「第三章、豊饒のガンマ」
外見も中身も大幅に変更された後期モデルのB型。
キャスターやトレール角の見直し。そしてフロントサスにはプリロード調整機能を新たに追加しリアにはフルフローターサスペンションを搭載。
更に排気デバイスSAEC(Suzuki Automatic Exhaust Control)を採用する事で排気脈動の最適化を図り、中低速のトルクの谷間を解消。
これにより走りに更に磨きが掛かったわけです・・・が、まあアチコチで言われている様にこの頃からRG250Γは立場が危うくなります。
というのもRG250Γの爆発的なヒットで公道レーサー需要の高さが分かった事から、TZR250(1KT)やNSR250R(MC16)といったライバル車が登場したからです。RG250で話したRZ250の悪夢再びです。
この三つ巴(後にカワサキも参戦)になった事から、250でレーサーレプリカブームが巻き起こる事になります。
スズキも対抗するため、翌86年の四型ではウィンカーのプッシュキャンセル化、サイドスタンドの警告灯装備など使い勝手を向上する改良。
更にはウォルターウルフカラーも限定販売。
ちなみにウォルターウルフっていうのはオイルビジネスで成功したオーストリア出身の実業家の事。
大のランボルギーニ好きでF1にも参戦していました。
当時スズキは全日本500クラスをこのカラーリングを纏ったRG-Γで戦っており、そのカラーリングを市販車にも持ってきたというわけ。
レーサーと同じカラーリングを纏ったバイクというのは今でこそ珍しくないけど、その始まりは実はこれ。
ただ厳密に言うとこれはスポンサーカラーではなくスズキから申し出て採用されたカラーリングなんです。だからカタログにも”参戦”とは書かれず”登場”とか”共鳴”とか書かれている・・・あまりにも似合いすぎてて知りませんでした。
最終となる87年の五型ではアンチノーズダイブが廃止され、ディスクローターの大径化や中空キャストホイール&リアタイヤのワイドリム化など足回りが強化されました。
主要諸元
全長/幅/高 | 2010/675/1170mm |
シート高 | 735mm |
車軸距離 | 1355mm |
車体重量 | 128kg(乾) [130kg(乾)] |
燃料消費率 | – |
燃料容量 | 17.0L |
エンジン | 水冷2サイクル2気筒 |
総排気量 | 247cc |
最高出力 | 45ps/8500rpm |
最高トルク | 3.8kg-m/8000rpm |
変速機 | 常時噛合式6速リターン |
タイヤサイズ | 前100/90-16(54H) 後110/80-18(58H) |
バッテリー | FB5L-BS |
プラグ ※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価 |
B9ES |
推奨オイル | – |
オイル容量 ※ゲージ確認を忘れずに |
全容量1.2L |
スプロケ | 前14|後37 |
チェーン | サイズ520|リンク110 |
車体価格 | 460,000円(税別) [480,000円(税別)] ※[]内はアンダーカウル付き |