Ninja250SL(BX250A) -since 2015-

ニンジャ250SL

「シンプルでレーシーなピュアスポーツ」

Ninja250と併売して発売されたNinja250SL。SLというのはコンセプトであるスーパーライト(SUPER LIGHT)から。

言ってしまえば単気筒Ninja250で、エンジンはKLX250(D-TRACKER X)の物という正に21世紀の250CS。

Ninja250SL後ろ

装備重量149kgと二気筒の本家Ninja250よりも20kg以上軽いうえに嬉しいことに10万円以上も安い。

SLの驚くべきはNinja250とKLX250のニコイチというわけではなく250CSより更に尖らせて来たこと。

Ninja250SL内部

ユニトラックサスは当然ながら、SLのためにわざわざトラスフレームを新たに用意するこだわりっぷり。その上に載るタンクやカウルもかなり絞ってあります。

これが何故かと言えばそれが250SLのコンセプトだから。

Ninja250Sl上から

「とにかく軽く、とにかくコンパクト、とにかくスリム」

というスーパースポーツの様なコンセプトで造られたのがSLなんです。

ニンジャ250SL KRT

だからポジションの前傾も250にしては強めでサスも結構硬い。

更にはこう見えて足つきもそれほど良くない・・・と見た目通り結構尖ってる250。

Z250SL
(BR250E)
-since 2016-

Z250SL

「スーパーライトウェイトZ」

復活と言っていいのかNinja250SLから一年遅れで国内に投入されたネイキッド(バーハンドル)バージョンのZ250SL。

カウルが省かれてる分Ninjaより更に1kg軽いです。

Z250SLホイールベース

基本的な構造は先に紹介したNinja250SLと同じなので省略しますが、言い忘れていた事としてホイールベースがあります。

このSLのホイールベース(前輪軸と後輪軸との距離)は1330mmしかありません。これは現存する250の中ではヤマハのトリッカーと並ぶ最短の長さ。

Z250SLフレーム

ホイールベースが短いと動きや取り回しが凄く機敏。

更にもう一つ・・・それは単気筒特有の特性。

Z250SLエンジン

シングル(単気筒)は寝かし込みが軽いと言われているのを聞いたことがあると思いますが、それは簡単に言うとクランクシャフトが短い事からジャイロ効果(姿勢を真っ直ぐ保とうとする力)が弱いのが理由。

つまり寝かせたいなら自分で寝かせないと行けないし、起こしたいなら自分で起こさないといけない。

『ライトウェイト×ショートホイールベース×シングルエンジン』

Ninja250SL/Z250SLが

「めちゃくちゃ軽い」

と言われるのは単純に車重が軽いからではなくライトウェイトスポーツとして大事なこの三要素を外さなかったから。

Z250SLオレンジ

街乗りだろうがツーリングだろうがムチ打ちながら常に目を三角にして全力疾走・・・というカジュアルさの欠片も無い走りが得意なスプリンターバイク。

オールマイティな二気筒のNinja250が既にあったからここまで思い切った事が出来たんでしょうね。

ただ残念な事にエンジン元であるKLX250/D-TRACKERが生産終了になったことでNinja250SL/Z250SLも2017年をもって終了となりました。

ニンジャ250SLとZ250SL

しかし「販売台数ランキング」で何度かTOP10入りを果たしたのを見ても、少なくとも250CSのリベンジは成功したと言っていいかと思います。

恐らくこのバイクに飛びついたのは初心者より大型含め色々乗り継いだ上級者じゃないかと。

ライトウェイトのシングルスポーツってヘビーウェイトのマルチスポーツを経験しないと魅力が分かり辛いのが玉にキズなんですよね。

主要諸元
全長/幅/高 1935/685/1075mm
[1935/700/1015mm]
シート高 780mm
[785mm]
車軸距離 1330mm
車体重量 149kg(装)
[148kg(装)]
燃料消費率 31.3km/L
※WMTCモード値
燃料容量 11.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC単気筒
総排気量 249cc
最高出力 29ps/9700rpm
最高トルク 2.2kg-m/8200rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前100/80-17(52S)
後130/70-17(62S)
バッテリー YTX9-BS
プラグ MR8CI-8
または
CR8EIX
推奨オイル カワサキ純正オイルR4/S4
または
MA適合品SAE10W-40
オイル容量 全容量1.3L
交換時1.0L
フィルター交換時1.1L
スプロケ 前14|後42
チェーン サイズ520|リンク104
[サイズ520|リンク108(104※17年モデル)]
車体価格 425,000円(税別)
[405,000円(税別)]
※[]内はZ250SL
系譜図
Z200

