250を抑えてある。

2018年式ニンジャ250赤

これはひとえに250だからでしょう。Ninja400とNinja250が同じ値段だったら誰も250を買わない。

ほぼ同じ構造ですがどちらが主軸かと言えば明らかに400で、250は副軸のような立ち位置。口うるさい欧州向けも400のようですしね。

2018年式ニンジャ250黒

まあ副軸と言えどクラストップの性能なんですが、上位互換の400が居るから・・・という理由というよりも明らかに名目で安く設定してるとしか。

何故そうまでして250を大幅に安くしているのかといえば250はエントリーユーザーが多いからでしょう。

そしてカワサキにとってNinja250はそんなエントリーユーザーが一番振り向いてくれる大事で貴重なNinja。

2018年式ニンジャ250KRTエディション

「性能は上げても敷居は上げない」

カワサキの250に対する姿勢には本当に頭が下がります。

主要諸元
全長/幅/高 1990/710/1125mm
シート高 795mm
車軸距離 1370mm
車体重量 166kg(装)
燃料消費率 26.2km/L
※WMTCモード値
燃料容量 14.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC2気筒
総排気量 248cc
最高出力 37ps/12500rpm
最高トルク 2.3kg-m/10000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前110/70-17(54H)
後140/70-17(66H)
バッテリー YTX9-BS
プラグ SILMAR9B9
推奨オイル カワサキ純正オイルR4/S4
または
MA適合品SAE10W-40
オイル容量 全容量2.0L
交換時1.3L
フィルター交換時1.7L
スプロケ 前14|後40
チェーン サイズ520|リンク106
車体価格 583,000円(税別)
系譜図
Z250FT1979年
Z250FT
(KZ250A)
GPZ250BeltDrive1983年
GPz250BeltDrive
(EX250C)
GPZ250R1986年
GPZ250R
(EX250E)
gpx250r

1988年
GPX250R/R2
(EX250F/G)

ZZR250前期1990年

ZZR250
(EX250H前期)

ZZR250後期

2002年
ZZR250
(EX250H後期)

Ninja250R

2008年
Ninja250R
(EX250K)

2013Ninja250

2013年
Ninja250
(EX250L/M)

Z250

2013年
Z250
(ER250C/D)

2018Ninja2502018年
Ninja250
(EX250P)

【関連車種】
CBR250RRの系譜YZF-R25/3の系譜GSX250R/GSR250の系譜

「Ninja250(EX250P) -since 2018-」への2件のフィードバック

  1. 「もう一昔前のスーパースポー顔負けな構成になりましたね。見送られた装備といえば電スロくらいでしょうか。」

    という文章について「スーパースポーツ」が適切かと思われます。
    誤字と思しき部分がありましたので報告させていただきます。

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