モデルチェンジで1299となったパニガーレ。
1299(1285cc)ってSBKのレギュレーションをオーバーしているのでは・・・と思いますが、SBK用のホモロゲモデルはPanigale R(1198cc)として切り離される形となりました。
先代が好評で気を良くしたのか、凄い軽いモデル1299スーパーレッジェーラも登場。
なんとスイングアームとホイールがカーボンに。
そのためお値段もグッと上がって900万円。
にしても市販モデルがレースモデルを追い越してしまうというスーパーバイク初の珍事なんですが、何をしたのかといえば相変わらずボアアップ。
先代から更に4mmボアを拡大し116mmとなりました・・・ドゥカティはボアの限界に挑戦しているんでしょうかね。
もうアレですよ、CD/DVD並のサイズですよ。
ボアは一般的に100mmが現実的な限界と言われています。
この理由の一つはボアが大きくなるという事はバルブも大きくする必要があり重くなるから。
じゃあなんでドゥカティのスーパーバイクが100mm超えを平然とやってのけるのかというと、それはもちろんデスモドロミック機構によるもの。
デスモドロミックだから多少バルブが重くなろうがカムプロファイルを尖らせようが、バルブサージングやジャンプといった問題が起こらない。
ただし、それでも避けられないのが火炎伝播の問題。
これは要するにプラグから燃え広がる膨張が(ボアが広すぎて)間に合わなくなる。どうなるかと言うと、熱損失になる。
ビッグVツインが熱い熱い言われるのはこれが大きな理由。回転数が高くなれば流速が増すので問題にはならないんですが・・・
まあスーパーバイクなんだから
「求めるは高みのみ」
って事なんでしょうね。
また性懲りもなく小言を言わせてもらうと、パニガーレを見て思うのは
「SBKって本当にもうセールスに関係ないんだな」
って事です。
最初にも言いましたがドゥカティがSBKに血眼になっていたのはそれが生き残るための道だったから。
しかしリーマンショックで撤退し、その後どうかと言うとワークス参戦していた頃ほどの成績は残せていないのが実情。
まあそれは当たり前なんですが、じゃあSBKで大戦果を挙げているZX-10RやRSV4が成績に見合うほど人気で売れてるかといえば売れてない。
つまりドゥカティがSBKからMotoGPにスイッチした事や、そのMotoGPフィードバックでパニガーレを造り1299というレギュレーションを無視するモデルチェンジをした事。
これらから察するにもはやドゥカティにとってSBKは生き残るための手段では無くなったんだろうなと。
まあ良く言えばパニガーレがそんな事を吹き飛ばすほどカッコいいデザインで不動の人気を獲得したからってのもあるんでしょうけどね。
相変わらずトリコローレがよく似合う。
エンジン:水冷4サイクルDOHC L型二気筒
排気量:1285cc
最高出力:209ps/10500rpm
最大トルク:14.5kg-m/9000rpm
車体重量:166kg(乾)
※スペックはEU仕様