1977年
Z200
(KZ200A)

Z250FS

1980年
Z250LTD/FS
(KZ250LTD/C)

250CS

1985年
250CS
(BR250A)

Z250SL/ニンジャ250SL

2015年
Z250SL
(BR250E)
Ninja250SL
(BX250A)

【関連車種】
CBR250/CB250の系譜YZF-R25/3の系譜GSX250R/GSR250の系譜

250CS(BR250A) -since 1985-

250CS

「新感覚SINGLE」

1985年にZ250FSの後釜として登場した250CS。CS250と呼ばれたりしますが正しくは250CS。ちなみにCSはCASUAL SPORT(カジュアルスポーツ)から。

250CSサイド

オーソドックスなダブルクレードルフレームにシングルエンジンという一見するとそれまでと同じ流れの様に思えるけど、Zの名を捨てた通り普通じゃない。

初の水冷トレールとして登場したKR250Rのものをベースに、ビッグキャブを積み、高回転寄りにすることで6馬力アップの34馬力と歴代単気筒でもトップクラスの馬力に。

振動を完全に消す二軸バランサーまで積んでおいて34馬力という俄には信じ難い数値ですが、このおかげでまるでマルチエンジンのようにヒュンヒュン吹け上がり、低回転が眠いという単気筒らしかぬ特性に。

250CSカタログ

フロントホイールも18インチから一気に16インチとなった事から、とてつもないヒラヒラ感。

ここまでやっておいてリアがユニトラックではなくツインサスなのは当時レトロ感を持ったライトウェイトシングルが少し流行っていたから。

だからカワサキも34馬力/118kg(乾)というカジュアルさの欠片もないスペックを引き下げつつも、ツインショックやステム脇のカバーといったオシャレなパーツを散りばめたというわけ・・・けどまあ誰も知らない通り見事なまでに売れませんでした。

250CS表紙

出すのが遅かった事も大きいんですが、まあカジュアルさが足りなかったというか、カジュアルな走りをするバイクじゃないというか・・・。

主要諸元
全長/幅/高 1970/700/1025mm
シート高 750mm
車軸距離 1340mm
車体重量 118kg(乾)
燃料消費率 57.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 12.0L
エンジン 水冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 248cc
最高出力 34ps/10000rpm
最高トルク 2.5kg-m/9000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前90/90-16(48S)
後110/80-18(58S)
バッテリー YB9L-B
プラグ DP9EA-9
推奨オイル カワサキ純正オイル
オイル容量
スプロケ
チェーン
車体価格 389,000円(税別)
系譜図
Z200

1977年
Z200
(KZ200A)

Z250FS

1980年
Z250LTD/FS
(KZ250LTD/C)

250CS

1985年
250CS
(BR250A)

Z250SL/ニンジャ250SL

2015年
Z250SL
(BR250E)
Ninja250SL
(BX250A)

Z250FS/LTD(KZ250C/G) -since 1980-

KZ250C

「SIMPLE IS BEST」

Z200の後継として排気量を上げ250となって登場したZ250FS。

Z250FSカタログ写真

先代から引き続き丸Z(初代Z)系のデザインを踏襲しつつオシャレなキャストホイールを装備。でもこの時カワサキの250人気は二気筒のZ250FTに集中していたからこのFSは”FTじゃない方”とか酷い言われようでした。

Z250FTとFS

エンジンが違うだけとか思われていますがデザインも結構違うんですよ。向こうは角Z系。

ちなみにディスクブレーキを採用した豪華クルーザーモデルがZ250LTDです。

Z250LTD

そんなFT兄さんが居たせいで影が薄かったZ250FS/LTDでしたが、実はこのバイク1990年に大化けします。

皆さんご存知エストレヤ。

Z系からメグロ系という全く別のバイクへと大変貌することで生き延び、長く愛される事になるわけです。

主要諸元
全長/幅/高 1985/735/1035mm
シート高 755mm
車軸距離 1320mm
車体重量 131kg(乾)
燃料消費率 50.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 13.6L
エンジン 空冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 248cc
最高出力 20ps/8000rpm
最高トルク 1.8kg-m/7000rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前2.75-18-4PR
後120/90-16-4PR
バッテリー YB10L-A2
プラグ D7ES
[D8ES※82以降]
推奨オイル カワサキ純正オイル
オイル容量 全容量1.4L
スプロケ
チェーン
車体価格 268,000円(税別)
系譜図
Z200

