ZRX1200DAEGの系譜

ZRX1200R/S
(ZR1200A/B) 
-since 2001-

ZRX1200R

「ワインディング エリート」

二代目となるZRX1200R/SのZR1200A/B型。

このモデル何が恐ろしいって、フルモデルチェンジなのに見た目を大きく変えなかった事。

中身は大きく変わっているんですよ。

ZR1200

ナンバリングにもなっている通りボアを3mm、ストローク1.4mm拡大され1164ccとなっているわけですが、実はこれほぼ作り直したエンジン。

このエンジンは元々GPZ900Rにルーツがあるという話はしたと思うのですが、1100までは想定していたものの流石に1200クラスには無理があった。

ZRX1200Rカタログ写真

そのためこのエンジンはシリンダー周りだけ変えているわけではなくクランクまで変更されているので、実は先代と互換性がほとんど無い新設計エンジンみたいなもの。

ちなみにエンジンだけでなくフレームや足回りも大きく改良されています。

ZRX1200

フレームはヘッド周りの剛性を上げ、スイングアームも湾曲角パイプに変更し縦剛性を八割も上げてピボット位置も変更。

それに合わせて足回りもリアを180/55にワイド化し、セッティング見直しに加えフロントフォークのオフセットを減少などなど・・・

ZRX1200Rカタログ写真

「まさかそこまで変更されていたとは・・・」

と思った人が多いと思います。

そう思うのも当たり前な話。見た目はほとんど変えていないんですから。

これはこの二代目を託された企画の真田さんいわく

「先代を踏襲し正常進化させたかった」

というコンセプトがあったから。

 

ただそんな中でもパッと見で大きく変わったのが、丸目のIIに変わって登場したボルドー・・・じゃなくてSモデル。

ZRX1200S

丸目同様に国内では1000台弱しか売れなかった様なので知らない人も多いかと。

ただそれも多少致し方ない部分があって、実はこれ日本向けというより欧州向けに造られた意味合いが強いんです。

先代の時に欧州でも反響が大きかったので発売する事になったと言いましたが、向こうの人は日常茶飯事のように長距離ツーリングをする。

ZR1200B

その際にビキニカウルのRはどうしても不向きな所があり、もっと長距離ツーリングに使えるようにしてほしいという強い要望があったから造られたモデルなのがこのS。

だから向こうの人にとってのZRX1200というとコッチになります。

 

その一方アメリカは反対にRモデルだけ。

北米版ZRX1200R

これが何故かと言えばもちろんZRXがAMA(北米の市販車レース)で伝説なっている”ローソン”のレプリカだから。

Sモデルを出すとそのイメージが崩れてしまう事でRモデルだけでした・・・面白いですね。

 

2004年には排ガス規制に伴い、給排気の見直しとピボット位置の調整が入っています。

 

ちなみにローソンレプリカについてちょっとした小話。

Z1000J

1981年にカワサキは北米カワサキの要望からAMAで勝つためにベースマシンとしてZ1000Jを造りました。

そしてそれをベースにカスタマイズしたのが初のライムグリーンZことKZ1000J改。

このモデルでAMAチャンピオンに輝いたのがエディー・ローソンという方。

初代ローソンレプリカ

そしてそれを記念に出されたのがローソンのJ改レプリカであるR型(KZ1000R/KZ1100R)です。

これがローソンレプリカの始まりなんですが、意外なことに車体設計を担当していた山崎さんいわく社内でローソンレプリカといえばR型ではなくS型の方だったそう。

ローソンレプリカS1

S型というのはこのKZ1000Sというモデルで、AMA連覇を狙って補強を始めとしたフルチューニングが予め施された今で言うホモロゲーションモデル。

製造はレギュレーションで定められた規約の最低台数である30台のみ。

ちなみにZRXもR1のレプリカというよりこのS1のレプリカです。

ZR1200A

写真では分かりにくいんですがZRXの特徴であるトラス構造パイプスイングアームはS1を意識したもの。

というか採用前提で開発された経緯があります。

 

社内の人間にとってはS1の方がローソンレプリカだったという驚愕の事実ですが、更に驚きなのが社内の人間も山崎さんを始めとした開発チームもローソンレプリカがこれほど人気が出るとは思っても見なかったそう。

というのも当時の時点でフラッグシップモデルZからGPZへ移る時代だったから。

GPZの時代

更にその後もZZRの時代となったのにローソンレプリカの人気は一向に人気が衰えなかった。

このローソンレプリカというブランドについて本物のローソンに関わった山崎さんはこう仰っていました。

ZRX1200Rローソンレプリカ

「ローソンレプリカはZやGPZとは全く違う。ユーザーの皆さんが育ててくれた幸運なブランドですね。」

 

主要諸元

全長/幅/高 2120/780/1150mm
[2120/780/1230mm]
シート高 790mm
車軸距離 1465mm
車体重量 223kg(乾)
[227kg(乾)]
燃料消費率 25.5km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 18.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 1164cc
最高出力 100ps/8000rpm
最高トルク 10.4kg-m/6000rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー FTZ14-BS
{TYX14-BS1※04以降}
プラグ CR9EK
または
U27ETR
推奨オイル カワサキ純正オイルR4/S4
または
MA適合品SAE10W-40
オイル容量 全容量3.5L
交換時2.7L
フィルター交換時3.0L
スプロケ 前17|後42
チェーン サイズ530|リンク110
車体価格 960,000円(税別)
[990,000円(税別)]
※[]内はZRX1100S(ZR1200B)

系譜図

GPz1100 1995年
GPZ1100
(ZX1100E/F)
ZRX1100 1996年
ZRX1100/II
(ZR1100C/D)
ZRX1200R前期 2001年
ZRX1200R/S
(ZR1200A/B)
ZRX1000DAEG 2009年
ZRX1200DAEG
(ZR1200D)