レースベースであるSPモデルのみだった888ccが公道モデル(STRADA)にも降りてきたのが1993年の事。
排気量だけでなく各部もレースで培われた改良が施されている851系の最終型。
ちなみに851系(特にこの888)は本土イタリアにおいてVFR750R/RC30と双璧を成すレジェンドバイクです。
それが何故かといえば、AMA(アメリカのレース)はもちろん、本命だったスーパーバイク世界選手権において前人未到の三連覇(90~92)を成し遂げたから。
ここで少しまた話がそれてしまうんですが、ドゥカティは851が出た1985年にカジバに買収されハスクバーナ共々カジバ傘下になりました。
原因はもちろん経営がよろしくなかったから。これが何故かと言うと実は日本メーカーの影響。
日本メーカーが
『安くて速くて壊れないバイク』
を下は50から上はリッター超えまでフルラインナップした事でシェアがどんどん奪われていったんです。
このためイタリアは70年代後半に380cc以上の輸入を禁止する保護貿易政策を取った歴史があります。それでもイタリアのバイクメーカーはバタバタと倒れて行きました。
そんな中でドゥカティがどうして生き残る事が出来たのかというと
「レースで活躍したから」
です。
レースで活躍した事でセールスが大きく伸びる事となり、後にカジバ傘下になったとはいえ生き残る事が出来た。
ドゥカティがレースに血眼になるのは、レースが好きだからというより、それが生き残る道だと分かっているからなんですね。
※888の簡易版モデルチェンジ歴
【1993年モデル】
SPが7馬力アップしフロントフォークをSHOWAに。
エンジン:水冷4サイクルDOHC L型二気筒
排気量:888cc
最高出力:
104ps/9000rpm
最大トルク:
8.0kg-m/7000rpm
車体重量:210kg(乾)
※スペックはEU仕様のSTRADA