1977年
Z200
(KZ200A)

Z250FS

1980年
Z250LTD/FS
(KZ250LTD/C)

250CS

1985年
250CS
(BR250A)

Z250SL/ニンジャ250SL

2015年
Z250SL
(BR250E)
Ninja250SL
(BX250A)

Z200(KZ200A) -since 1977-

KZ250C

「Being Single」

恐らくZシリーズの中で一番Zという名が相応しくないトコトコバイクなZ200。

なんの変哲もないシングルエンジンを何の変哲もないシングルクレードルフレームに積んでいます。

Z200カタログ写真

目立つ部分としてはリッチにディスクブレーキを採用しているくらいなもの。

エンジンもバランサーなんて付いていない旧時代の物のままだったから振動もエゲツない程あります。晩年モデルには付いたようですが。

そんな何の変哲もないZ200ですが、何が凄いって何処からどう見てもZにしか見えない事。

Z200

リアの垂れ下がったメッキフェンダーはZというよりもFOURなんだけど、奇跡に近いほど綺麗に纏まっている。

Z200カタログ写真

直系を除けば恐らく一番Zの名に恥じないデザインではなかろうか・・・最もZに相応しくないのに、最もZとして綺麗に纏まっているという何とも面白いバイク。

主要諸元
全長/幅/高 1925/775/1055mm
シート高
車軸距離
車体重量 137kg(装)
燃料消費率 57.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 8.1L
エンジン 空冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 198cc
最高出力 18ps/8000rpm
最高トルク 1.68kg-m/7000rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前2.75-18-4PR
後3.25-17-6PR
バッテリー YB10L-B
プラグ
推奨オイル
オイル容量
スプロケ
チェーン
車体価格 240,000円(税別)
系譜図
Z200

1977年
Z200
(KZ200A)

Z250FS

1980年
Z250LTD/FS
(KZ250LTD/C)

250CS

1985年
250CS
(BR250A)

Z250SL/ニンジャ250SL

2015年
Z250SL
(BR250E)
Ninja250SL
(BX250A)

Ninja250(EX250P) -since 2018-

三代目Ninja250

「LEGENDARY PERFORMANCE」

二代続けて大成功を収めていたNinja250の三代目となるEX250P型。この方からABSのみとなりました。

2018Ninja250ボディ

開発責任者は先代から変わらず田中さんですが、250と300という二足のわらじから250と400という更に排気量が違うわらじに変更。

フレームもエンジンも新設計のダイヤモンドトレリスフレームのピボットレスに、エンジンの方もクラストップとなる39馬力/12500rpmのカリカリ仕様に。

Ninja250とNinja400

400とはエンジンもフレームも共用だからサスの関係で高さが数ミリ違うことと、車重が1kg違う事を除けば基本的に全て同じです。

250なのにLEDヘッドライトユニット、ギヤポジションインジケーターも標準装備。

Ninja250メーター

ルックスもそうですが装備も性能もどこまで行くんでしょうね。

ちなみにフレームのピボットレスというのはスイングアームをメインフレームに繋げるのではなくエンジンに繋げる事で、要するにエンジンを従来以上にフレームの一部として活用する事。

メインフレームを細く軽くできたのはこれのおかげ。

2018Ninja250エンジン

スイングアームを直接エンジンに付けるのではなく、ピボットプレートにスイングアームを取り付けて、ピボットプレートとエンジンをボルトマウントしているようですね。

ここで少し掘り下げるというかピックアップしたいのが、最近250でもメジャーになりつつあるダウンドラフト吸気というやつ。

大型スーパースポーツでは当たり前なレイアウトで、2018年型Ninja250もこれを採用したことで39馬力まで高馬力になったわけです。

ダウンドラフト吸気

ダウンドラフト吸気というのは要するに吸気の流れを垂直に近い形する事で、これをすると吸気効率が上がります。

ただこれの最もたる狙いは吸気管の長さを抑える事。ダウンドラフト化に加えて弁であるスロットルバルブが従来の二枚から一枚になっているのもそのため。

簡単に言うと吸気管の長さというのは短いほどエアクリーナーから強力にガバッと吸える事から高回転型にでき、長いほど弱い吸気でも確実に吸える中低速型に出来る・・・わけですが、最近になってダウンドラフトが急速に広まりだしたのはガソリンを吹くFIの進化が大きい。

