「メットイン・タクト」
タクトの系譜において大きな転換期となった1987年1月登場の四代目タクトことAF16型。
転換期と言える理由の一つはシート下収納という機能を設けたから。俗にいうメットイン機能ですね。
これは前年の1986年に原付もヘルメット装着が義務化された事が要因。
今では信じられない話ですが、当時はヘルメットの煩わしさを嫌う人が続出して原付市場が急激に縮小していました。そこで生まれたのがシート下にヘルメットを収納するスペースを設けるメットイン機能。
今やスクーターといえば備わっていて当たり前の装備ですが、こういう規制が敷かれたからこそ生み出された技術だったりする。
ピンチをチャンスに変えるとは正にこの事ですね。このためグレードも収納力を意味していたフルマークのみに統合されました。
そして転換期となったもう一つの理由は先代で紹介したアイビーと同様にフェンダー一体型のデザインに変更されたこと。
これは一体成形によるコスト抑制もあるんですが、一番は原付にもスタイル性が強く求められるようになってきたから。
そしてこのメットインタクトが素晴らしかったのは、いま見ても何の違和感も無い事からも分かる通り
『メットインスクーター黎明期×新世代スクーターデザイン黎明期』
両方を綺麗に纏め上げたデザインをしていた事。これによりメットインタクトは新規開拓に成功するとともに、メットイン機能を持たない原付ユーザーの買い替え需要にも応える形となり、大ヒットを飛ばしました。
主要諸元
全長/幅/高 | 1655/650/1010mm |
シート高 | – |
車軸距離 | 1160mm |
車体重量 |
60kg(乾) |
燃料消費率 | 75.3km/L ※30km/h走行テスト値 |
燃料容量 | 4.6L |
エンジン | 空冷2サイクル単気筒 |
総排気量 | 49cc |
最高出力 | 5.8ps/6500rpm |
最高トルク | 0.66g-m/6000rpm |
変速機 | 無段階変速機(Vマチック) |
タイヤサイズ | 前後3.00-10-4PR |
バッテリー | YT4L-12B |
プラグ ※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価 |
BP6HSA |
推奨オイル | ウルトラ2スーパー |
オイル容量 ※ゲージ確認を忘れずに |
0.8L |
Vベルト | 23100-GS7-003 |
車体価格 | 139,000円 |