「×3/4WORKS」
ホンダのGPマシンNSR500のミニチュアの様な佇まいでお馴染みNチビことNSR50/AC10と、Nパチでお馴染みNSR80/HC06型。
後ろに見えるのが元ネタ2st水冷V型四気筒500ccの化物マシンNSR500です・・・本当にソックリで可愛いですね。
しかし可愛いのは見た目だけの話で、中身は大真面目なもの。
エンジンこそNS50Fの物を持ってきているものの、トラック重視のクロスレシオに専用のスチール製のツインチューブで剛性アップ。
オマケに12インチで前後ディスクブレーキまで採用してる完全なコーナリングスポーツ原付。
そもそもなんでこんなユニークなミニバイクを造ったのかと言うと理由は二つほどあります。
一つは当時レーサーレプリカ原付というかレーサーレプリカパロディ原付の人気が出ていた事。
「原付免許さえあれば誰でもスペンサーやガードナーに」
という狙い。
そしてもう一つは原付クラスのアマチュアレース人気が出ていた事。
そんなレースを視野に入れて・・・というか明らかにそれを狙って出されたバイク。
だからこのバイクの登場を飛び跳ねて喜んだのは、未来ある人生を送っている若者というより草レースに人生捧げたような人達。
車体価格もちょっと高かったしね。
ただ高いだけあって本当にこのNSR50/80は飛び抜けていました。しかもそれはNSRという名の通り、決して気難しくない安心かつ絶対的な速さで卑怯者呼ばわりされるほど・・・。
なんですが、NSR50/80はそんな空気を微塵も読むこと無くキッチリ改良を積み重ねるという更に卑怯な行為に出ました。
これは二年後の1989年に出された二型モデル。
アップタイプに変更されたチャンバーとカウルのスラント化が分かりやすい変更点ですが、一番大きいのは前後サスの強化。
これによってコーナリング性能がさらに向上。ギア比も少し中低速寄りに変更されています。
この時点で向かうところ敵なしだったんですが、それでも止まらず1993年には三型にモデルチェンジ。
ホイールが6本スポークのものになり、排気ポート見直しで更に高回転化。
ヘッドライトが常時点灯式なのもこのモデルから。
そしてトドメとなる1995年の四型。
シートカウル、ステム周り、フレーム、スイングアーム、電装系、すべてを刷新した最終型です。
なんちゃってではなく完全にレーサーレプリカの系譜ですね。
少し小言を話すと、レーサーレプリカブームっていうのはすでに30年以上前の話。
だから昨今ではレーサーレプリカに生きた人と、レーサーレプリカを知らない世代が口論しているのをよく見ます。
まあ当時を知らないのに
「2stレーサーレプリカの魅力を分かれ」
なんて無理な話。もうタマも無いですからね。
でも、そんなスペンサーやガードナーを知らない世代の人でもこのレーサーレプリカNSR50/80だけは分かるでしょう。
軽く100km/h以上出る公道を走れるチビレーサー・・・楽しくない訳がない。
ちなみにこのNSR50も先に紹介したNS50F同様にレースベース車両なるものが初めて用意されたバイクでもあります。
『NSR Mini』
前後サスとチャンバーとECUを専用品に変えた物で、NSR50/80の生産終了と同時に登場し2009年まで発売されていました。
主要諸元
全長/幅/高 | 1580/625/935mm |
シート高 | 665mm |
車軸距離 | 1085mm |
車体重量 | 86kg(装) [87kg(装)] |
燃料消費率 | 58.7km/L [41.0km/L] ※定地走行テスト値 |
燃料容量 | 7.5L |
エンジン | 空冷2サイクル単気筒 |
総排気量 | 49cc [79cc] |
最高出力 | 7.2ps/10000rpm [12ps/10000rpm] |
最高トルク | 0.65kg-m/7500rpm [0.97kg-m/8000rpm] |
変速機 | 常時噛合式6速リターン |
タイヤサイズ | 前100/90-12(48J) 後120/80-12(54J) |
バッテリー | 6N2-21A-8 |
プラグ ※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価 |
B8HS |
推奨オイル | Honda純正ウルトラ2スーパー |
オイル容量 | 1.1L |
推奨トランスミッションオイル | ウルトラU(10W-30) |
オイル容量 | 全容量0.9L 交換時0.8L |
スプロケ | 前14|後40 |
チェーン | サイズ420|リンク106 |
車体価格 | 230,000円(税別) [250,000円(税別)] |
後出しジャンケンでありながら、大人が本気で勝ちに来る。
こういう事するからHONDAってキライよ!(笑)