吸気管を短くするということは燃料と空気の混合時間猶予を短くする事になる。すると混合気の濃さにムラができてしまうんですね。

デュアルFI

だからFIの場合は車種や年代にもよるんだけどデュアルFIといって少し手前にサブのFIとスロットルバルブを付けるのが一般的。

これはFIが加圧で燃料を噴射する構造だから。

キャブレターとインジェクションの違い

負圧で勝手に拡散混合するキャブと違い、FIは勢い良くレーザーの様に出るからキャブほど拡散混合しない。

ところが技術進歩によってその問題を解消した超微粒子マルチホールインジェクターが当たり前になってきた。

新旧FI

Ninja250もそんな最新FIを採用したことで、これだけ短い管でこれだけエンジンのすぐ上まで持ってくる事が可能となり、結果として高回転&高馬力型に出来るようになったというわけですね。

が、Ninja250はソコから更にもう一歩進んでいます。

高回転でパワーを出すエンジンになった事で上の伸びが凄まじいことになっているNinja250ですが、いくらFIが進化したからといって上を取るということは少なからず下を犠牲にすることになる。

パワーカーブ

ところがこのNinja250はボア・ストローク比はそのままで犠牲にしていないどころか先代より中低速までもが厚くなっている。

この事に貢献しているのが大容量化エアクリーナーボックスと、その中にあるエアファンネルという吸気管の始まりである口の部分。

エアファンネル

左右の形が違うのが見て取れると思います。

これの狙いは吸気干渉と言って、左右の気筒が空気を取り合うことで起こる吸気効率低下によるトルク減少を解消するため。

並列二気筒180度クランクというのは一番が吸った後、すぐに隣の二番も吸い始めるから吸気干渉が強く起こる。

だからこうやって二番の口の向きを変えて伸ばすことで、もう少し手前まで自分から吸いに行かせる様にしているわけですね。

2018年式ニンジャ250

御託ばかりになってしまいましたが、要するに見た目が完全にSSだった物が中身までSSになってしまったという事です。

もう一昔前のスーパースポーツ顔負けな構成になりましたね。見送られた装備といえば電スロくらいでしょうか。

2018年式ニンジャ250LEDヘッドライト

でも、ここまでやって車体価格は先代から+76,140円の629,640円(税込)とそこまで上がっていない。

ほぼ同じ車体構成のNinja400が+81000円の710,640円(税込)なのを考えると、かなりの価格差というか250を抑えてある。

2018年式ニンジャ250赤

これはひとえに250だからでしょう。Ninja400とNinja250が同じ値段だったら誰も250を買わない。

ほぼ同じ構造ですがどちらが主軸かと言えば明らかに400で、250は副軸のような立ち位置。口うるさい欧州向けも400のようですしね。

2018年式ニンジャ250黒

まあ副軸と言えどクラストップの性能なんですが、上位互換の400が居るから・・・という理由というよりも明らかに名目で安く設定してるとしか。

何故そうまでして250を大幅に安くしているのかといえば250はエントリーユーザーが多いからでしょう。

そしてカワサキにとってNinja250はそんなエントリーユーザーが一番振り向いてくれる大事で貴重なNinja。

2018年式ニンジャ250KRTエディション

「性能は上げても敷居は上げない」

カワサキの250に対する姿勢には本当に頭が下がります。

主要諸元
全長/幅/高 1990/710/1125mm
シート高 795mm
車軸距離 1370mm
車体重量 166kg(装)
燃料消費率 26.2km/L
※WMTCモード値
燃料容量 14.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC2気筒
総排気量 248cc
最高出力 37ps/12500rpm
最高トルク 2.3kg-m/10000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前110/70-17(54H)
後140/70-17(66H)
バッテリー YTX9-BS
プラグ SILMAR9B9
推奨オイル カワサキ純正オイルR4/S4
または
MA適合品SAE10W-40
オイル容量 全容量2.0L
交換時1.3L
フィルター交換時1.7L
スプロケ 前14|後40
チェーン サイズ520|リンク106
車体価格 583,000円(税別)
系譜図
Z250FT1979年
Z250FT
(KZ250A)
GPZ250BeltDrive1983年
GPz250BeltDrive
(EX250C)
GPZ250R1986年
GPZ250R
(EX250E)
gpx250r

1988年
GPX250R/R2
(EX250F/G)

ZZR250前期1990年

ZZR250
(EX250H前期)

ZZR250後期

2002年
ZZR250
(EX250H後期)

Ninja250R

2008年
Ninja250R
(EX250K)

2013Ninja250

2013年
Ninja250
(EX250L/M)

Z250

2013年
Z250
(ER250C/D)

2018Ninja2502018年
Ninja250
(EX250P)

【関連車種】
CBR250RRの系譜YZF-R25/3の系譜GSX250R/GSR250の系譜

Z250(ER250C/D)-since 2013-

Z250

「唯一無二のクオーターストリートファイター」

Ninja250のストリートファイター版として登場したZ250。

中身は丸々Ninja250と同じかと思いきや実はそうでもなく、バーハンに変更されてるのはもちろんサスペンションを柔らかめにリセッティング。これはNinja250より更に街乗りに振っている証。

Z250

何度も言ってるようですが250もここまで来たかという感じですね。カウルの造形もそうだしZのトレンドの一つである盛り上がったタンクまでしっかり継承。

ところで系譜を追ってもらうと分かるんですが、Ninja250も元を辿ると1979年のZ250FTが始まり。

Z250比較

そして30年以上の月日を経って再びZ250。

まさしくリボーンなわけで。だとするとNinja250ではなくZ250の方がカワサキ250ccの本流とも言えなくもないですね。

更に小言が続きますが、カワサキの調査によるとZ250はNinja250より更にエントリーユーザー率が高いそうです。

誰かが言っててナルホドと思ったんですが

「フルカウルに興味を示すのはリピーター。ネイキッドに興味を示すのはニューカマー。」

という話。

Z250カタログ写真

カワサキが率先して出してきたZ250というバイクは

「もっとカワサキに興味を持ってほしい」

という思いの現れなんでしょうね。

主要諸元
全長/幅/高 2015/750/1025mm
シート高 785mm
車軸距離 1410mm
車体重量 168kg(装)
[170kg(装)]
燃料消費率 38.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 17.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC2気筒
総排気量 248cc
最高出力 31ps/11000rpm
最高トルク 2.1kg-m/8500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前110/70-17(54S)
後140/70-17(66S)
バッテリー YTX9-BS
プラグ CR8E
推奨オイル カワサキ純正オイルR4/S4
または
SAE10W-40
オイル容量 全容量2.4L
交換時2.0L
フィルター交換時2.2L
スプロケ 前14|後44
チェーン サイズ520|リンク108
車体価格 488,000円(税込)
[553,500円(税込)]
※[]内はABSモデル(ER250D)
系譜図
Z250FT1979年
Z250FT
(KZ250A)
GPZ250BeltDrive1983年
GPz250BeltDrive
(EX250C)
GPZ250R1986年
GPZ250R
(EX250E)
gpx250r

1988年
GPX250R/R2
(EX250F/G)

ZZR250前期1990年

ZZR250
(EX250H前期)

ZZR250後期

2002年
ZZR250
(EX250H後期)

Ninja250R

2008年
Ninja250R
(EX250K)

2013Ninja250

2013年
Ninja250
(EX250L/M)

Z250

2013年
Z250
(ER250C/D)

2018Ninja2502018年
Ninja250
(EX250P)

Ninja250(EX250L/M)-since 2013-

二代目Ninja250

「クラスを超越」

売れると見るやいなや競合車が出てくるのは歴史から見ても当然のことで、Ninja250Rの大ヒットにより小排気量スポーツバイクが群雄割拠に。

Ninja250デザインスケッチ

そんな中でカワサキが下した決断は、守りに入るのではなく追いつかれる前に引き離す事。

そうして誕生したのがこの二代目となるNinja250のEX250L型とEX250M型。M型はABS搭載モデルの事です。

2013Ninja250R

ZX-10Rの流れを汲むどっからどう見てもSSな見た目となりました。

一見すると中身の方は変わっていないように見えますが、実は大きく変わっています。

まずエンジンはシリンダー部をアルミダイキャストのメッキシリンダー化によりパワーを下げることなく圧縮比を落とし中低速トルクを向上。

2013Ninja250のフレームとエンジン

更にフレームも、このモデルから追加された300ccモデル(ABS無しのEX300Aと有りのEX300B)との併用を考え、材質をスチールからハイテンスチールへ変更することで剛性をアップ。

代わりにそれまで剛性メンバーとしてリジットだったエンジンマウントの一部をラバーマウントとすることで振動を軽減。それに伴いサスペンションも見直されています。

更に2015年モデルからはスリッパークラッチも搭載されました。

スリッパークラッチ

「250でスリッパークラッチなんて要らないでしょ・・・」

って思ってる人も多いと思いますが、スリッパークラッチというのは急激なシフトダウン時のホッピングを防ぐだけでなく発進時もサポートしてくれるんです。

詳細は「スリッパークラッチに対する誤解|バイク豆知識」で書いてるので割愛。

Ninja250ウィンターエディション

そして晩年にはラジアルタイヤに対応したWinterEditionも発売。リアは10mmアップの150mmにワイド化されています。

そんなNinja250ですが、スリッパークラッチより要らないと思えるのがヒートマネージメント技術とよばれるもの。

ヒートマネージメント技術

これは停車中にエンジンから来る熱風をライダーに当てないようにしている技術。

これこそ

「250では要らないでしょ」

と思うわけですが、実はこれ日本ではなくメイン市場であるインドネシアなど日本よりも熱い地域の人達の為の装備。

我々や欧米人は信号待ちで熱風を浴びるのは仕方がないと考えるのですが、アジアの人達にとっては我慢ならない事なんだとか。

まあ向こうは平均気温が30℃近いですからね。

Ninja250カラーバリエーション

そう、先代の時に言いそびれたんですがNinja250は日本向けロードスポーツではなく世界戦略車・・・というかアジア向けハイパフォーマンスモデルという立ち位置がメイン。

実際インドネシアでは一月で日本の一年分に相当する3000台以上を売り上げます。向こうの人にとってはこのNinja250が憧れのスーパースポーツなんです。

マレーシアの白バイ仕様

ちなみにこれはマレーシアで採用された白バイ仕様。

アジアの人がこれだけ買ってくれるから、250でこれだけのルックスと装備を持ったバイクが50万円ちょっとで買えるわけ。

「じゃあ日本はオマケなのか」

というと否定は出来ないけど、ちょっと違う。

田中邦博さん

この大事な二代目Ninja250の開発責任者はER-6などを担当された田中邦博さんなんですが、この方は学生時代にアルバイトでお金を貯めてZXR250を買ったのがバイク人生の始まり。

その時に自分が感じた

Ninja250ヘッダー

「初めてスポーツ車に乗った感動」

を今の日本の若者にも味わって欲しいという熱意を糧にNinja250を作ったとの事。

反響から見るにその熱意はちゃんと伝わったようですね。

主要諸元
全長/幅/高 2020/715/1110mm
シート高 785mm
車軸距離 1410mm
車体重量 172kg(装)
[174kg(装)]
燃料消費率 25.7km/L
※WMTCモード値
燃料容量 17.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC2気筒
総排気量 248cc
最高出力 31ps/11000rpm
最高トルク 2.1kg-m/8500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前110/70-17(54H)
後140/70-17(66H)
バッテリー YTX9-BS
プラグ CR8E
推奨オイル カワサキ純正オイルR4/S4
または
MA適合品SAE10W-40
オイル容量 全容量2.4L
交換時2.0L
フィルター交換時2.2L
スプロケ 前14|後44
チェーン サイズ520|リンク108
車体価格 583,000円(税別)
系譜図
Z250FT1979年
Z250FT
(KZ250A)
GPZ250BeltDrive1983年
GPz250BeltDrive
(EX250C)
GPZ250R1986年
GPZ250R
(EX250E)
gpx250r

1988年
GPX250R/R2
(EX250F/G)

ZZR250前期1990年

ZZR250
(EX250H前期)

ZZR250後期

2002年
ZZR250
(EX250H後期)

Ninja250R

2008年
Ninja250R
(EX250K)

2013Ninja250

2013年
Ninja250
(EX250L/M)

Z250

2013年
Z250
(ER250C/D)

2018Ninja2502018年
Ninja250
(EX250P)

Ninja250R(EX250K) -since 2008-

Ninja250R

「NEXT GENERATION」

2008年の排ガス規制強化により先代ZZR250を始め多くのバイクが生産終了となり、閑古鳥が鳴くほど寂しくなっていた時代にカワサキが出してきたNinja250R。

中身の方は先代ZZR250のエンジンをベースに新排ガス規制に対応し、ダイヤモンドスチールフレームに搭載したもの。

小忍

ただ意外だったのが、ZZR250が築いてきたツアラー路線ではなくセパレートシートなどスポーツ路線だった事。

お世辞にもハイスペックと言えるバイクではなかった為、Ninjaの名を冠した事に当時はアレコレ言われましたね。

でもNinja250RがNinjaシリーズである証がちゃんとあるのをご存知でしょうか。見た目や名前の話ではありませんよ・・・その部分は骨格であるフレームです。

Ninja250Rフレーム

これ左のフレームはNinja250Rの物。そして右側のフレームはGPZ900Rのもの。

そう外見からは想像が付きませんが、Ninja250Rは元祖Ninjaとして有名なGPZ900Rと瓜二つなダイヤモンドフレームを持っているんです。

EX250K

それにこのNinja250Rは従来の二倍にあたる4年を掛けて大事に開発したと言うだけの事はあり、扱いやすいパラレルツインに取り回し易いポジション、そして何より発売当初50万円を切る安さという、エントリーモデルとしては文句の付け所がなかった。

ちなみにこの50万円を切る値段だったのは初年度のみ。

これはインパクトを出すためで本当はそんな値段で売るバイクじゃなかったんだとか。それだけカワサキはこのNinja250Rの成功に賭けていたわけです。

Ninja250Rカタログ写真

結果は皆さん御存知の通り、当時としては異例の一年納車待ちが起こるほど売れに売れ、世界累計20万台を突破する大ヒットとなりました。

Ninja250Rは間違いなく2000年代を代表する偉大なバイク。

そしてリピーターが多くニューカマーが少ないというカワサキの悩みを大きく解消した偉大なNinjaです。

主要諸元
全長/幅/高 2085/715/1110mm
シート高 775mm
車軸距離 1400mm
車体重量 168kg(装)
燃料消費率 40.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 17.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC2気筒
総排気量 248cc
最高出力 31ps/11000rpm
最高トルク 2.1kg-m/8500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前110/70-17(54S)
後130/70-17(62S)
バッテリー YTX9-BS
プラグ CR8E
推奨オイル カワサキ純正オイルR4/S4/T4
または
MA適合品SAE10W-40
オイル容量 全容量1.7L
交換時1.3L
フィルター交換時1.6L
スプロケ 前14|後43
チェーン サイズ520|リンク106
車体価格 498,096円(税別)
系譜図
Z250FT1979年
Z250FT
(KZ250A)
GPZ250BeltDrive1983年
GPz250BeltDrive
(EX250C)
GPZ250R1986年
GPZ250R
(EX250E)
gpx250r

1988年
GPX250R/R2
(EX250F/G)

ZZR250前期1990年

ZZR250
(EX250H前期)

ZZR250後期

2002年
ZZR250
(EX250H後期)

Ninja250R

2008年
Ninja250R
(EX250K)

2013Ninja250

2013年
Ninja250
(EX250L/M)

Z250

2013年
Z250
(ER250C/D)

2018Ninja2502018年
Ninja250
(EX250P)

ZZR250(EX250H) -since 2002-

1990ZZR250

「International Touring」

1999年の規制強化に伴い一度はカタログ落ちするも、ファンからの強い要望もありタイ生産として復活したZZR250の後期モデル。規制に対応するためパワーが40馬力から35馬力まで下がりました。

ZZR250後期

簡単な見分け方としてはミラーが同色から黒になり、タンクのロゴがシールから凹凸のあるメッキの立体物に変わっている事。更に末期モデルでは黒ホイールになりました。

ZZR250Hカタログ写真

ただ元々スペック競争ともブームとも無縁なバイクだったうえに、前期型であった小さな不具合も改善された事から既に鉄板扱いだった250ツアラーとしての地位が不動のものに。

終わってみれば13年もの間フルモデルチェンジされずとも、多くの人に重宝されたロングセラー車でした。

主要諸元
全長/幅/高 2050/700/1125mm
シート高 760mm
車軸距離 1400mm
車体重量 148kg(乾)
燃料消費率 42.0km/L
※定地走行テスト
燃料容量 17.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC2気筒
総排気量 248cc
最高出力 36ps/12000rpm
最高トルク 2.2kg-m/9500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前100/80-17(52S)
後140/70-17(66S)
バッテリー TYX7-BS
{YTX9-BS※H6のみ}
プラグ CR8SA
または
U27FSR-U
推奨オイル カワサキ純正オイルR4/S4/T4
または
MA適合品SAE10W-40
オイル容量 全容量1.9L
交換時1.5L
フィルター交換時1.9L
スプロケ 前14|後44
チェーン サイズ520|リンク106
車体価格 509,000円(税別)
系譜図
Z250FT1979年
Z250FT
(KZ250A)
GPZ250BeltDrive1983年
GPz250BeltDrive
(EX250C)
GPZ250R1986年
GPZ250R
(EX250E)
gpx250r

1988年
GPX250R/R2
(EX250F/G)

ZZR250前期1990年

ZZR250
(EX250H前期)

ZZR250後期

2002年
ZZR250
(EX250H後期)

Ninja250R

2008年
Ninja250R
(EX250K)

2013Ninja250

2013年
Ninja250
(EX250L/M)

Z250

2013年
Z250
(ER250C/D)

2018Ninja2502018年
Ninja250
(EX250P)

ZZ-R250(EX250H) -since 1990-

1990ZZR250

「Fantasy Tourer」

ここで登場するのが名車との呼び声高いZZR250。

元祖メガスポとして有名なZZR1100の流れを組む外見だけど、こちらはメガスポーツというよりかは順当なツアラー。

エンジンは先代GPX250Rをベースに騒音規制に対応し中低速に厚みを持たせた為に40馬力と若干ダウン。

ただその分フレームがなんと専用設計のアルミツインスパーという何かの間違いじゃないのかと思う贅沢なものに。

ZZR250カタログ写真

スポーツ一辺倒だった時代に、長距離も難なく熟せる貴重な250ccツアラーとして手堅い人気を呼びました。

ちなみに

「ZZ-R or ZZR問題」

ですが、これはどちらでも正解です。

ZZRロゴ

左が前期モデルの中でも初期の2~3年モデル、一方右はそれ以降のモデル。

1990年頃はまだZZRブランドが発足したばかりで確立してなかったからこんなことになっている。

ただ今は「ZZR」が主流のようですね・・・って最近ではZZRの名前も消えそうな流れですが。

主要諸元
全長/幅/高 2050/700/1125mm
シート高 760mm
車軸距離 1405mm
車体重量 146kg(乾)
燃料消費率 42.0km/L
※定地走行テスト
燃料容量 18.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC2気筒
総排気量 248cc
最高出力 40ps/12500rpm
最高トルク 2.4kg-m/10000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前100/80-17(52S)
後140/70-17(66S)
バッテリー YB9L-A2
{TYX7-BS※H5以降}
プラグ CR8HSA
または
U24FSR-U
推奨オイル カワサキ純正オイルR4/S4/T4
または
MA適合品SAE10W-40
オイル容量 全容量1.9L
交換時1.6L
フィルター交換時1.9L
スプロケ 前14|後47
チェーン サイズ520|リンク108
車体価格 489,000円(税別)
系譜図
Z250FT1979年
Z250FT
(KZ250A)
GPZ250BeltDrive1983年
GPz250BeltDrive
(EX250C)
GPZ250R1986年
GPZ250R
(EX250E)
gpx250r

1988年
GPX250R/R2
(EX250F/G)

ZZR250前期1990年

ZZR250
(EX250H前期)

ZZR250後期

2002年
ZZR250
(EX250H後期)

Ninja250R

2008年
Ninja250R
(EX250K)

2013Ninja250

2013年
Ninja250
(EX250L/M)

Z250

2013年
Z250
(ER250C/D)

2018Ninja2502018年
Ninja250
(EX250P)
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